(1999年1月23日號 第2巻第2號)
TOPIX & ad hoc 2000 Special Weekly Diary 2000年1月4日〜2000年1月9日
お正月映画はやっぱり『荻窪東宝』ってわけですね!!
特報 ★『荻窪東宝』の映画的ジオラマワールドその魅惑的小宇宙模型

 インターネットの性質を知る目的で、いくつかのHPを覗いてそれなりに勉強になった。HPとはどういうメディアなのか、どういうスタイルのものなのか、どういうお約束の上になりったているのか・・・といった素朴なところから、もしHPがなかったら、僕自身が恐らくふれあうことのない人の領域にをかいみたりといった、たあいのないことまで様々な発見があった。
 そんな、まだ数少ない学習(?)や体験のなかで、僕自身が、HPを体験できてよかった、と思えたサイトの一つが、『荻窪東宝』。これこそは、現在のHPでなしうる、さりげなくかつPOPな一つの熟した『作品』であるかもしれない。HPの歴史が発展し続けるのであれば、HP草創期の初期的成熟度としての愛らしさがここにある。
 映画世界的博物学性。東宝映画的世界観。プラモデル、フィギア、ジオラマ、等々から展開する模型世界。支配人室映画日記。映画鑑賞ノート。等々から立ち上がってくる東宝映画マニア的小世界。それは、例えば東宝映画を、能動的には選びとってこなかった僕のような人間さえも、感服させる説得力があるほどだ。
 もうこれは、あまりにもの「あがた的お約束感想」でしかなくて、「またかよ!」と言われること覚悟の上で言うと、稲垣足穂が今生きていてMACに触っていたら、恐らくはこのような模型的HPを作ったはずだ。
 もし、新しいメディアが、例えばこのインターネットのように、この20世紀の終りに何らかの意味や必然性があるとしたら、それはともかく「既成のメディアの関係性」を超越すること、これまでのメディアではなしえなかった、「既成概念やジャンルの破壊」のようなことだろう。それは僕にとっては「メディアというリアリティある現実構造」に対する問いかけ、というよりは、もっと「概念的な事象や現象」に対しての僕自身の「アクション」であり、不特定多数との「コレスポンダンス」のようなものではあるのだが・・・。
 
          
                                         銛射モビィ銛郎
                                      @ Morry Mobby Moriroux


●2000年1月4日(火)
 午後2時、2月10日の『日本少年2000系』発売記念コンサートの会場になる「原宿QUEST」の下見。
 今日から、一応仕事開始。ほんの3〜4日の完全休日で何かすごいエネルギーの回復。対人ストレスというものはやはりあるのか。  


●2000年1月5日(水)
 『日本少年2000系』初回プレス分が完売見込みということで、第2版の製作にはいるとのことで年末から作業にはいっていたが、この第2版からは、通常のプラスティック仕様。中のブックレットも写真を増やしたり原稿の手直しなどと改稿。第2版が出るのは嬉しいことだが、通常のプラスティック仕様になるのはちっとつまらない。きょうはキティへその第2版原稿の色校返し。
 Spring Bell のStar Pine's Cafeライヴ行けず。
 地球温暖化が懸念される中、昨年の日本の気温は観測史上4番目の暖かさだったそうだ。


●2000年1月6日(木)
 早朝「荻窪東宝」にはまってしまう。
 ヘッドに晴れ着姿の東宝看板女優陣の揃い踏みの総天然色記念写真。
 これぞ、謹賀新年、お正月興行なり。
 そんな「荻窪東宝」あちこちリンクし散歩して辿り着いたのが朝8時過ぎ。
 結果打った日記を、先ほど開いてみると次のような有様。
「もし、新しいめぢあの、たとえ箱のインターネットのように、何らかのいみや、匹全盛があるとしたら其れはともかく規制飲めぢあのかんけいせいをちょうえつすること、きせいのめでぃあではたっしえなか・・・」
 半分寝ていました。
 昨年末葛飾で取材の雑誌「東京人」の写真が上がり、それへの僕の散文「PRESENTする20世紀」の〆切。 


●2000年1月7日(金)
 今日も朝まで机の上であれこれしているうちに出発の時間になり、一睡もしないまま、午前9時10分東京発のぞみ号にて名古屋へ。
 10時30分名古屋駅に、シネマ・スコーレの棚橋さんが出迎えてくれる。
 明日から初日のシネマ・スコーレでの『港のロキシー』のキャンペーンとして、今日は4か所、名古屋のプレス関係廻り。
 先ず、11時に東海ラジオ「おーるざっとムービー」(1・7放送分)Pは小島一宏さん。
 スタジオにて、Kittyの名古屋支社の林さんと合流。
 お昼は松坂屋本館「あつた蓬莱軒」で名古屋名物「ひつまぶし」。メニューに「ひつまぶし」の食し方、とでかい字で書いてあるのを「ひまつぶし」と読みたくなる。
 うなぎの蒲焼丼を、一膳目はそのまま、二膳目は薬味を載せ、三膳目はだし汁で、と三膳楽しめる「ひつまぶしの食し方」とノーハウがメニューに載ってるのだが、「ひまつぶしの食し方」つまり、暇ならこれを読めの意に読みたくなったというだけのことだが。
 14時から「FM DANVO」(1・9放送分)
 15時15分から中日新聞。中山敬三記者。
 16時15分からCBCラジオ「小堀さんのラジオデイズ」(1・11放送分)Pの小堀さん、ユニークな表現感性。
 途中、取材の合間に仮眠でもと思いながらも、スコーレのスタッフ達の熱意に煽られた嫌いもあって、結局、彼等や映画『トワイライツ』組面々と明け方まで騒ぐ。


●2000年1月8日(土)
 名古屋シネマスコーレ『港のロキシー』初日。
 午後2時40分、舞台挨拶+客席との質疑応答+テーマ曲『港のロキシー』弾き語り。
 終了後東海ラジオの生番組出演。パーソナリティ天野良春さん、プロデューサーの塩瀬修充氏の札幌FM局Air-G 嵯峨氏及び天野さんの函館つながりにビックリ。
 少し遅いお昼はエスカ地下街の「ヨシダ」のきしめん。今度はその伝票が逆さまに置いてあったので「ヨ」が「E」に読めて「Eヨシダ」と読む。「Eヨシダ」とはこの商店街の名前なのかと盛んに考える。「Eシダ」ではなく「Eヨシダ」と読むところが念入りなり。
 午後6時20分、名古屋出身の主演河原孝俊及び名古屋在住美術担当の田岡一遠とで舞 台挨拶終了後、支配人木全(きまた)氏、天野天街らで打ち上げ。
 木全氏の好きな映画作家は今村昌平とのこと。納得。基本的には指向性の違う名古屋映画業界の長老格の木全氏と、不遜にも、恐る恐るにも、結構さりげなく本音で語りあえたことが、かけがえのない収穫。
 また、初日としての観客動員が劇場側としては満足に足る数字であった、と木全支配人に言われたことがやはり嬉しかった。判断の難しいテーマではあるが、映画というメディアにとって、観客の動員という問題も重要なポイントである。
 勿論それは、音楽においても同じことであって、CDやコンサートの売り上げや動員は最重要事である。
 もっとも、僕自身はその辺にはには全く頓着せず、自分の創りたいものさえ創れればいいという考えしか持たずにきた。それがいいのか悪いのかは一概には言えない。それなりに売れたら、メーカー側も良しとしてくれた。
 が、今回の『港のロキシー』はそうはいかなかった。作品そのものの完成度、自己満足度、世間の評価もさることながら、動員そしてそれとも密接なつながりをもつ金銭面では大いに考えさせられた。
 この体験が今後のわたくしの人格をどう変えていくのか、それとも全く我関せずなのか・・・考えると、少し憂鬱です。つらくもあるね。甘ちゃんなことは御法度だが、それでも今回この映画作りを体験できたことを感謝している。映画が完成したそのことよりも、映画作りを体験できたこと、そのことによって教えられた様々なことこそに感謝している。
 この作品における、表現をするという自分の在り方や、金銭面での今後の後かたずけ等々が山積している。
 時間をかけながら片付けなければならないことも多々ある。
 これも一言では言えないことなのだが、今回は、映画にかかわっている、それも、プロフェッショナルに仕事をしている人々の「力」というべきか「誠意」というべきか「愛情」というべきか、そういうものを余りにも多く受け取ってしまった。それに甘えていない自分の姿勢を一日も早く示したい。
 このへんのことに関しては、いずれゆっくり話すことになるだろうが。

          
●2000年1月9日(日)
 名古屋シネマスコーレ2日目。2時40分に、おしゃべりを交えたミニコンサート。
 午後4時ZipFMの小林克也さんのカウントダウン番組に飛び入り出演。小林克也さんが『港のロキシー』にも出演してくれたお礼もかねて、番組オンエア中にご挨拶に行ったところ、飛び入り出演となる。小林克也さんのDJをスタジオの中でまのあたりにして聴くと、やはり圧倒される程の流暢かつエネルギッシュな口調割舌。
 劇場に引き返して、午後6時すぎから今回最後のトークショー。ゲストに地元、少年王者館の天野天街。僕が弾き語りでテーマ曲『港のロキシー』を歌ったのち、天野さんととりとめのない『港のロキシー』談議。天野さんは『トワイライツ』という映画も撮っているかけがえのない映画作家。シネマスコーレ支配人木全氏も認める優れた作家性を持つている。天野さんの次作を観たい。出来ることがあれば協力したいところだが、現状ではひいきの引き倒しがいいとこか。
 終了後ゲスト、劇場スタッフ、お客さん等々挨拶もそこそこで、名古屋駅19時05分発ひかり号。

          
          
                                    銛射モビィ銛郎
                                  @ Morry Mobby Moriroux


サイ!!を投げられたし!!サイ!!を投げられたし!!
                      
『日本少年2000 系』お喜び慶一お楽しみモリウオ中の皆様へ贈る<すぺっしゃるアフターおまヌけ>キット      
ぽけっとスゴロク歌本付録「亜っと欄だむマドロス港らむショウ」さあさあサイ!!を投げられたし!!
(さてさて今年はLuis&TarphoのCentury骰子城で双六ゴッコかいな?
 なんせ!20世紀の怪人2人合わして200歳だもんなっ!!)
 
震災神戸復興5周年記念に「そして神戸」と「あこがれそして港b」を歌いながら
    稲垣足穂「タルホ神戸年代記」を心静かに読む。
そうとくりゃ、二日酔いに胸かきむしりながら『昇天峠』行きのバスに乗って、
    「沙漠典ボリボリ」をがなってみる。



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