この戦場を前に、お気に入りの武将と記念撮影するのも良いし、もう一歩進んで、子どもがよく買うような刀のおもちゃを持参して構えれば、憧れの武将とセッションできるわけで、戦国ファンにはたまらない場所であろう。


 さて、松林のなかで死闘を繰り広げる武将たちのまわりは、石田三成や小早川秀秋などの各陣地が形成されていて、コンクリ像が真剣な顔つきで戦況を見つめている。
 三成の陣の脇に祠が建てられているのは、やはり敗戦の将を思いはかってのことか。

 数十メートル離れた所にある大谷吉継(大谷刑部)の陣では、今や時勢決したりと切腹の最中だ。

 徳川家康の陣では、家康が首実検をしている。その首の上に賽銭が置いてあるところが、いかにも日本的である。


 敷地内には、このほかに資料館が2館建っている。ひとつは櫓門を模した正門入口の2階部分にある武具甲冑資料館。薄暗い室内に鎧兜が並んでいる。
 ボロボロに錆びた兜への「(関ヶ原の)首塚から出た兜。冥福を祈る。」という説明書きからは、書き手の合戦への想いが伺えようか。

 もう1館は関ヶ原合戦資料館と称され、地図を前に合戦の状況や顛末がスピーカーから流れる。但し、300円を入れれば。しかも25分もかけて説明してくれる。
 この時代の「軍」の組織を、なぜか現在の自衛隊と比較したコーナーがあり、“そういえば昔「戦国自衛隊」なんて映画があったなぁ”などということをふと思い出させてくれる。


 敷地内では現在、人形の塗り直しなどが頻繁に行われており、ところどころペンキ塗り立ての札が立つ。来年の大河ドラマは徳川家康(「葵〜徳川三代〜」)なので、それに向けてのリニューアルであろうか。

 加えて来年は関ヶ原合戦から400年記念。関ヶ原町によって作られた「戦国関ヶ原新聞」には、“関ヶ原合戦参戦の子孫を捜しています”というお知らせが載り、関ヶ原町歴史民俗資料館も来年1月の再オープンを目指して、現在リニューアル工事で休館中。

 来たる西暦2000年とは、ウォーランドのみならず関ヶ原町全体にとって、まさに、またとない追い風の年なのである。
 

 しかも、ここウォーランドは観光バスが続々と乗りつけて食事に来るという、構造的な集客の立地にある。もしかするとこのウォーランド、来年の今ごろあたりは、知らない人はいないというぐらい大ブレイクするかも知れない。我々はメジャーデビューを目前に控えたインディーズのライブに来たようなものであろうか。

「俺はインディーズの頃から知ってたゼ」と自慢したい人は今しかない、急げ!


DATA

岐阜県不破郡関ヶ原町池寺1701-6
TEL0584-43-0302
料金/大人600円、小人300円
営業/9:00〜16:30(12/30〜1/2は休館)
交通/JR東海道本線関ヶ原駅より徒歩20分


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