これがクラゲの生きる道

 クラゲの人生(人?)の基本形は、ポリプ→エフィラ→クラゲ、である。発生してまもなくポリプになり、多くは岩や石に付着して時期を過ごす。やがて、エフィラへと変化し遊泳生活に入り、クラゲとなる。ポリプの時期は無性生殖で、植物のように増え、クラゲになってからは雌雄異体の有性生殖へと移行する。
 そのほか、環境の変化に応じて、ポリプをつくらずにいきなりエフィラになってしまったり、休眠状態に入ったり、ポリプ時代に自分の体を分割して増えたり、など、人間からすれば常軌を逸した数々の行動をとる。
 だいたい、ポリプの付け根から根が出てそこから生えてくるのは、兄弟なのか、子なのか?残った柄はわたしのなーに?などなど、人間の常識をむりやり当てはめて考えようとすると、わけがわからなくなってくる。
 港湾ではじゃまものあつかいされ、海水浴場にいけば浜辺で取り残されてのびている、そんなありさまなので、たかがクラゲと思われがちだが、なかなか奥の深い生活史をもっているのだ。

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●もう一度、クラゲの人生を歩む●