
20号から25号までは、99年4〜9月まで開催されていた「南紀熊野体験博」にあわせて、“熊野”についての6回連続での特集。南方熊楠、西村伊作などをとりあげた「熊野人物誌」をはじめ、「熊野への道を往く」「五感で感じる熊野」「熊野古道マップ」などの記事が並ぶ。
26号から28号では、江戸期の和歌山の文化・歴史に焦点を当てる。例えば、26号では紀州藩の“樹木経済政策”を取り上げたインタビューや「熊野の森・巨樹古木の肖像」「クローズアップ杣人の系譜」など。いずれも、研究者や文化人、資料館館長などへのインタビューにはじまり、現地の写真+簡潔にまとめたガイド、郷土料理のレシピなどでかっちり構成。
県のパンフレットにしては妙に上手に出来ていると思ったら、企画・編集は電通関西支社。どうりで。
代理店というところは、相手の胸の内を見すかして、ものによってはものすごく手を抜いたものを作ってくるものだが、これは和歌山県の熱意が伝わったのか、かなり力が入っている。熊野古道ひとつとっても、6回連続でのこれだけの充実度を持ったパンフは、なかなか出せるものではない。
是非バックナンバーを再構成しムックにして販売するなどして、せっかくまとめた情報が埋もれないようにしてほしいところだ。