DEMO TO UTOPIA


この文章は会報にのせた文章をオンライン化したものです。


Label: Gamberetto G016 Issued :1998

A Cappella song(unknown)
Mad men and metal machine
Umbrella man
Silly boy
Everybody else is wrong
Crystal ball
All smiles
Life goes on
Take it home
Always late
One world
Feel too good
God and me
Special interest
Road to Utopia
Love of the com(mon man)
Just one victory


久しぶりにライブではなく、セッションものの海賊盤が出ています。今年の最初の頃出た"MORE ANOTHER LIVE"(77年のイギリス公演などのラジオショーを収録した2枚組)と同じレーベルのカンブレット(Gambretto)というところから発売されました。この会報が出るころは、このレーベルからさらにトッド関係ものが出ているでしょう。

内容は主にdeface the musicのアルバムを作る過程でとられたもののようです。それ自体は9曲でボーカルの入っているのは1曲のみ。聞いてみると、これ本当にユートピア?と思う人がいるかもしれません。私自身も最初に聞いたときはそう思いましたが、よく聞いてみると曲のあいだのちょっとしたやりとりがトッドだったりするので、間違いないと思うのですがどうでしょう?トッド本「全能の人」でエンジニアのクリス・サンダーセンが語っているようにトッドは曲を完璧に仕上げてから詞をのせるタイプらしく、これは曲を仕上げている最中のものでしょう。(One worldだけは詞と曲がほとんどできているようですね) 音ですが、このCDのもとになったテープはいろいろな人の手を経てから制作者に辿り着いたようで、かなり補正はしたものの聞くには苦しいものがあります。 ジャケットはアドベンチャーズ・イン・ユートピアの裏ジャケに写っている4人をくりぬいて、ほかのバックに加工したもので、中を開けるとこの紙の裏にはその当時のサイン会のひとこま(どこかの雑誌にのっていたと思うんですけど思い出せません)、裏ジャケはアドベンチャーのおもての一部を使って曲名をのせてあります。その曲名のところで(unrele demo)と書いてありますが、これはunreleasedのつもり? Common manもComで切れている。アメリカではこんな英語の略し方はしないので日本人が作った可能性大です。

1.これはトッドの曲ではないでしょう。黒人系のような感じで、アカペラLPのようにオーバーダブはされていません。声質も違うようだし、それにこの曲の存在を聞いたことがありません。このメーカーはいままであまり掘り出し物を出していないので、にせものでしょう。

2.この曲の本当の名前は"MAD MEN AND METAL MACHINE"といわれるものでアドヴェンチャーズのLPのために作られたが、最終的にアウトテイクになったものです。ちょっと80年代典型的なテクノにユートピアテイストを加えたものという感じ。ヴォーカルはウィリーさんのようですが、かなり加工されてます。音はけっこう悪い。

3.このCDの中では一番音が良い、というものも正規のシングルからとられたもの(アメリカ盤SET ME FREEのB面)だからでスクラッチノイズがあるものの良好です。でもこれでさえ何度かテープにコピーされてからのもので、ちょっと頑張ればもっといい音が手に入るのに… 雨の音で始まるスローな曲。ヴォーカルはカシム、コーラスもきれいです。

4.ここからメインの登場です。リハーサルというか練習というか、レコーディングの初期の段階かもしれません。共同でアレンジしてるのか、4人でせーのという感じでけっこうみんな真剣にやってるのでレコードにわりあい近い感じがします。いちおうステレオらしいですが、かなりダビングされています。聞きやすく処理されていますが、高音がシャリシャリしてます。この一連はおんなじ音質です。この曲はカウントから始まります。ヴォーカルとキーボードはないようです。ギターもリズムを刻むだけです。

5.あたまのところで一度やり直すのですが、ここでトッドが声を出します。ドラムとベースだけでしょうか?これだけ聞くと"I'm the Warlus"のようですね。

6.この曲はほとんど出来上がっているようで、カラオケ状態です。

7.これはクレジットの間違いで正しくは"ALL SMILES"です。トッドのことは知ってるけどここまでは知らなかったという感じでしょうか。あたまに少しお遊びが入っています。"Ready?" "Yeah" "Rollin'"(テープまわして!)最後はフェードアウトします。

8.キーボードだけで作っているのでしょうか? 9.これもカウントが入ります。

10.曲をやる前にカシムがこのときはやっていたウイングスのGOODNIGHT TONIGHTのベースのさわりを弾きだします。この曲はピッチがすこし遅いです。

11.トッドのカウントで始まりますが、歌詞も初期のバージョンでレコーディングされているものよりすこし歌詞が違っています。一時期ライブではこの歌詞で歌っていたころもありました。イントネーションがすこし違うとこもあります。ギターソロはありません。

13.これも正確にはGOD AND MEといい、音がキンキンしています。これも2と同じで最終的にアウトテイクになったものです。トッドのヴォーカルに少しエフェクトをかけています。

14.タイトルはSPECIAL INTEREST、アメリカでONE WORLDのシングルが出たときのB面になった曲。(ほかのどこにも収録されていない)ボーカルはウィリーさんで明るく歌っています。けっこういい曲だと思うんですが、トッドはこの曲がアルバム(Swing to the right)のコンセプトと合わなかったためはずしたらしいです。

15-17 これらはKBFH retrospective(全米ネットワークのラジオショー、主にFM)から。これはラジオ局に配られたオリジナルのCDからなのでとてもいい音です。でもすでに何度もいろいろな海賊盤に収録されているので穴埋め的な要素が大きいです。15のあたまはアナウンスをカットするために切れているし…  

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