現代の名城を歩く「熱海城」
城郭のゲイシャ・ガールズ

 熱海に着き、駅のホームから海を眺めると、突き出した丘陵の斜面に立派なお城がそびえています。これが、昭和34年建造という、歴史に名高い熱海城。

 地上6階、地下3階。1階に相当する石垣部分がくりぬかれて売店が並んでいる合理的な造りです。いざ敵襲の際はシャッターを降ろして防御するという、機能性を兼ね備えた構え。いにしえの人々の知恵にはつくづく驚嘆いたします。崖側にせりだした方には、「レストラン本丸」があり、眼下には風光明媚な錦ヶ浦。本丸の中には、ラジウム温泉に、“複製品ばかりを集めた”空想美術館に、浮世絵秘画館(……。)と、観光客の期待を膨らませてくれるラインナップが並びます。しかも入城料850円。城内には「城郭」資料館もあるというのですが、いったい何が展示してあるのでしょう?

 入口には小田原城の向こうをはって建造したという能書きの看板が並んでいました。観光ガイドの表記を見たかぎりは、姫路城も「城」。これも「城」。両者の間には「芸者」と「ゲイシャ・ガールズ」ぐらいの違いはあると思うのですが…。


【熱海城】
ロープーウェイ山頂駅下車徒歩3分
電話0557-81-6206
入城・大人850円

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