261系
261系(SE-103) 特急「スーパー宗谷」2号 3032D
函館本線 札幌 2000年4月29日撮影

261系
261系1000番台(ST-1109) 特急「北斗」12号 12D
函館本線 五稜郭 2024年7月12日撮影

261系1000番台(ST-1109) 特急「北斗」12号 12D
函館本線 五稜郭 2024年7月12日撮影

1.概要
 主な番台区分として0番台、1000番台、5000番台が用意されました。
・0番台
 1998年(平成10年)に試作車が登場し、各種試験を行った後2000年(平成12年)3月11日のダイヤ改正から特急「スーパー宗谷」として運転開始されました。
編成は下記のとおりです。
←札幌                              稚内→
キハ261-100−キハ260-100+キハ260-200−キロハ261-200
 3編成は北海道高速鉄道(第三セクター)保有で、後に増備された札幌方ユニットSE-104編成はJR北海道所有者となりました。
・1000番台
 2006年(平成18年)に登場し、各種試験を行った後2007年(平成19年)10月1日のダイヤ改正から特急「スーパーとかち」として運転開始されました。
←札幌                              稚内→
キロ261-1100−キハ260-1100+キハ260-1200−キハ261-1200
 上記の中間にキハ260-1300、キハ260-1400を増結して長編成を組成しています。
・5000番台
←札幌                                        稚内→
キハ261-5200−キハ260-5200+キハ260-5300+キハ260-5100−キハ261-5100
 2020年(令和2年)に登場し、臨時特急や団体列車などの波動輸送で活躍しています。「はまなす編成」、「ラベンダー編成」の2編成が製造され、「ラベンダー編成」は北海道高速鉄道(第三セクター)保有となっています。

2.車体構造
・0番台
 車体は軽量ステンレス車体(ビート付ヘアライン仕上げ)となっています。車体断面は、車体傾斜時に建築限界内に収まるよう大形状に絞られています。先頭部は普通鋼となっています。
 乗降客用乗降扉は、片開き式が採用されキハ261形は2箇所(幅900mm但し、先頭側は700mm)、キハ261形は1箇所(幅900mm)設けられてます。
 先頭部は、キハ281系キハ283系同様貫通扉が設けられています。
 先頭車正面下部左右にシールドビームとHIDが各1灯設けられ、運転台上部にHID灯が2灯設けられています。
 外板塗装は、キハ281系キハ283系同様ブロックパターンが採用され、先頭部はコバルトブルー、扉部がコバルトブルー、ライトグリーンの縦帯と扉窓付近に黄色のブロックパターンが配置されています。
・1000番台
 車体は軽量ステンレス車体(ビート無し梨地仕上げ、7次車以降はベルトグラインダ仕上げ)となっています。車体断面は、0番台と同じとなっています。
 乗降客用乗降扉は、0番台と同じとなっています。
 先頭車正面のヘッドライト、テールライトの配置は789系0番台と同様の形状となっています。
・5000番台
 車体は軽量ステンレス車体(ビート無しベルトグラインダ仕上げ)となっています。車体断面は、0番台と同じとなっています。
 乗降客用乗降扉は、0番台と同じとなっています。
 先頭車正面のヘッドライト、テールライトの配置は789系0番台と同様の形状となっています。HID灯がLEDに変更されました。

3.車内設備
・0番台
 座席は、フリーストップ式の回転リクライニングシートが採用されました。
 普通車の座席は横2+2列配列となり、シートピッチは960mmとなっています。テーブルは座席背面に設けられました。壁向きの座席は壁にテーブルが収納されています。
 グリーン車は、横2+1席配列となり、シートピッチは1,145mmとなっています。ヘッドレスト、アームレスト、フッドレスト、折り畳み式インアームテーブルが設けられています。サービスコンセントは窓側に1口設けられました。
 妻面上部にLEDの案内表示器が設けられました。
 キハ260形100番台札幌方車端部に車いす対応洗面器付き洋式トイレと喫煙スペースが設けられました。客席に車いす対応スペースが設けられました。稚内方の車端部には簡易運転台付き車掌室と自動販売機設置スペースが向けられました。
 キハ260形200番台の稚内方車端部に洋式トイレと洗面所が設けられました。札幌方には簡易運転台付き電話室が設けられました。
 キロハ261形200番台の普通客室とグリーン客室の間に業務用室、カウンター付きの簡易車販室、喫煙室が設けられました。
・1000番台
 座席は、フリーストップ式の回転リクライニングシートが採用されました。
 普通車は、789系1000番台と同様のシートが採用され、配列とシートピッチは0番台と同様になっています。
 グリーン車の配列、シートピッチは0番台と同じとなっています。サービスコンセントは窓側に2口設けられました。
 キロ261形1100番台の札幌方に多目的室、車販準備室、業務用室、荷物室が設けられました。
 キハ260形1100番台の釧路・函館方には車いす対応洋式トイレ、小便器、札幌方に車掌室(簡易運転台準備工事)と業務用室が設けられました。客室の釧路・函館方に車いす対応座席と車椅子スペースが設けられてます。
 キハ260形1200番台の釧路・函館方には電話室(簡易運転台準備工事)が設けられています。札幌方には共用洋式トイレ、男子小便器が設けられました。
 キハ260形1300番台の釧路・函館方には大型荷物置き場(簡易運転台準備工事)が設けられています。札幌方には共用洋式トイレ、男子小便器が設けられました。
 キハ260形1300番台の釧路・函館方には業務用室が設けられています。
・5000番台
 グリーン車は設けられず、普通車とラウンジが設けられました。
 ラウンジには編成に応じて「はまなす;、「ラベンダー」の愛称がつけられました。ラウンジは通路を挟んで窓向きにカウンター席が10席(1人掛け4セット、2人掛け4セット)、4人掛けボックスシートが4セット設けられてます。
 普通車は1000番台7次車の座席をもとにグレードアップされました。背ずりは2重構造とし、中肘掛けにテーブルが収納されています。中肘掛けの下にサービスコンセントが2口設けられています。
 キハ261形5100番台にはフリースペース(ラウンジ)が設けられました。札幌方デッキと客室の間に多目的室、車販準備室、業務用室、荷物置き場が設けられました。
 キハ260形5100番台の釧路・函館方に車いす対応トイレ、男子小便器、車椅子スペースが設けられてます。札幌方には荷物置き場、車掌室が設けられています。
 キハ260形5200番台の釧路・函館方には荷物室、札幌方には荷物室、洋式便所、男子小便器、洗面所が設けられました。
 キハ260形5300番台の札幌方には荷物室、洋式便所、男子小便器、洗面所が設けられました。
 キハ261形5200番台の客室両端に荷物置き場が設けられました。

4.機器類
・0番台
 ディーゼルエンジンは、横形直列6気筒・排気量13.3L・直噴ターボディーゼルエンジンN-DMF13HZB形(460ps/2100rpm)が採用されました。キハ260形100番台は1基搭載で、それ以外は2基搭載となっています。
 液体変速機は自冷式変速1段・直結4段パワーオン制御付きのN-DW16A形が採用されました。
 台車はヨーダンパ付軸梁式ボルスタレス台車(動台車:N-DT261形、付随台車:N-TR261形)が採用されました。
 制動装置は、電気指令式空気ブレーキで機関ブレーキと排気ブレーキを併用しています。
 車体傾斜装置は空気バネを用いた強制車体傾斜装置が採用されました。曲線検知はセンサー式としました。
・1000番台
 ディーゼルエンジンは、横形直列6気筒・排気量13.3L・直噴ターボディーゼルエンジンで、1〜4次車はN-DMF13HZJ形(460ps/2100rpm)が採用され、5次車以降はN-DMF13HZL形(460ps/2100rpm)が採用されました。全車2基搭載となっています。
 液体変速機は0番台と同じ仕様となっています。
 台車は、140km/h運転に対応するため0番台から改良を加えたヨーダンパ付軸梁式ボルスタレス台車(動台車:N-DT261A形)が採用されました。7次車からN-DT261Bに変更されました。
 制動装置は、電気指令式空気ブレーキで機関ブレーキと排気ブレーキを併用しています。
 車体傾斜装置は、0番台から改良されたものを採用しています。

5.主な履歴
 1998年(平成10年)12月に試作車が完成し、各種試運転を行った。
 1999年(平成11年)に量産車が完成し、試作車も量産化改造が行われました。
 2000年(平成12年)にバラスト飛散による側窓破損を防ぐため、複層ガラスの外側にポリカーボネート製の透明保護板を設けました。
 2000年(平成12年)3月11日ダイヤ改正より特急「スーパー宗谷」として運用開始されました。
 2006年(平成18年)3月18日の道内特急全面禁煙化に伴い、喫煙スペースがフリースペースに変更されました。
 2006年(平成18年)に1000番台が製造され、2007年(平成19年)10月1日のダイヤ改正より特急「スーパーとかち」で営業開始されました。
 2009年(平成21年)に公衆電話機が廃止されました。
 2009年(平成21年)に1000番台3次車が製造され、一部仕様の変更が行われました。
 2011年(平成23年)より順次ATS-DN対応工事が行われました。
 2011年(平成23年)5月27日に発生した石勝線脱線火災事故を受け、同年9月より客室内非常用懐中電灯設置、緊急非番梯子搭載が行われました。
 2013年(平成25年)に1000番台4次車が登場しました。一部仕様変更されています。
 2014年(平成26年)8月30日ダイヤ改正時に軌道、車両への負担軽減、機器トラブル軽減のため車体傾斜装置の使用を取りやめました。
 2015年(平成27年)に1000番台5次車が登場しました。
 主に下記の点が変更されました。
 ・車体傾斜招致省略
 ・普通車座席のグレードアップ
 ・車内照明のLED化
 ・車体側面行先種別表示器をセレクトカラーLEDに変更。
 2016年(平成28年)より、重要機器取り替え、車体傾斜装置撤去、自動幌システム撤去、前照灯LED化、側面案内表示器のフルカラーLED化が行われました。
 2016年(平成28年)に1000番台6次車が登場しました。
 主に下記の点が変更されました。
 ・外観デザインを新デザインに変更。
 ・愛称表示器をフルカラーLEDに変更。
 2018年(平成30年)に1000番台7次車が登場しました。
 主に下記の点が変更されました。
 ・車体側面、妻外板をベルトグラインダー仕上げに変更。
 ・前面貫通扉の幌取付穴省略。
 ・前照灯、補助灯をLEDに変更(シールドビームは既存車踏襲)。
 ・台車は左右空気バネ差圧弁を台車に取り付けたため、N-DT261Bに形式変更。
 ・サービスコンセントを窓下から肘掛け下に変更。
 ・車内案内表示器をセレクトカラーLEDに変更。
 2020年(令和2年)にキハ260形1100番台に携帯電話充電コーナーが設けられました。また、車椅子スペースが拡大されました。
 2020年(令和2年)に多目的車両として5000番台が製造されました。

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