No. 62/72区分(水瓶座6度〜10度)「仮面」 仮面を演じる
求められる人間像を、いかに自分の資質とは相反するものであれ、演じきることで、その役割を果たすことができることを実践する。すべての人間の地位や名誉は、本質的なものとは関係がないことを理解する。
水瓶座 10度
ある時期人気を博する理想を具現した男が、人間として自分はこの理想ではないということを、自覚するようになる
映画のスターは、多くの人の心の底にあるシンボルや理想の投影された人格像を演じて見せる人だ。だが、スターは演じる役柄と別個に、人として生きている。名前もない、人としてのあり方と、映画のフィルムのなかで演じられているような象徴としての人格像が、ここではっきりと分裂する。われわれは時のなかに生きていて、老いる運命をもった肉体をもち、仮面劇を演じつづけようにも、いつかは肉体条件がついてこなくなるのだ。仮面は本来時のない世界にある。だから、ある日仮面は他の、より若い人にわたる。そして残った老いた俳優は、裸の個人として、人の本質とはなにかを真剣に考えるようになる。幻想や、夢からさめて、純粋になった人をあらわしている。シンボルだけを読むと、しばしば否定的な意味にもとられかねないが、これは開悟と、自覚の度数だ。背後にあるのは獅子座の10度、夜明けを通り過ぎてやっと解放される朝。夢からさめた朝、という爽快さを示す。