| 現代芸術でアスレチック!? 養老天命反転地(岐阜県) | 
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|  現代芸術の荒川修作氏による1万8000平方mの巨大“作品”『養老天命反転地』。“作品”といっても美術館ではない。行政上は「公園施設」ということになっているが、かといって公園と呼べるほど“安心”して散策できる場所でもない。強いていえば、アスレチック広場といった感じか。 | 
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|  材質が滑りやすく、また場所によっては傾斜がかなり急なので、足元に気をつけながらまわることになる。 | 
|  家らしきオブジェがあるが、壁も家具も天地構わず、突っ起っている。壁を突き抜けているベッドがあるかと思えば、天井にキッチンがはりつき、トイレは斜めに。壁によって迷路状になっており、通路も細かったり広かったりで、通ろうと思ってたどっていくと、どんどん細くなってきて、はさまってしまう。別の広い道をたどると、こっちは突然行き止まりに。 この先は真っ暗になっていそうだなと思って進んでいくと、ほんとに真っ暗で、足元に小さい子どもがいて踏みそうになる。そして踏む。おーよしよし、泣くんじゃない。そんな所で転がっているお前が悪い。 
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|  つまりここには、決まった見学コースというものがない。こっちからあっちへ抜けようとすると、そのコースは自分で見つけなければならないわけで、常日頃、いかに自分が、決められたコースがあるということに安心しているかがわかろうというもの。 さらには、最初、アスレチック広場と言ったが、このアスレチックにはクリアーするということがない。次々と、芸術とおぼしきオブジェにとっかかるものの、それを征服し得ず「あーっ」といって滑り落ちていったり、「ぎゅーっ」とはさまってしまうだけなのである。 『養老天命反転地』は1995年の登場以来、今なお養老町の集客の要になっている。クリアーし、通り抜けられることを前提に造られた多くの「テーマパーク」ではあり得ない“ハプニング”がここの最大の魅力なのだろう。 | 
|   なお、観光写真では一見それとわからないが、じつはこの天命反転地は住宅地に近接して建っている。そのため、園内でオブジェを撮そうと思っても、塀の向こうから電柱や瓦屋根が顔を出していたりするのだ。 | 
| ■住所 岐阜県養老郡養老町養老公園 ■TEL0584-32-4592 ■開園 9:00〜17:00/月曜日(祝日の場合は翌日休)、年末年始、悪天候の日は休園 ■入園料 大人710円 ■交通 近鉄養老線養老駅より徒歩10分 ■その他 スニーカー、ヘルメットの無料貸出あり。 |