
資料館を出た広場の向こうに、どうも兵馬俑(へいばよう)らしき置物が。近くに寄ってみると、まぎれもなく兵馬俑で、「当園は中国と動物を交換したりなどいろいろ交流があるので、記念に複製品を設置した」旨の説明板が立つ。
だが、残念ながら乗って楽しむことはできない。

園内には遊園地もあり、アンパンマンやロボコンの人形が立っている。そのこと自体は何も珍しくないのだが、ロボコンくんは、何と約20年間も遊園地のシンボルとして君臨していたのだそうだ。
20年間である。現在でこそ、ロボコンはリバイバルして、また子供に人気を博しているが、それまでの長きに渡る冬の時代をこの動物園で生き抜いてきたのであった。ロボコンの飼育記録としては長命な方であるまいか。
写真は99年3月に登場したアンパンマン。このキャラも世代を越えて子供ウケしそうであるが、ロボコン同様に20年間、飼育できるかどうか、なりゆきが注目される。

さらに園内を旅していると、蒸気機関車が保存されている。これまた、そのこと自体は何も珍しくないのだが、あとにくっついているのは、「客車」ではなく「車掌車」だ。かつて貨物列車の最後尾には必ず連結されていた、車掌さんが乗るための貨車(?)で、最近では合理化のためか、連結していることは滅多にない。
中をのぞくと、動物のパネル写真が飾られた休憩所になっていた。車掌車なんて乗ったことないので、中の机や椅子が、昔の国鉄時代のものをそのまま利用したのかどうかはわからないが、古風な電球やJNRの文字が刻まれた扇風機などがあって、往時をしのばせる。
休憩室として利用できるのはいいが、扇風機があることでわかるとおり、なんせ往時のこととて、休憩するにはちょっと暑い(もしくは寒い)。

いろいろ盗まれたりしたら困るからなのか、はたまた夜中に逃げ出すからなのか、蒸気機関車は2重3重に柵が張り巡らされ、機関車の方には見物客は近づけないようになっている。そばには「D51 211号に贈る」という碑文が。
「君は 昭和13年10月13日、須磨区の国鉄鷹取工場に新製第1号機として生まれ…(以下略)」ってこれじゃ、弔辞だよ。いったい誰が書いたのかと思ったら、時の神戸市長だそうだ。昭和46年。
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