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Sonny Landreth

Biography



"Blues Attack" ©1981 Blues Unlimited Records (LP-5012)


Sonny Landreth (サニー・ランドレス)

生年月日:1951年2月1日

幼少期

 アメリカ、ミシシッピー州のキャントンで生まれる。ここは、往年の偉大なスライドギターの名手、Elmore James の生地としても知られる町である。彼の祖父は同州のジャクソンでカントリークラブを経営しており、幼年時代にそこで働く黒人たちの歌に触れ、また音楽好きの兄(Steve)の影響もあり、強く音楽に惹かれるようになっていった。

 その後、彼の家族は父親の仕事の関係でルイジアナ州ラファイエットに移り住み、ケイジャン、クリオール、ザイディコといったルイジアナ独特の文化や音楽を吸収しながら育っていくことになった。10歳からは学校でトランペットを習い始めたが、Elvis Presley の影響で13歳前後からは同時にギターの演奏もするようになった。しかし、本格的にギターを志すようになったのは、ブルースの父、Robert Johnson の音楽を知ったためであった。

若きスライドギタリストの誕生

 Robert Johnson とともに、ギタリストとして彼を目覚めさせたのは、”ギターの神様”と呼ばれた Chet Atkins だった。すでにスライド奏法のコードチューニングなども理解していたSonnyであったが、Sonnyは彼らからの影響で、ソロ楽器としてのギターに取り組み、6本の弦をフルに使って、メロディー、リズム、ベースラインを同時に演奏することを学んでいった。また、デルタ・ブルースのほか、The Ventures から The BeatlesThe ByrdsJimi Hendrix なども好んで聴き、とりわけ The Byrdsの Clarence White の演奏には強く惹かれたという。(〜SonnyはスライドギターでClarenceのプレイをコピーしながら、左手のベンディング・テクニックを学んだ。)更にスライドプレイヤーとしては、Duane Allman も、Sonnyの演奏スタイルに大きな影響をもたらした。

 1971年、当時Dave(David) Ranson らと組んでいたブルースバンドで Sonnyは大きな発見をすることになった。それが、Sonny独特のビハインド・ザ・スライド奏法である。以後、Sonnyはコロラドに移り、70年代の半ばには、Michael Murphey のバンドでも演奏をし、独自のスライドプレイの技を磨いていった。ルイジアナに戻ると、Red Beans and Rice RevueBeausoleil(ボーソレイユ)などいくつかのケイジャン・バンドや Zachary Richard(ザッカリー・リシャ―ル)とも仕事をし、1979年には、”ザイディコの王様”の称号を持つ Clifton Chenier(クリフトン・シェニエ)のバンド、Red Hot Louisiana Band に初の白人ミュージシャンとして迎えられた。Sonnyは、今までの自分の経歴の中で、Chenier のバンドにいた時代(1979〜1980年)に最も多くのことを学んだという。また、このバンドでの経験について、「それは現在、僕が書いている曲に反映されているよ。僕はそこで、本当の意味でリズムを学んだんだ」とも述懐している。


photo by Robin May: from the book "The Kingdom Of Zydeco"
©1998 Michael Tisserand

Red Hot Louisiana Band 時代の Sonny Landreth(右)
左はラブボードを演奏する Cleveland Chenier
(Cliftonの兄、1991年に没している。)


Clifton Chenier (1925-1987)

"King of Zydeco"
"King of the Bayou"



photo: from the sleeve of "I'm Here"CD
©1982 AlligatorRecords &
Artist Management, Inc.

現在の Red Hot Louisiana Band は、
彼の息子の C.J. Chenier が率いる。

 

BAYOU SLIDE GENIUS

 1981年には、初のソロアルバム ”Blues Attack” をリリース。 Red Hot Louisiana Band の協力を得て制作されたこのアルバムは、バンドがサポートした曲のほか、スライドソロの弾き語りブルースやシンプルな楽器構成の曲が収録されており、こちらの方が印象深い出来映えになっている。また、全12曲中8曲は彼のオリジナル曲で、ヴォーカルも担当し、シンガー、ソングライターとしての魅力もすでに兼ね備えたミュージシャンとなっていた。

 以後も Sonnyは数々のセッション・ワークを重ね、1985年には、セカンドアルバム ”Way Down In Louisaiana””Down In Louisiana”のタイトルでメジャーから再発) をリリースした。このアルバムには、後に John Mayall や、The Neville BrothersTom Principato らがカバーした Sonnyの代表作 ”Congo Square”も初レコーディングされている。なお、これは当時 Sonnyが結成していた Bayou Rhythm(バイユー・リズム)というバンドの作品でもあり、Mike Binet(ドラマー)や、以後も行動をともにする Dave Ranson(ベーシスト)のほか、Mel Melton がヴォーカルとハーモニカで参加しており、Mel の色彩も濃く、厳密にはソロアルバムとは言い難い。

Bayou Rhythm 時代の Sonny Landreth(右)


Bayou Rhythm は Sonny が80年代初めに
結成したバンドで、ほかにMel Melton、Dave
Ranson、Mike Binet らが在籍。        
後にC.J. Chenierが加わった。        

この写真は New Olreans Jazz & Heritage Festivalで撮影されたもの。         



photo: from the sleeve of Mel Melton's
"Swamp Slinger"CD
©1997 New Moon Music, Inc.

 1988年、Sonnyは、John Hiatt のアルバム ”Slow Turning” に、このアルバム収録のために Hiatt が結成したメインバンド The Goners の一員として参加し、ツアーにも同行した。1曲目の ”Drive South” から南部感覚が漂うこのアルバム中で Sonnyが果たした役割は絶大で、”Tennessee Plates” での切れのいいリズム、スライドなども、後の Sonnyのソロアルバムを彷彿とさせるものである。 Sonnyのユニークなギタースタイルは完成の域にあり、このアルバムを契機に彼は全国区のギタープレイヤーとして認知されるようになった。そして、また、更なるビッグネームとのセッションをこなしていくことになる。1990年の John Mayall”A Sense Of Place” では、The Bluesbreakers にゲスト・スライドギタリストとして招かれており、この中では Sonny作の ”Congo Square””Sugarcane” の2曲も取り上げられ、全11曲中10曲でプレイを披露している。 

独自の音楽世界を築き上げたアーティスト

 1992年のアルバム ”Outward Bound” は、世界に向けて Sonnyがその存在を誇示した記念碑的な作品となった。豪快かつ緻密で繊細なスライドに加え、フィンガーピッキングのうまさ、従来よりもエッジを強調したサウンドは多くのロックファン、ブルースファンの支持を得ることになった。いくつものノイズを同時に1本のギターで弾き出す彼のテクニックは、新たなリスナーたちを驚嘆させ、批評家たちを唸らせた。また、楽曲的にも粒ぞろいでバラエティーに富み、タイトル曲の ”Outward Bound” など、その歌詞には、時に深遠な洞察を感じさせるものがあった。

 ”Outward Bound” から3年後の、1995年にリリースされたアルバム”South Of I‐10” は、元 Dire Straits のギタリストMark Knopfler に加え、ニューオーリンズR&B の巨匠、Allen Toussaint(アラン・トゥーサン)がピアニストとして参加して制作された。地元で録音されたこともあり、前作以上にルイジアナの風土を歌った曲が多く、より鮮やかに感じられる。トータルなミュージシャンとして活動してきた Sonnyの、集大成といえる素晴らしいアルバムとなった。

 Sonnyが奏でるスライドの音は、伸びの良さ、切れ味の鋭さに加え、エフェクト的に使われる繊細な音、小刻みにバーを揺らせながら音をフェードアウトさせていく時の、どこまでも聴くものの心を乗せていくような響きにも大きな魅力ある。(こればかりは実際に聴いて感じてもらわないと、文字では表現しがたい。) 技術的には、通常のスライドプレイと同時に、小指にはめたスライドバーよりも後方のフレットを残りの指で押さえ、別のコードを生み出しコンビネーションさせるという、独特のビハインド・ザ・スライド奏法を開発したイノベータ―として語られることが多い。しかし、注目すべき点は、そうしたテクニカルな面を土台にして、自らの音楽表現の幅を広げてきたことにある。

 Sonnyはケイジャンではないが、あくまでも自分の育ったルイジアナをベースに据えており、それが、パフォーマー、コンポーザーとしての彼の音楽に大きな特徴を与えている。”Acadian Driftwood” というビデオの中で彼は、スライドギターで、ケイジャン、ザイディコの音楽に用いられる、アコーディオン、フィドル(ヴァイオリン)、ラブボード(洗濯板状のリズム楽器)の音を出したいのだ、とも語っている。

 現在Sonnyは”South Of I‐10” に続く新作ソロ・アルバムの制作中で、また近々、昨年(1999年)再結成されたThe Goners の新作もリリースされる見通しだ。ソロとしての活動に加え、The GonersTraiteurs(Sonnyが率いるケイジャン・セッションバンド)としての活動もあり、今年のSonnyは多忙を極める。(ファンとしては嬉しいことであるが...)

”SONNYまん”から、みなさまへ

 小難しい理屈は抜きにして、まずは彼の近年のソロアルバムを気楽に聴いてみてください。
 彼は親しみやすい楽曲で、あなたを南部に誘ってくれます。
あなたがもし、アメリカンロック、ブルースロック、カントリーロック、ウエストコーストのポップスやロック、サザンロック、ディープサウス、デルタブルース、ギターミュージック、シンガーソングライターのいずれかに興味があるのなら、スライド、ルイジアナ、ケイジャン云々は知らなくても、きっと楽しめるはずです。

 掃除や洗濯をしながらでも構いません。晴れた日の郊外のドライブ中の車内なども最適でしょう。


( Takuya H )

Sources ;

* "The Bayou Slide Genius of Sonny Landreth"; Dan Forte; Guitar Player Magazine April 1988
* "Blues Attack"CD ( Charlie Lange, KUSP Radio, 1995 ) © 1996 AVI Record Production Corp.
* "The Kingdom Of Zydeco" ; Michael Tisserand
© 1998 Michael Tisserand
* "Swamp Slinger"CD ("On Stage and Off, Melton Can Cook"; Don McCleese, Chicago Sun Times)
© 1997 New Moon Music, Inc.
* "Acadian Driftwood" Into the Music Vol.4 VIDEO RittoMusic © 1994
テレビマンユニオン/フジテレビ
* HPI Blues Chat Presents Sonny Landreth June 28, 1995 Howell Productions Inc. HPI @BluesChat.com
* "Cookin' with Louisiana Spice- Sonny Landreth Sizzles-"; Mary-Ann Courtenaye © Blues Access, Boulder, CO,USA
* Yahoo! Music/ Rock & Pop/ Biography/ Landreth, Sonny © Yahoo!, Inc

(最終更新日:2000年4月18日)


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