サイン会!!小坂俊史 〜小坂先生初サイン会リポート〜
- 2004/2/7 9:15 -

横浜の自宅を出発。当日の関東地方南部は雲一つない晴天。「くぅー、気持ちいいっ!」今日しなければならないことの何もかもがうまくいきそう、そんな気分になるお天気。しかし、そんな中にも一抹の不安が。実はこの日は17:00から私用があった。場所は浜松町。東京近郊の人や鉄道マニアの人は山手線の路線図を思い出して欲しいのだが、池袋と浜松町は山手線で言うとちょうど正反対の位置にある。うまい具合に2点を1本で結ぶ地下鉄も無い。ということは、山手線で30分強掛けて移動するとして、16:00頃にはサイン会の会場を後にしなくてはならない。とは言え、ファンサイトの管理人が最初のほうにサインしてもらってとっとと帰る訳にもいかない。レポートをするためにはある程度後の順番に並んで、前の様子などもしっかり見ておかなくては。戦略を練りつつ、都心へ向かう電車に乗った。

- 10:10 -

ジュンク堂池袋本店に到着。開店して10分足らずしか経っていない店内は、まだ閑散とした様子。入口の正面に見えた注文品受け取りカウンターに予約票を出す。「これは…このカウンターでよろしいですか?」「あ、はい。えーと、今井様ですね…」店員の女性が後ろの棚に向かう。見ると棚には『ひがわり娘』3巻がずらり。30冊近くは並んでいたのではないだろうか。女性が出してきたコミックスにカバーを掛けてもらい、代金の600円と引き換えに受け取る。一緒についてきた整理券を見ると「サインは先着順」とある。ということは、早めに列に並べばある程度順番の融通は付けられるということだ。「サイン会は2時からになります。右手から地下1階にお越しください。」その言葉を聞いて、とりあえず地下1階のコミック売り場に下りてみる。サイン会の準備は全くされていなかった。あと4時間もあるのだから、当たり前といえば当たり前だ。一旦店を出て時間をつぶすことにした。

- 12:15 -

東急ハンズで2時間つぶして、再びジュンク堂の地下1階へ。まんがタイム編集部からの生花が飾られていたが、それ以外は2時間前と変わりなし。また店の外に出た。

- 12:50 -

池袋駅前の西武百貨店へ。そこで、サイン会なんだから手土産の一つも持っていってはどうかということに気づく。何がいいか考えた挙げ句、「そういえば小坂先生は最近ソースカツ丼に凝っているらしいから、とんかつソースはどうだろう」と思い食品売り場へ。さすが西武だけあって高級そうなとんかつソースが色々並んでいたが、ソース瓶を裸で手渡すのもなんだし、かと言ってラッピングしてもらうのも…と思い取りやめる。じゃあ花束なんかどうだろう、とも思い花屋にも行ってみたが、三十路を迎えた男が三十路に近い男に花束を手渡すシーンがどうにも収まりの悪いものに思えたためこれも取りやめ。結局手土産無しでジュンク堂に戻る。

- 13:15 -

サイン会の準備が始まっていた。小さなテーブルが準備され、その前には『ひがわり娘』3巻が何冊か。フロアを歩き回ってみると、ジュンク堂の袋を持って所在なさげにコミックの棚を見ている人が何人も。きっとみんな1階で整理券をもらって地下に下りてきた人だろう。私もそれの人に混じることにする。「あー、『危険がウォーキング』の新装版があるー。けど2・3巻だけで1巻が無いんじゃぁ…」などと思いつつコミックの棚を見て回る。すると店内放送でサイン会のお知らせが。「整理券にはまだ若干の余裕がございます…」若干の余裕と聞くと、笑点の地方公開録画であいさつをする林家こん平がすぐ頭に思い浮かんでしまうのはいかがなものかと自分でも思う。

- 13:25 -

「小坂俊史先生のサイン会に参加される方、こちらからお並び下さーい!」その声を受けて、所在なさげにしていた人たちが一斉に動き出す。私は前から20番めぐらいの位置を確保。この位置なら、まあ16時までにサインの順番が回ってこないことはないだろう。ちょっと安堵して後ろを見ると、10人ぐらいの人が並んでいる。ということは、この時点での行列は30人程度。多いのか少ないのか。

- 13:30 -

アンケートが配られた。このサイン会をどこで知ったか、いつも読んでいる雑誌の名前は、といった質問の後に、「小坂俊史先生の作品で今まで読んだことがあるものは?」という問いが。その選択肢のラインナップが結構すごかったので、全部列挙してみる。

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せんせいになれません・月刊フリップ編集日誌・ひがわり娘
サークルコレクション・とびだせ漂流家族・ハルコビヨリ
サイダースファンクラブ・うるぐす共和国・はじめてのかいしゃ
ガクランコンビナート・よいこキャンパス・午前四時
じゃんそうはじめました・空ぶり魂
その他(                        )
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『よいこキャンパス』とか『午前四時』とかを読んでいる人は相当なモンだと思う。私だって読んだことはない。ちなみに私が読んだことがあるのは、『せんせいになれません』から『ガクランコンビナート』までの10作品と空ぶり魂である。

- 13:40 -

店員の人がまた紙を配り始めた。見ると「サイン会のしおり。」とある。なんと、小坂先生がサイン会のために描き下ろしたB5版4ページ(B4二つ折り)の読み物である。「サイン会のおねがい」「HISTORY〜笹木まみ 約5年の歴史〜」「サイン会目前日記 1ヶ月へこみっぱなし」「おまけ。」と内容充実。過剰ともいえるサービスっぷりである。

- 14:00 -

サイン会開始時刻。しかし、始まる様子が全くない。列が壁に沿って直角に並んでいるため、私の位置からはサイン会場の様子を窺うことができない。「小坂先生、まさか直前になって逃げ出した?!」そんなバカなことも考えつつ待つ。

- 14:05 -

「…小坂俊史先生の…」サイン会場のほうで男の人の声がした。よく聞こえなかったが、おそらく開始の挨拶かなんかだろう。どうやら始まったようだ。

- 14:35 -

開始から30分。列は10人分くらい前に進んだ。一人当たりのサインに掛けている時間は3分くらいか。かなり丁寧にサインをしているようだ。

- 14:47 -

私の前にはあと2人。ようやく小坂先生の様子が見えてきた。小坂先生の今日の服装はライトブラウンのコートに、黒とグレーのボーダーのトレーナーかシャツのようなもの。って、コート着てるの?体調が悪いのか、店内が寒いのか、コートを置く場所がなかったのか、それとも単に脱ぎ忘れたのか。

- 14:50 -

いよいよ私の番が来た。「よろしくお願いします…」整理券とコミックスをおずおずと差し出す。整理券の「お名前」の欄には本名を書いておいた。整理券を一読した小坂先生、「あ…」と顔を上げる。どうやら『がんばれ小坂俊史』の管理人が来たと分かってもらえたようである。「初めまして。いつもお世話になってます。」私はそう挨拶したのだが、よく考えりゃ変な挨拶である。「いやー、まだまだ後ろに並んでますよ。ウチのサイトのレポートでは大盛況だったって書かせてもらいますから。」「あ、そうっすか。」これだけ書くと素っ気無い返事のようだが、表情にはちょっと笑みがあったように見えた。
描いてもらうキャラにはみっちゃんをリクエスト。サラサラとペンを進める小坂先生。みっちゃんを描き終えると、その左に字を書き始めた。それをフキダシで囲んでセリフの完成。私の場合は「ササちゃん!!その水着ぜんぜんエロくない!!」であった。
実はサインを描いてもらっている間にもう一言やり取りがあったのだが、それは省略。
イラストの下に「小坂俊史」と名前を入れ、通し番号を振ってサイン終了。「ありがとうございました!これからも頑張ってください!」そう挨拶して私は会場を後にした。

- 15:55 -

近くのカフェで本を読みながら時間をつぶし、改めて会場へ戻ってみた。この時点でもまだ並んでいる人が40人以上。このペースだと、最後尾の人がサインしてもらえるのはいつのことになるやら。でも、大丈夫。サイン会のしおりをもらって、好きなキャラを描いてもらって、セリフまで入れてもらって…ここまでサービスされて文句を言う人などいやしないはず。大盛況のサイン会だったことを確認して、私は浜松町へ向かった。

〜Fin〜

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