tubular bells above the river of yellowstone

マイク・オールドフィールド関連盤レビュー

オールドフィールドがデビュー前に参加した作品や、ゲストとして参加した作品、あるいはオールドフィールドの曲が収録されている編集盤、マイクの曲をまるまるカバーした盤などについて、自分の持っているものからご紹介します。

なお、各アルバムごとにジャケット写真を掲示しております。著作権者の承認をとりたくいろいろ調べましたが、不明のまま掲示しております。もし問題等がありましたらご連絡ください。速やかに対処いたしますが、このホームページは単純にマイク・オールドフィールドを賞賛し、日本におけるファンを増やしたいと思うゆえの掲示です。著作権者の方の暖かい配慮を期待しております。またこの件に関するアドバイスも歓迎いたします。


The Orchestral Tubular Bells /David Bedford and The Poyal Philharmonic Orchestra (1975)

マイク・オールドフィールドのチューブラーベルズを交響楽にアレンジして、デビット・ベドフォードが指揮、ロイヤルフィルが演奏した一枚。オールドフィールドも最後のところでギターを弾いている。 オリジナルのチューブラーベルズのイメージを壊すことなく、一つの作品として完成させていることころがすごい。 オリジナルを聞かないでいきなりこれを聞いたとしても納得できる出来になっている。 オールドフィールドの音楽はクラッシックがよく似合うことがよくわかる。ただ、難をいえば、おとなしい作りになってしまっているというところ。海賊盤で聞くことができる別のライブ音源のオーケストラルの方が迫力あり。


Children Of The Sun / The Sallyangie (1968)

Strangers / Lady Mary / Childen Of The Sun / A Lover For All Seasons / River Song / Banquet On The Water / Balloons / Midsummer Night's Happening / Love In Ice Crystals / Changing Colours / Chameleon / Milk Bottle / The Murder Of The Children Of San Francisco / Strangers (reprise) / Children Of The Sun (minus intro) / Two Ships / Colour Of The World

マイク・オールドフィールドが15歳の時に姉のサリー・オールドフィールドとの2人組で発売した1枚。全編トラッド調の佳曲が並びなかなか楽しめる。オールドフィールドのギターが15歳当時すでにすごいレベルであることがよくわかる。ただどちらかといえばサリー・オールドフィールドタイプの曲が多く、後のマイク・オールフィールドを想像させる曲はあまりない。


Children Of The Sun / The Sallyangie (2002)

DISK 1 : Strangers / Lady Mary / Childen Of The Sun / A Lover For All Seasons / River Song / Banquet On The Water / Balloons / Midsummer Night's Happening / Love In Ice Crystals / Changing Colours / Chameleon / Milk Bottle / The Murder Of The Children Of San Francisco / Twilight / Song Of The Healer / Strangers (reprise)

DISK2 : Children Of The Sun (minus intro) /
MIKE OLDFIELD GUITAR IMPROVISATIONS : Mrs Moon And The Thatched Shop / Branches / A Sad Song For Rosie
SALLY OLDFIELD-1970-PROD Shel Talmy : Colour Of The World : Two Ships

2002年8月先に紹介したサリアンジーのアルバムが再発された。通常のCDケースの上に紙ジャケットカバーがついて、ジャケットも別テイクの若々しいマイクとサリーの写真が採用されている。(中身のCDケースは通常盤の写真が使われている)。2枚組で、2枚目には未発表ヴァージョンを収録している(マイクのギター演奏以外の3曲は、上で紹介した日本盤サリアンジーには、ボーナストラックとして収録されていた)。 1枚目にも通常盤には収録されていない2曲(Twilight Song, Song Of The Healer)が収録されているという豪華盤。発売後35年を経て、このように再発されるというのもマイクの人気を意識したものであろうし、ライナーノーツにもTres Lunasの紹介がされている。
このCDの最大の注目はDISK2のマイクの未発表曲3曲だ。サリアンジー解散直後の録音とされているだけで具体的な時期は不明だが、タイトルの「マイク・オールドフィールドのギター即興演奏」の名のとおり、若き時代のアコースティクギターの即興演奏を聴くことができる。うち2曲は曲の最後のほうでマイクの初々しい声のヴォーカルが入っている。このギターの演奏のすばらしさには驚愕せざるを得ない。ヴォーカルを聴かなければ今のマイクの新作だといっても信じてしまうだろう。
さらに感動的なのはBranchesでは、なんとAmarokのフレーズが、A Sad Song For Rosieでは、Ommadawnのフレーズが登場することだ。まさに初期テイクといえるもの。マイクファンにとってはこの3曲を聴くだけで、このCDを買う価値あり。


Shooting At The Moon / Kevin Ayers And The Whole World (1970)

サリアンジー解散後、マイク・オールドフィールドが一時ベースで参加したバンドの2作目。オールドフィールドがベースを弾いているというだけで特にコメントはない。


whatevershebringswesing / Kevin Ayers (1972)

同じくオールドフィールドがベースで参加しているが、こちらはなかなか聞き応えあり。 タイトル曲におけるオールドフィールドのベースソロがとにかくよい。


To Old To Die Young / Kevin Ayers (1998)

僕が持っているのは98年発売の2枚組のCD。1枚は72年、もう1枚は75年と76年、それぞれBBCでのライブ音源となっている。熱心なケビン・エアーズファンでなければ、さしたる音源ではないのかもしれない。しかし、ここで紹介する72年のライブでは、マイクがベースを担当しており、さらに驚くべきことに、Tubular Bellsが完成していないはずのこの時期に、そのフレーズが使われているからだ。Why Are We Sleepingという曲で、その間奏部において、あきらかにTubular BellsのPart2のラストのフレーズが結構長く演奏されている。この曲の作曲がケビン・エアーズとなっているが、マイクがかなり編曲をしていると思われ、全体的に演奏がマイクの雰囲気がある。72年時点でTubular Bellsの未完成状態がライブで演奏さているだけでも興味深い。


Keesojen Lehto / Pekka Pohjola (1977)

ファンの間ではMathematician's Air Display というタイトルで知られている。マイク・オールドフィールドとサリー・オールドフィールドがゲスト参加をしている。このペッカという人はオールドフィールドのExposedのライブで参加している人。 思いもかけない人のアルバムでオールドフィールド姉弟の競演が聞ける。オールドフィールドのギターはすぐにわかり、サリーの歌声が同時に聞こえるというのはファンであればたまらない。ファンにはお勧めの一枚。この作品はMike & Sally Oldfield、あるいはマイク・オールドフィールドの名前で発売されていたこともある。


Viriations On A Rhythm Of Mike Oldfield / David Bedford
Superman / Day Of The Percherons / Have Merry On My Eyes /Tom Newman&Mike Oldfield

マイク・オールドフィールドがチューブラーベルズの制作に取りかかっている頃、デビット・ベドフォードとトム・ニューマンとのマイク・オールドフィールドとのセッションの様子を録音したもの。ファンにはなかなか楽しめる1枚。特にDay Of The Percheronsはいかにもオールドフィールドといった曲。 このCDを手に入れたとき、正規盤なのか海賊盤なのかわからなかった。しかし音質は最高だし、ジャケットの中にトム・ニューマンやデビット・ベドフォードのアルバムの宣伝もあるから、どうも正規盤と思われる。


The Garden Of Love / Kevin Ayers, Mike Oldfield, Pobert Wyatt, David Bedford, Lol Coxhill, Six Beautiful Girls

よくわからないCD。店で見かけて、このメンバーの構成にとても期待して買ったのだが、いざ聞いてみると、約15分間前衛音楽とも、リハーサル風景とも、ジャムセッションともつかない音を聞かされて、やっと最後の5分くらいケビンエアーズのボーカルによるまともな音楽が聴ける。マイクはギターを弾いているみたいだが、よくわからない。いつ録音されたものかは、ジャケットには未記載。海賊盤ではないようだ。ジャケットには上の通りのタイトルになっているが、CDにはKevin Ayers and The Whole Worldとクレジットされている。


Rock Bottom / Robert Wyatt (1974)

ロバート・ワイアットは元ソフト・マシーンのメンバーであり、マイク・オールドフィールドとはケビン・エアーズを介しての初期の交友関係の仲間である。現在も着実に活動しており、日本でもそれなりの知名度がある。その作品は高く評価されているようだが、自分はまだ聞いたことが無く、本作で初めてとなる。この作品にはオールドフィールドもゲスト参加しており、マイクのギターはすぐにわかる。マイクが参加しているいないに関係なして、難解な部分が多いとはいえ、ワイアットの内面世界をしっかり表現した秀作だと思う。


 Downwind /Pierre Moerlen's Gong (1979)

ピエール・モーレンという人はマイクのExposedライブの時にドラム、パーカッションを担当していた人。マイクは先に紹介したペッカと同様にライブで協力してくれた人の作品にお礼として参加していたりする。このアルバムのタイトル曲のDownwindは12分強の曲で、マイクとの共作となっているが、いかにもマイクの曲らしい感じがでている。ギターはマイクとすぐにわかる。アルバム全体も感じの良い作風で、おすすめの一枚。


Lea Nicholson / The Concertina Record (1980)

Lea Nicholsonという人物がどんな人なのか良く調べていないが、このアルバムは当初1976年にヴァージンから発売される予定のものだったのが、結局1980年に発売されたものらしい。それが今回本人により自主制作でCD化されたことで入手できたが、1曲のみマイクが参加している。Kopyaというトラッドで、コメントにはマイクのところに遊びにいったときに録音したと書いてある。アルバム全体はオルガンが中心で、トラッドやグレンミラーのメドレーをやったりして、なかなか楽しい。欧州町角の大道芸人の味わいのあるアルバム。


Samoa Park / Tubular Affair (1982)

Vocal Version/ Instrumental Version

Tubular BellsとForeign Affairを巧妙に合体し、ムーディなダンス曲にアレンジした面白い曲。このサモア・パークとは何者か全く知らないが、カバーとしては良くできていると思う。女性ヴォーカルの声もマギー・ライリーにとってもよく似ており、ダンス曲とはいっても、原曲のイメージを決して損なうこと無く、素敵なアレンジにしてくれている。12インチシングルで所有。B面はいわゆるカラオケヴァージョン。想像だが82年当時といえば、ディスコブームが最高潮であった頃であり、ビートルズのスターズオンなどもヒットしていたわけだから、マイクの2大ヒットアルバムからのカップリングという感じで発売されたのだろう。今でも全然違和感なく楽しんで聞ける。


Sally Natasha Oldfield / Natasha (1990)

Break Through The Rock / Natasha / Keep The Fire Burning / Clear Light / My Drumbeat Heart / Song Of The Mountain / Break Like A Wave / Maya / In The Presence Of The Spring / Guiding Star

マイク・オールドフィールドの姉、サリー・オールドフィールドも数多くのアルバムを出し、長いキャリアを誇っているが、マイクが彼女に曲を提供したり、アルバムに参加するということはないのがとってもふしぎ。ただ、この作品の1曲目Break Through The Rockにだけは、マイクがギターで参加している。テンポのよい、感じのよい曲。マイクのギターは残念ながら、そのギターの特徴がわかるほどではなく、ほんの単純なフレーズが入っている程度で残念。サリー・オールドフィールドのCDはよくお店で見かけるが、この作品だけはほとんど見ることはない。CDで所有しているが、LPも発売されている。しかし、非常にレアなのはなぜだろう。


Duo Sonare Plays Mike Oldfield (1996)

Tubular Bells part 1 / part 2 / The Sailor's Hornpipe

おそらくドイツの有名なクラッシックギタリストの2人組がチューブラーベルズをクラッシックギターで忠実にコピーした作品。本当に忠実に再現していておもしろい。もちろんオールドフィールドのオリジナルと比べればクラッシックギターだけでは迫力には欠けるものの、こういった形できくとチューブラーベルズがいかに良い作品でるあるかを再認識することができる。迫力に欠けるとは言ってもよくぞクラッシックギターだけでここまで原曲のイメージに近づけるものだと感心してしまう。楽器紹介の部分など不可能だと思ってしまうが、ギターの音色を色々と変えてまるで違う楽器が次々とでてくるようだし、原始人の咆吼の部分などこれがクラッシックギターの音かと思う。ちゃんと咆吼まではいっているのだからすごい。セイラーズホーンパイプはロングヴァージョンのヴォーカル入りをコピーしているし、こりにこった作品といえる。チューブラーベルズ好きには絶対おすすめ。


The X-Files: The Album (1998)

マイクの曲 が1曲”Tubular-X”が収録されている。この曲はこのアルバムでしか聞けない。マイクがキリングフィールド以来初めて、映画音楽を担当したということでちょっと話題になったが、映画そのものには使用されていないみたいだし、CDもメジャーなほうの米国盤にはTubular-Xは収録されていないから、ほんとにゲスト参加みたいなものだろうか。(欧州盤を買わないとTubular-Xは収録されていないから注意してください。) Tubular-Xの曲そのものも、もとのマーク・スノーのX-FilesのテーマにTubular Bellsのイントロをうまく融合させているだけで、マイクファンにとってそれほど騒ぎ立てるほどの曲ではないと考える。


  The X-Files Theme (1998)

日本でのみ編集されたシングル盤。マイクのTubular-Xを初めとして、マーク・スノーのテーマをアレンジした曲ばかり収録されいている。マイク以外には3人のアーティストの曲が収録されている。まだ、最後にThe Source Of Secretsが完全収録されているだけでなく、裏ジャケットにはTubular BellsVのジャケット写真までのっている。日本語解説には特別な編集盤でレアだと言っている。X-Filesとは無関係のThe Source Of Secretsをノーカットで収録するのは、完全にTubular BellsVも宣伝しているとしか思えない。X-Filesが日本で売れているのに便乗して、マイクを売ろうとしているともおもえるが、もしそうなら、他にもっといい手段があると思うけど・・。マイクファンにとっては珍しい日本編集シングルにマイクの曲が2曲入っているという意味で、将来レアになると思って持っていることに価値がある程度。


Studio 99 Perform Tubular Bells A / Tribute To Mike Oldfield (2001)

Tubular Bellsを完全コピーしたアルバム。オリジナルを尊重しつつ、シンフォニックを効果的に登用し、さながらオリジナルとオーケストラル・チューブラーベルズの合体のようなアレンジを聞かせてくれる。演奏は安定しており、その水準も聞き手を充分満足させるクオリティがあり、いいトリビュートアルバムだと思う。スタジオ99の詳細は不明で、だだジャケットに「選抜された高い才能のある、そして、時に有名なセッションプレイヤーとシンガーにより構成されている」とだけ書かれている。CDの制作はEUとなっている。ジャケットもなかなか考えて作られており、トリビュートでありながら、ひとつの作品として完成度が高い。きっと参加者はみな、チューブラーベルズが大好きで、それぞれが想いをこめて演奏しているのだろう。先に紹介したDuo Sonareヴァージョンがアコースティックチューブラーベルズというならば、これは現代的なアレンジがされたコンテンポラリーチューブラーベルズといえるだろう。お勧め。


Tubular Bell U Cover Version

正体不明のCD。クレジットにはTubular Bell U Mike Oldfieldと銘打たれているだけで、一見マイクのCDにしか見えないが、裏を見るとCover Versionと記載されている。ハンガリーのブダペストの町中の普通のCD店で下のVともに発見。さて中身だが、おそらくシンセサイザーだと思われる楽器で、あまりにもオリジナルに忠実にカヴァーされたものだった。もちろんマイクのオリジナルではなく、誰かのコピー作品だが、アレンジ、演奏共になかなか楽しめて上手だ。オリジナルの雰囲気を壊すこと無く、またまったくの焼き写しでもない。アーティスト名はCDジャケットを見ると小さくRecorded by Handy Gruop、あるいはStudio Mastering Holy Holeと書かれているから、いずれかのアーティストによるものだろう。またレーベルはBMB Kft.で、どうもこのKftがハンガリー語と思われ、想像だがハンガリーのシンセ奏者がカバーしたものではないだろうか。偶然とは言え、素敵なカヴァーCDを見つけた。


Tubular Bell VCover Version

上記と共に発見。こちらも同じアレンジによるカバー。ほとんど忠実にコピーしているが、The Inner Chield を始めとする各コーラスはシンセによる疑似コーラス。Man In The Rainはインスト。こちらもU同様、それなりの味わいがあって楽しめる。最後には鳥のさえずり、鐘の音まで入っているという懲りよう。紹介した2作品のほかにThe Best Of Mike Oldfield のCDの紹介も内ジャケットで紹介されている。うーん。興味あり。これを手に入れるためにはまたブダペストまで行かねばならないか? これらのCDについて何かご存知の方。是非ご連絡ください。


Tubular Vibes / A Tribute To Mike Oldfield (2001)

Tubular Bells Part 4 /Taurus /Guilty / Jewel In The Crown / The Funkie Tubular Bells / Moonlight Shadow(Unplugged Version) / High Place / Get To France / Moonlight Shadow(Dance Version) / The Blue Incantations / Five Miles Out / The Red Incantations / The Tubular Countdown

特定のアーティストの作品を対象としたトリビュートがはやっているが、マイク・オールドフィールドについては、ファンによるウェブでの公開とか、特定の作品に限定したものは無きしもあらずだったが、公式にリリースされているものとしてはこのCDが初めてかもしれない。ジャケットからしてちゃんと考えているし、採用している作品もヴァライティに飛んでいて、ファンにとってはとってもうれしい作品。しかしこのCDの出所はよくわからない。レーベルはアメリカのまったくの無名なもの、制作はMarina Del Reyという人のようだ。マイクがあまり知られていないアメリカからのリリースというも不思議。さて内容だが、曲のヴァライティさのおかげで、コアのファンにとってはそれなりに心ときめかせて聴ける。ただ、残念なことに、全体的にはテクノ、ユーロビート、ダンス系のアレンジが多く(おそらく制作のReyという人がそっち系なのだろう)、原曲のイメージからはかなり違うものが多い。ただ、 Moonlight Shadow(Unplugged Version)はアコースティク・ギターを前面に出し、ハスキーな女性ボーカルとうまくかみ合って、なかなか素敵。この他個人的にはHigh Place、 Get To Franceなど歌もののカバーのほうが好きだ。いずれにしてもマイクファンにとってこのような企画は歓迎したいし、今後いろんな切り口からのトリビュートが出るきっかけになってくれたらうれしい。


Do Ya Wanna Play, Carl? / Carl Palmer Anthology (2001)

カール・パーマーの集大成的ベストアルバム2枚組。1枚はELPからの選曲で、もう1枚がELP以外のセッションやASIAなどでの活動からの選曲という構成になっている。その2枚目の選曲の中に、驚くべきことにマイクのFive Miles Outにゲスト参加した際の共作としてMount Teidiとおそらく同じ時の音源で未発表曲である「Ready Mix」という曲が収録されている。おそらく没テイクなのだろう。カール・パーマーのドラムとマイクの軽快なリズムのギターがバランスよく演奏されていて、なかなかの感じのよい素敵な曲。今まで聞いたことはもちろん、存在すら知らなかった。マイクの没テイクが海賊盤以外で正式にリリースされるということはきわめて珍しく、またそれも他の人のベストアルバムに収録されるなどというのは、とっても不思議としか言いようが無い。ウエブサイトのファンの意見の中には、このアルバムの売り上げを伸ばすために、マイクの未発表曲を収録したのではという声もあったが、いずれにせよ、こういう形でもマイクの古い音源を公式に聞くことができるというのは、ファンとしてもうれしい限り。マイクのアンソロジーなんかも発売されて、CD未収録音源とか、未発表曲とかが聞けたらいいのにと思ってしまう。


 From The Banks Of The River Irwell / Max Bacon (2002)

Someday / Tears In My Eyes / Who Can Stop The Rain / The Higher You Climb / Boys From The Diamond City / Hold Me Close / Fire In Your Eyes / Carrie / Everybody Needs Somebody / Earthmoving / Sense Of Rhythm / Take No Prisoners / Moon Under The Water / Get It Right This Time / You're In My Heart / Breakout

マイクのEarth Movingに収録されているHostageとアメリカ盤のIslandsのMagic Touch、そしてシングル盤のEarthmovingでヴォーカルを担当しているMax Vaconのソロアルバム。ソロアルバムといっても今までの活動履歴のようなベストアルバムになっており、なんとそのEarthmovenigのシングルテイクが収録されている。このヴァージョンはマイクのシングル盤でしか聞くことができず、レアトラックスのひとつなのだが、先に紹介したCarl PalmerでのReady Mixもそうだが参加アーティスト側のアルバムで紹介されるというのは不思議なものだ。マイクのシングルを持っているのなら直接は気にする1枚ではないのかもしれないが、GTRで一躍有名になったそのボーカル力が満遍なく披露されており、楽曲も全体的に安定しており聞きやすいいいアルバムになっていると思う。やや音質が悪いのが難。


Tag Und Nacht / Schiller (2005)

Light + Shadeの中のNightshadeにゲスト参加しているSchillerの新作に、そのお返しとしてマイクがギターで参加している。Morgentauという作品で、ちゃんとMike Oldfieldの名前もクレジットされている。マイクのギターであることは一目瞭然であり、曲調もマイクに近く、このままLight+Shadeの中に収録されていても不自然ではないくらい。マイクファンにとっては無視できない作品になっている。このSchillerというアーティストは全く知らなかったが、この作品を聴いて、とっても気に入った。女性ヴォーカルが上手に使われており、センスのよい曲が続いている。個人的にはこのジャケットデザインがとっても好きだ。(2枚組みのボーナスCDで購入。写真データもあり、マイクがちゃんと写っている)。 ボーナスCDに収録されているTired of Being Aloneというヴォーカル曲は絶品。



Tagtraum (DVD) / Schiller (2006)

上に紹介したSchillerのライブDVD。Tag Und Nachtのドイツでのライブの映像と、プロモーション映像の2枚組み。Tag Und NachtのCDを聞いていくうちに、最近のマイクの音作りに共通するところが多く、すっかり好きになってしまった。特にヴォーカル曲はマイクと同様に、ヴォーカリストをゲストで起用し、このライブでもアルバムに参加している本人、女性3人、男性2人がそのまま参加している。(ClannadのMoya Brennanも登場する) それぞれの個性は素晴らしく、その曲調も雰囲気も、マイクに通じるところがあり、楽しんでみることが出来た。アルバムでマイクが参加しているMorgentauも演奏されるが、残念ながらマイクは登場しない。
およそ2時間のライブだが、全体的に良い雰囲気のライブで、映像も演奏も美しい。マイクのおかげで良い作品にめぐり合えた。アマゾンドイツから購入。PAL方式のため、普通のDVDプレイヤーでは見られません。注意。


MikeOldfield Tubular Bells Part1 / Piano Ensemble(2008)

Version for two pianos and two synthesizers / Version for four pianos

ドイツの4人ピアニストで編成されているPiano EnsembleによるTubular BellsのPart 1のピアノによる演奏。2人がピアノ、2人がシンセサイザーのヴァージョンと4人ともピアノ演奏しているヴァージョンが収録されている。1996年にリリースされたDuo Sonare Plays Mike Oldfieldが二人のギターによるカバーだったことを思い出し、比較すると面白い。なぜパート1だけなのか残念なところではあるが、さすが素晴らしい演奏であり、安心して聴くこともできる。楽器紹介パートの部分もピアノに抑揚をつけて、無難に聴かせてくれる。Duo Sonare Plays Mike Oldfieldの時も感じたが、このようにシンプルな演奏にアレンジされると、ますます原曲の良さが良くわかり、かえってそれが原曲には誰も叶わないという裏づけにもなる。Part2のイントロ部分が聴けないのは本当に残念。


Bruse Parry Presents AMAZON TRIBE Songs for Survival (2008)

2枚組CDで、アマゾンにクラス部族へのチャリティCDと思われる。この作品のタイトル曲であり、かつ最後の締めくくりにMikeの曲「Song For Survival」が収録されている。4分程度の短い楽曲だが、The Songs Of Distant Earthでの最後の曲に良く似た雰囲気で、アマゾン部族のコーラスが上手にその雰囲気を盛り上げて、やっぱりMikeはいい!と思わせる仕上がりになっている。他はいろんなミュージシャンが参加しているが、Mikeファンびいきかもしれないが、MIkeの曲だけが秀逸の出来といわざるを得ない。