No. 72/72区分(魚座26度〜30度)「帰還」魂のひとつのサイクルが、幕を閉じる
自分が生まれ育った固有の環境的な影響、対人的な影響をすべて脱色し、純粋な孤独のなかに、自分を吸収させる。新しい再生のために、準備として、地上的な清算をする。
魚座 30度
人面に似ている巨岩の塁層が、少年にとっての偉大な理想像となり、彼は成長するにしたがい、その像に似はじめる
心のなかで描いた理想に肉化する。人間のもっとも奥深いところにある願望が、新しい魂を形成してゆき、ついに彼はその理想どおりの人格を体現するようになる。彼はそれ自身となるが、これはどこかにすでに存在していた原型ではない。お手本は、巨岩。すなわち、少年自身が知らず知らずに、自然界の岩に投影して夢見た姿だ。最後に人は夢見たものになってゆき、この具体的な人生の上での活動の目的を失う。願望と、自己のあり方のずれがなくなったときに、すべては無意識の海に沈んでゆき、自己創造のたえまない衝動が、生命の新しいステージである、牡羊座の新しいサイクルに、その人を送りこむ。乙女座30度と、この魚座30度は、なにかいままでとまったく違う存在の境界の前に立たされているということが共通している。ここでは自分自身がもっている夢のなかに、自分を完全に投げ込まなくてはならない。