Mike Oldfield Rare Trucks
Unofficial version

マイク・オールドフィールドほと数多くの作品をリリースしていれば、おのずと非公式な音源というものがでてきても不思議ではありません。ファンにとってはとっても興味のある部分ではある一方、あまりその世界を追求しすぎるとアーティストの本来の趣旨を外れていってしまいかねないので難しいところです。このページは公式発売はされていませんが、ファンにとってはどうしても聴いてみたい、いつかは正式に発売して欲しいというものをすこしだけ紹介します。(海賊盤で良く出ているいろんなライブ音源はきりがないので原則はずします)


The Orchestral Hergest Ridge(1974)

タイトル通りハージェストリッジのオーケストラル盤。Elements Boxのディスコグラフィーではオーケストラル・チューブラーベルズと同様にデビィッド・ベドフォード指揮するロイヤルフィルハーモニックとスティーブ・ヒレイジによって演奏されているとされている。事実1974年12月9日ロンドンロイヤルアルバートホールで演奏されており、そのライブ音源。オーケストラル・ハージェスト・リッジは本来は2枚組のThe Space Movieというアルバムに収録されるはずだった。The Space Movieというのはヴァージンが出した人類の宇宙へのアプローチを紹介したドキュメンタリー映像で、最初から最後までマイクの曲をBGMで使用しており、その中に随所にオーケストラル・ハージェスト・リッジも使われている。そのサウンドトラックとしてでも発売しようとしたのだろうが、なぜか発売中止となり、そのままこの作品も陽の目をみることがなくなってしまった。このビデオは現在でも入手困難だが、マイクの音楽が全編に流れているだけでもファンにとってはうれしいもの。(Incantations Part4の一部の本来はインスト部分を歌詞入りで女声コーラスが入っていたりする。)オーケストラル・ハージェストリッジの内容はいうまでもなくオリジナルに忠実に演奏しており、ハージェストリッジのイメージを決して損ねること無く、むしろ味わいの深い素敵な演奏を聞かせてくれている。個人的にはオーケストラルチューブラーベルズより好きだ。こんな素敵な作品をお蔵入りにするのは本当にもったいない。


Tubular BellsV The (Not Quite) Early Mixes(1999)

タイトル サブタイトル 収録分数 オリジナル分数
The Source Of Secrets A Bag Of Secrets( Male Voice Version) 6:03 5:34
The Watchful Eye Standard Version 2:09 2:09
Jewel Of The Crown The Valuable Jewel 6:54 5:45
Outcast The Mighty Fall Extended 4:52 3:50
Serpend Dream Long Intro 4:26 2:53
The Inner Child Standerd Version 4:42 4:42
Man In The Rain Long&Rainy Version 6:46 4:03
The Top Of The Morning That Long Day Mix 6:05 4:26
Moonwatch More Piano Version 5:35 4:25
Secrets Even More Secrets 4:56 3:21
Far Above The Clouds Deep Guitar Duo 6:43 5:30
Mike's Reel 3:54 -
Total 63:27 46:40

Tubular Bells Vは発売前にXXVでそのイントロ部分の初期ヴァージョンが事前にリリースされたり、発売前にタイトルが変わったり、(The Source of SecretsはThe Bag of Secrets, OutcastはThe Mighty Fall, SecretsはMore Secretsだった。実際日本盤のライナと帯はこの急な変更に対応できず、OutcastをThe Mighty Fallと表記している) またマイクはインタビューでも、Tubular Bells Vは本当はもっと長かったが、聞く人が飽きてしまうから短くしたといっている。さらに噂だがワーナーとの契約であまり長すぎる曲はだめだという条項があるとか。したがってTubular Bells Vは最終リリース前にノーカットヴァージョンが存在していたとしても不思議ではない。その音源らしきものをたまたま聴くことができたのがこれ。本物かどうかは情報が無いため不明。
オリジナルよりもおよそ18分ほど長く、そのまま正規版になったものはThe Watchful EyeとThe Inner Childの2曲だけで、他はすべてオリジナルより長い。
The Source Of SecretsはXXVの男性コーラスで、途中からAmarの声に変わり、Man In The Rainはリフレインが長く最後には雨のSEが入る。またMoonwatchはピアノの音がツインで聞こえてくるし、Far Above The Cloudsは最後の鐘の音にいたる前のドラムのフレーズが長く、Secretsのメロディが再び現れる。そして最後はWoman Of Irelandのシングルに入っていたMike's Reelがすかさず流れてくる。(Mike's Reelを聴いたときいかにもTBやTBUのエンディングのイメージなので、きっとTBVのラストになるのだろうと思ったが、実際にそのつもりだったのかも知れず、カットすることになってシングルに収録したのかもしれない。)全体的に風の音が使われている部分も多い。マイクのインタビューのように聴く者を飽きさせるようなことは決してなく、むしろこちらのほうがTBVのコンセプトをそのまま表現しているミックスのような気がする。あるいはTBVのロングヴァージョン集として聴いてもおかしくはない。この音源は本物かどうかは不明だが、少なくとも個人的にはとっても気に入っている。


 The Millennium Bell Early Mixes (2002)

Total (53:38) オリジナルバージョンは45:05
Nativity (5:05) Pearth On Earthに相当。ただしヴォーカルがなくコーラスのみで推移。しかし最後には鐘の音が鳴り響き、大きく盛り上がり、まるでフィーナーレであるかのような展開を示す。
Pacha Mamma (5:10) リズムセクションは同じだが、コーラスの入り方、ギターの入り方が違い、じわじわともりあがっていく感じが強い。ロングヴァージョンといった方がわかりやすいだろう。
Excalibur(3:43) 未収録曲。どうしてカットしたか信じられないくらいの名曲。Broad Sunlight Uplandsの後半のメロディラインをずっとリフレインしているだけなのだが、次第に音に厚みをつけてどんどんもりあがっていく。最後のところはまさに鳥肌がたつような感動をもたらしてくれる。この曲があってこそ、後半のBroad Sunlight Uplandsにつながると思えるのに、カットしたのは理解できない。
Santa Maria (4:02) 途中でリフレインが多く、オリジナルよりも1分強長い。リフレイン部分は歌詞ではなくコーラスで聴かせてくれる。ただしオリジナルの男女混合コーラスによる盛り上がりがないまま終る。オジリナルに比べるとおとなしい。
Sunlight Shining Through Cloud(5:50) こちらもオリジナルより1分強長い。オリジナルの歌詞、フレーズが全く違い、かつ長い。盛り上がりのコーラスだけが同じ。こちらの歌詞の方が、熱がこもっているように感じる。ただしこちらも最後の盛り上がりのコーラスはオリジナルよりも薄い。拍手も入っていない。その代わり、エンディングに向かう途中にマイクのなんともいえない素敵なギターフレーズが挿入されている。
The Doges Palace (4:15) オリジナルにあるコーラスが全く入っていない。リフレインが長く、真ん中あたりに違うメロディが入っておりその分1分少々長い。
Lake Constance (5:26) シンフォニックによる演奏のみヴァージョン。オリジナルに入っているマイクのアコースティクギターがない。オリジナルに比べると音が薄く展開が単調。
Mastermind (3:15) オリジナルにとっても近いが、合間に入る掛け声(?)の台詞は異なる。
Broad Sunlight Uplands (3:15) オリジナルよりも1分弱短く、チャーチルの演説の音が少し入っている。後半の音が薄い感じがしてしまう。
Emancipation(3:27) Liberationに相当。ただし子供の声による朗読、ミリアムによるスキャットがなく、最初のコーラスの後、後半のギターのフレーズにいきなり突入。これのリフレインが繰り返される。オジリナルにあるラジオの音も入っていない。
The Millennium Bell (5:36) オリジナルと全く異なりテクノっぽさが強調されている。いかにもデモヴァージョンといえる骨組みだけの音といえる。
Amber Light (3:52) 順番が異なり、最後にしたというよりも、オリジナルの最後の部分に相当する。最初の部分は骨組みだけだが、コーラスはほぼ完成形に近いが、音はかなり薄い。

Tubular Bells Vと同様にミレニアム・ベルも発売前にジャケットと内容に大幅な修正がなされたという噂があり、その修正がなされる前のヴァージョンがこれ。だいぶ前に音源を入手していたが、あまりに怪しいものであったため、紹介をはばかっていたくらい。最近ではネットでもだいぶ紹介されており、マニアックなファンならその存在は知っているようになっている。ネットでは「Saqsaywaman and the millennium Bell」という名前で紹介されていたりする。(ジャケットは修正前ヴァージョンらしい)
 すべての曲が原曲から一味違い、特に前半はリリースヴァージョンより優れているものが多い。後半になるとどうしても音が薄くなってくる気がしてしまうが、個人的にはリリースヴァージョンとこのデモヴァージョンの両方の良いところを取ってくれたら最高だったと思える。
Excaliburだけでも聞き逃したくない名曲


Return To The Origin (2003)

Welcome / Proud Spirit / Ants Run / Bird To Island / Viper / Dolphins / Underwater Castle / Piano Game / Rose / Redwings Flight / Planet Game / Tai Chi / Bats Flight / Sword Game / The Thin Men / Butterfly World / Owl Flight / Canyon / Sprite Game / Good World / Rings Games / Space Skater / Return To The Origin / Discus Flight / Landfall / Horse Choir / Horse Ride / Art In Heaven / Moon Game / Finale

Tres Lunas U(2003)

The Earth Spirit / Spirit Dance / Snow Cavern Flight / Redwings / Sprites / Solar System / Requiem Of The Sky / Moonlight Stroll / Lunar Jam / Joy Ride / Thou Art In Heaven U / The Origin / The Journey / Landing / Underwater Castle / Butterflies / Rebirth Tunnel

Tres LunasとセットになっているMVRのゲームをやったファンは多いと思うが、それぞれのキーポイントで流れるマイクの音楽には、CDに収録されていないものが数多く含まれている。そのゲームを通過しないと聴けないとういうのは、純粋にマイクの音楽のみをを好むファンにとっては苦痛でしかない。マイクがヴァーチャルリアリティを行うのはファンにとっては極めて複雑だといえるだろう。これはそのゲームのソフトの音源をファンがリッピングし編集したもの。ネットでのダウンロードも可能だから、手に入れているファンも多いだろう。タイトルは誰がつけたのは定かではない。ただタイトルを見ればゲームの映像が頭に浮かぶものも多い。ひとつひとつは確かにマイクの音楽であり、水準は高いのは認めるが、どうしてもゲームのBGMとして作られた範囲を超えることなく、全体として散漫な印象を与えられてしまうのは致し方ない。


Maestro(2004)

Maestro Mix 1 / Maestro Mix 2 / Maestro Tema 2 / Maestro Tema 3 /Maestro Tema 3 / Maestro Water Remix / Music VR Maestro Suite

Tres Lunasゲームの続編として発表されたMVRのゲーム。参考までにネットにてソフトを購入したが、もともとゲームにはあまり関心がないため、Tres Lunas 同様にすこし触っただけで挫折した。映像はきれいで、いろいろ見てみたいと思う一方、そのためには根気と時間が必要であるのがつらい。これもまたさまざまな場面でマイクの音楽が流れるのだが、自由に操作できないのもつらい。その音源を一枚にまとめてくれたものが、このCD。この作品は、おそらくファンによる、収録曲の編集だと思われるが、こういうストレスを感じることなく、ひとつの作品としてきけるのがうれしい。メインテーマのメロディがあるなかで、ところどころで、The Songs of Distant Earthが引用されている。Tubular Bells のフレーズも現れる。それなりに楽しめるものの、やはり、曲の完成度としては、中途半端な印象はいなめず。それでもマイクの未発表のフレーズが登場し聞けることはファンにはたまらない。


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