サイン会!!小坂俊史3 〜小坂俊史&重野なおき合同サイン会リポート(2007.7.28 ジュンク堂書店池袋店)〜

「うわあああああ、サイン会明日だったあああああっ!!」

2007年7月27日金曜日、時刻はもうすぐ24時を回ろうとしている頃。
私はとんでもない勘違いをしていたことに気が付いた。
小坂俊史先生と重野なおき先生の合同サイン会は明日なのだ。来週の土曜日じゃないのだ。
来週の土曜日にも前々から楽しみにしていたイベントがあって、それとごっちゃになっていたのだ。

どうしよう。何もネタを考えていない。
3年前の私屋カヲル先生との合同サイン会のときは、『せんせいになれません』の池田のコスプレという
傍から見たら外回り中の営業マンにしか見えない格好で出向いて、ほんのちょっとだけ小坂先生のツボを突いた。
今回も何かコスプレを、とは考えていたのだが具体的には何も考えていなかった。
さあどうする。
今から準備できるネタはあるか。
『せんせいになれません』の和泉ちゃん……白衣がない。今から借りられる当てもない。
『ハルコビヨリ』のやっさん……前回の池田以上に分かりづらいのでNG。
『やまいだれ』の流しのナース……衣装は明日東急ハンズで買えると思うが、あの格好で出歩きたくない。
だめだ。小坂作品では無理。じゃあ、重野先生の作品ではどうか。
『グッティー』のアズマor舞先生……ああいうジャージって持ってないんだよな。
『のの美捜査中!』の軍平……これも分かりづらい。
どれもこれも今ひとつ。決め手に欠ける。

前回、池田のコスプレをしたのは『せんせいになれません』発売記念のサイン会だったから。
ということは、今回は『ふたりごと自由帳』からネタを拾うべきだよね。
『ふたりごと−』で一番印象に残った作品というと、「春にして君を想う」。
だからと言って、サイン会というおめでたい席に喪服を着ていくバカはいない。
さて、どうしようかね。
おめでたい席……そうか。そこか。
今回の合同サイン会は、言ってみれば小坂俊史と重野なおきの初めての共同作業。
コミティアはあくまでもコサカトシフミと、こてはし直樹としての活動だし。
じゃあ、思いっきりおめでたい格好でお祝いしに行きますか!
私は明日の衣装を決め、クローゼットから取り出した。

7月28日土曜日。この日の東京の最高気温は32度。真夏日だ。
そんな中、私は三つ揃いの礼服と結婚式用のシルバーのネクタイという暑苦しい格好で池袋駅に降り立った。
今日のコンセプトは「結婚披露宴に出席する人っぽい格好」。
初めての共同作業って言ったらやっぱり結構披露宴よね。
ただ、ネタとしてはもう一ひねり欲しいところ。
この格好にワンポイント加えるとしたら、えーと、ネクタイか。
普通のタイより、蝶ネクタイのほうがよりネタっぽさが出るんだけど。
そう思って洋服の青山に行ったら、お手頃なお値段でなかなかよさげな蝶ネクタイ発見。
早速購入し、近くの某大型雑貨店のトイレで装着。うん、なかなかネタっぽい格好に仕上がった。
どこからどう見ても……売れない手品師か、しょぼくれたビビる大木。
何か最初のコンセプトから外れてきているような気がするけど、まあいいや。

13時50分、会場のジュンク堂書店池袋店に到着。地下1階に下りていくと、そこには既に40人ほどの列が。
うわ、ちょっと出遅れたかな。
慌てて列の最後尾に付く私。うわ、この位置は……
ジュンク堂書店でサイン会の場合は先着順に壁に沿って並ぶのだけれど、途中からは本が陳列されている棚の前に並ぶことになる。
私が立ったのは、地下1階コミック売り場の一番奥の辺り。
ジュンク堂に行ったことがある人なら分かると思うけれど、そこはいわゆる「腐女子エリア」。
男と男があんなことやらこんなことやらそんなことまで?!というような交わりを繰り広げるコミックスがずらりと並ぶ一角。
そんな場所に三つ揃いの礼服に蝶ネクタイの格好でたたずむ私。
執事萌えやメガネ萌えの女子の皆さんが見たらどう思われるやら。
ちなみに今回のサイン会、参加者の男女比は9:1〜8:2といったところ。当然前者が男子。

列に並ぶとアンケートが配られた。
「どこから来ましたか?」「普段よく読んでいる雑誌は?」「普段よく見るサイトは?」こんな設問が並んでいる。
この質問に「まんがタイム」とか「小坂俊史専用冷蔵庫」って書いてもつまらないよね。
ということで、それぞれ「神奈川県」「散歩の達人」「@nifty デイリーポータルZ」と回答。
どういう組み合わせだ。

その後、小坂俊史サイン会恒例のしおりが配られた。今回はなんと10ページ!!
しおりのタイトルは「『ふたりごと自由帳』登場人物一覧表」。
なんと今回のサインは『ふたりごと自由帳』に登場するキャラ限定とのこと。
うへえ。今回の作品、話は全部好きだけれど特に思い入れのあるキャラはいないよ。
慌てて小坂作品94人、重野作品30人の中から一人ずつ選ぶ作業に入った。
まず、重野先生に書いてもらうキャラはすぐに決まった。一人だけ、好きなキャラがいたのだ。
ただ、小坂先生の側がなかなか決まらない。
ネタとしては「橘高あゆみ」とか「御厨たまき」なんていう読み辛い姓のキャラを選んで見るのも一興なのだけれど。
作品とキャラ一覧とを何度も読み比べて、やっと納得できるチョイスを決定。

14時を過ぎて、少しずつ列は動き始めた。
どうやらサイン会が始まったらしい。
一人にサインするのに3分掛かるとすると、私が並んでいるのはおよそ40番目くらいだから2時間は掛かる計算。
私の後ろにも既に40人くらいの列ができているので今回は4時間は掛かるかな。

15時15分。腰が痛くなってきた。
書店の人は「終了10分前には必ずアナウンスしますので、ご自身の体調も考えて、店内をさまよっていても結構です」
といっているのだが、あと10人くらいだし。
ちなみにこの「店内をさまよっていても…」という言い回し、ツボに来ました。

15時30分。あと3人。
ここであることに気が付いた。
サインの順番が重野→小坂の順だったらどうする!?
小坂先生は名前を見れば「『がんばれ小坂俊史』の管理人が来た」というのは分かるし、前回の件もあるので
この格好がある種のコスプレであるというのは分かってもらえるだろうけど、
重野先生にはいちいち最初から説明しないと分かってもらえないであろう。
それは面倒だ。
サインをする席は少し奥まっていて、自分の位置からは見えない。
うう、小坂→重野の順で並んでいますように。

15時40分。あと1人。ちらっと中をのぞいてみる。
どうやら小坂→重野の順で並んでいるらしい。よかった。

いよいよ私の番。店員さんから、本と自分の名前を書いた紙を渡してもらう。
おずおずと柱の陰から進み出る私。
私:「こんにちは。ごぶさたしております。」
小坂先生(以下、小):「おおっ、そう来ましたか…」
私:「ええ、今回は『初めての共同作業』をお祝いしようというコンセプトで。」
小:「なるほど。蝶ネクタイか…えーと、」
私:「あ、32番の小林さんをお願いします。」
私がお願いしたのは「女子旅に出る#3」のメインキャラ・小林祐紀。
いつもと違う帰り道を選ぶことを旅と呼ぶこのキャラに、共感するところがあるのだ。
ペンを走らせる小坂先生。
小:「その格好ならこれからパーティーに出られますよ。」
私:「えっ、この後パーティあるんですか?」
小:「いや、ないですけど…」
3年前と変わらず、かみ合わない会話をする30代の男2人。
私:「うちのサイトも細々と続いていまして」
小:「なんか、あの投票もずっと同じ調子ですよね」
私:「そうなんですよ。入れ替わりはあるんですけど、だいだい毎回10人くらい投票が来るんで止められなくて。」
小:「自分では意外なのがトップに来てたりするんですよね」
そうこうしているうちにサイン描き終わり。本は重野先生に回される。
私:「よろしくお願いします。10番の編集者の秋山さんで。」
重野先生(以下、重):「おっ、珍しいの来た」
私が選んだのは「ファミレス」に登場する編集者の秋山さん。
先ほどまで交わされていた会話で、重野先生も私が小坂俊史ファンサイトの管理人だということは分かっている様子。
私:「実は前に一度重野先生のサイン会にお邪魔したことがありまして」
重:「へえ。どこのですか?」
私:「最初のブックファーストの時ですね。うちのサイトにその時のレポート載せてますよ」
重:「えーと、どのサイトですか?」
小:「『がんばれ』。」
横から口を挟む小坂先生。
重:「ああ。確か3つあるんですよね、『がんばれ』と『コサカWeb』と『トペニワッカ』と。うちのは無くなっちゃったけど」
何で他人のファンサイトにそんなに詳しいんだ、重野先生。
私:「ああ、ありましたね『sea-fields』。」
小:「過去形かよ!!」
ごめんなさい、sea-fieledsは更新はされてないもののまだあります。
こちらもサイン終了。
私:「ありがとうございました!!では、失礼します。」
その後は、特設されていたジャポニカ自由帳の作品展示コーナーで何冊か立ち読み。
サイン会終了までどこかで時間をつぶしていようか、と思ったが、この格好でいるのも恥ずかしいのでさっさと家に帰った。

〜Fin〜

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