Asturias / Circle In The Forest (1988)
Ryu-Hyo / Clairvoyance / Angle Tree / Tightrope / Circle In The Forest
日本のMike OldfieldといわれるAsturiasのその中でも最もMikeを意識しているといわれる作品が再発されたため、入手した。入手したのはデジパック仕様でフランス盤。リーダー自らMikeのような音楽を意識して作ったと明言している。特に最後のCircle in the Forestは20分強の大曲で、曲のクライマックスの部分はOmmadawnとIncantationsの融合のような展開を示す。アルバム全体の雰囲気は最近のヒーリング系の雰囲気があり、思ったよりもMike色が強いというものではない。1曲目のRyu-Hyo(流氷)は特に心地良い。リラックスして聞ける秀作。
Circle in the Forest JOE HISAISHI & NEW JAPAN PHILHARMONIC WORLD DREAM ORCHESTRA (2006)
World Dreams 2004 / 風の谷のナウシカ (風の伝説) / 天空の城ラピュタ / アイアンサイド TVシリーズ『鬼警部アイアンサイド』より / 風のささやき 映画『華麗なる賭け』より / Raging Men 映画『Brother』より / HANA-BI 映画『Hana-Bi』より / ロミオとジュリエット /
男と女 / 白い恋人たち / キャロル・オブ・ザ゙・ベルズ / ロシュフォールの恋人たち / ボレロ /
カルミナ・ブラーナ「おお、運命の女神よ」 / ジ・オーケストラ・チューブラー・ベルズ パート1 映画『エクソシスト』より / 映画『殺しのドレス』より テーマ曲 / レクイエム「怒りの日」 / 「もののけ姫」組曲
/ カルミナ・ブラーナ「アヴェ、この上なく姿美しい女」〜カルミナ・ブラーナ「おお、運命の女神よ」
/ World Dreams 2006
スタジオジプリのサントラで有名な久石譲が、マイクのファン、あるいはTubular
Bellsに影響されていることは、ファンの間では常識だった。ソナチネのサントラの時は、まさにTubular
Bellsのカバーといえるものであり、テレビで映画のCMが流れるたびに、びっくりしたことを今でも記憶している。今回このDVDが発売され、The Orchestral Tubular Bellsを演奏してくれているのだから、それをちゃんと証明してくれたといえるだろう。合間合間をカットしたショートヴァージョンではあるが、ちゃんとPart1を最後まで演奏してくれていて、大変に感激しながら聴く事ができた。フルオーケストラで、いろんな名曲を聞かせてくれており、マイクの曲以外も十分迫力を感じながら楽しめる。インタビューの中で、他の人の曲を自分の中に取り込んで、自分で解釈して演奏するのが好きというコメントがあり、まさにマイクの曲も含まれているのだろうと思えた。
この人の音楽はところどころでマイクに通じる雰囲気を感じることができ、安心して聞ける。風の谷のナウシカは、名曲だと思う。これからもマイクに通じる名曲を生み出していって欲しいと願います。
GRYFFINDOR Classic Songs Vol.1 (2003)
Orabidoo / Falling Into You / Tubular Bells / 今は5月 / 美女と野獣 / To
France / Because / Moonlight Shadow / London Town / White Christmas
GRYFFINDOR Classic Songs Vol.2 (2004)
Scarborough Fair / Come Back / Here there and everywhere / The top of the
morning / Sally Garden / Little boy's eyes / Song of Bernadette / Christmas
medley 2003
茨城県鹿島市を拠点に活躍されている曽根さんと高安さんのユニット。OMS4ではマイクのカバーをライブで披露していただき、マイクの曲をライブで聴くというファンの願望をかなえてくださいました。その作品集CDです。一般に販売されているCDではないのですが、その水準はとっても高く、マイクファンには涙もののカバー集です。マイクのカバーはVol.1には4曲、Vol.2には1曲入っていますがどれも必聴。私個人としてはマイクを上手にカバーしてくれる日本のバンドの登場を待ち望んでいたのですがその夢がこのお二人で実現しました。このCDはホームページから申し込み出来ます。ホームページはこちら。http://www11.ocn.ne.jp/~gryffin/index.html
Black Is the Colour / Donald Of Glencoe / Craigie Hill / Green Grows The Laurel / Lark In The Clear Air / The Lonesome Scenes Of Winter / Blue Mountain River / I Wish I Was / The Maid Of Culmore / She's Like The Swallow / I Am A Youth That's Inclined To Ramble
Tubular Bells VのMan In The Rainで素晴らしい歌声を聞かせてくれているCaraのたぶんファーストソロアルバム。たぶんといったのは、Man
In The Rainでの歌声があまりに素晴らしいため、Caraという人を調べてみたが、まったく情報が入らなかったからだ。Tubular
BellsVではCara From Polar Starと書いてあったが、Cara本人はもとより、Polar
Starの情報すら見つからなかった。やっとこうしてソロアルバムを入手することができた。全編トラッド曲のようだが、自分は聞いたことの無い曲ばかり。アイリッシュトラッドの匂いがしつつ、しっとりと素敵な歌声を聞かせてくれている。Man
In The Rainのようなアップテンポの曲はなく、ゆったりとした曲が中心で、静かに聞ける。期待通り、素敵な歌声で、アルバムそのもののレベルも高いと思う。いずれブレイクするかもしれない。マイクはよくこういう逸材を見つけてくるものだ。ジャケットの写真もとっても美人で驚いた。オフィシャルサイトは
http://www.caradillon.co.uk/ 日本人によるファン人見さんによるサイトは http://www.diana.dti.ne.jp/~yutakahi/cara/cara_top.html
尚、その後人見さんは実際にイギリスまでカラのコンサートを見に行かれている。その時には実際にカラと話をする機会があり、ホースガーズではカラにヴォーカルとしての出演要請があったものの、契約情嫌の問題で成立しなかったというコメントを本人からもらっている。その際に、貴重にも私宛のサインと写真というありがたいお土産を頂戴したばかりでなく「日本で最初にあなたのデビュー盤をウエブで紹介された方です」と私のことを紹介してくださったそうです。そのときの写真とサインは、こちら。
Interview With The Angel / The Kiss / Faith In Love / Sacred Touch Of Beauty / Out Of The Woods / Calming The Sea / Burden / Interview With The Angel Part U / In Your light / Interview With The Angel Part V / Darkening Hour
Cara Dillonが2曲目、3曲目にゲスト参加していることから、紹介されて聞いてみたのだが、思いがけず上質の作品と出会うことになった。男性2名、女性1名によるイギリスのグループだが、過去作品一つをリリースしており、これが2作目。全編トラッド基調ではあるものにポップ調の曲も混ぜながら、静かに落ち着いて聞けるし、曲そのものもメロディアスで聞きやすい。中でもCara
Dillonの歌うFaith In Loveはアップテンポでありながら、湿り気のある曲で、思わずMan
In The Rainを思い出してしまう。それ以外にもSinead O'connorも歌っていたり、Brian
Enoがキーボードで参加していたりする。マイクの曲調につながるところは数多くありお勧めだが、入手は困難かも。
Dunga / The Flower Of Magherallyo / The Clumsy Lovers / P. Stands For Paddy / Liz Carrolls's / Girls Put The Fags Out /Green Grasses Grow Bonnie / Slow Boat To China / The Weaver / The Mountain Road / Bushes And Briars
Cara DillonがプロとしてデビューしたのがこのOigeというグループではないかと思われる。男性3人とCaraの4人編成で、フルート、フィドル、ギター、アイルランドドラムの楽器にCaraのボーカル。トラッドの演奏とCaraの歌がほぼ交互という構成で、Caraは5曲でその歌声を披露している。シンプルな演奏とCaraの歌声がとっても深い味わいを出しており、特に無伴奏でCaraが歌うGreen
Grasses Grow Bonnieはまさしく鳥肌が立つほどの素晴らしい歌声。ライブとは言え、落ち着いた感じのコンサートで、演奏の水準も高いと感じる。マイクはこのCDを聞いて、Caraを抜擢したのだろうか?
チューブラーベルズUが発売された頃に、マギー・ライリーのソロアルバムも発表された。80年代マイク・オールドフィールドの名曲を見事に歌い上げてくれたライリーのこのアルバムもすばらしい作品になっている。1曲目のEverytime We Touchからもう名曲。曲の出来に多少善し悪しはあるものの、マイク・オールドフィールドのファンであればどんどん引き込まれていくだろう。特にWhat About Tomorrows Children には脱帽。
マギー・ライリーの2作目もかなり力を入れたみたいで、ジャケットデザインからしてこっている。アルバムはやや散漫な印象があるものの聞き応えあり。やっぱりライリーの声はすばらしいと改めて感じる。ただ前作と比べると、ライリーの歌声の素晴らしさを引き出せるのはオールドフィールドの曲でなきゃとも感じた。それは楽曲の出来に善し悪しがどうしてもあるからだろう。
マイク・オールドフィールドのヴォイジャーが発売された頃とほぼ同時期に発表された3作目で、今回はかなりプライベート的なイメージが強く、前2作と比べるとやや静かに流れていく。際だって優れた曲もそう見つからない。オールドフィールドのTo Franceを別のアレンジで歌っており、この1曲が極端に目立ってしまっている。 こちらのアレンジはトラッド色を強くしており、オールドフィールド盤とはまた違ったいい雰囲気を作るのに成功している。またオールドフィールドのヴォイジャーに入っているトラディショナル曲She Moves Through The Fairをライリーは歌つきで歌っているのが興味深い。
初めてのマギー・ライリーのベスト。どうもオールドフィールドの新作が発売されると同時にライリーのCDも発売されるパターンになっている。これもTubular Bells Vの発売に1ヶ月しか遅れていない。このベストは新曲One Little Wordが1曲と、Everytime We Touchのリメイクとオールドフィールドそのものを3曲収録している。(To Franceはライリーヴァージョン)ライリーの曲もいい曲があるのだが、オールドフィールドの曲を混ぜてしまうと、浮いてしまう感じがしてしまう。ライリーヴァージョンでリメイクすれば良かったのにと思う。Everytime We Touchは前のアレンジの方がよい。選曲は無難なところかもしれないが、少々不満。ライリーはやはり1作目のEchoesが優れている。
久しぶりのライリーの新作は、いかにもAOR、あるいはソフトポップスという感じで静かな曲が並んでいる。初期の作品がかなりマイクの傾向を意識していたように思えるのに対しだんだん、独自の好みの音楽に傾倒していっているかのように思える。確かに最初からライリーのオリジナルとして聴けばそれなりの品質なのかもしれないが、ついついマイクの傾向を期待してしまうマイクファンには、少々無難すぎる作品ばかりそろっていると感じてしまうかもしれない。もうすこし、あっと思えるような曲が混じっていてもいいとは思うのだが。ただ、ライリーの声は昔と変わること無く、懐かしさはどうしても感じてしまう。
まったく情報がなかったのだが、デンマーク録音で北欧だけでマギー・ライリーの新作がリリースされていた。たまたま西新宿のCD店で発見。Neil Young、Carole kingなどのカバー曲ばかりだが、情報不足で詳細不明。それでもCyndi LaupeやPeter Ceteraのカバーまであるので驚いた。お店の情報ではバックミュージシャンもすべて北欧の人ばかりだそうだ。全体に落ち着いたムードでしっとり歌っており、カバー曲と意識せずに聴ける。相変わらずの美声。まったく報道されないということは、最近では注目度が大きく下がっているのだろうか。少々寂しい。
Maggie Reilly / Rowan (2006)
Away wi' the Faeries / Once I Had a Sweetheart / Heartsong / The Star / Promises / All Things are Quite Silent / Who Knows Where the Time Goes / The Trees They Do Grow High / Cam Ye O'er frae France / Miss You / Wild Mountain Thyme
マギー・ライリーの新作の情報はほとんど届かず、この作品が出ていることも、たまたま知った。入手する方法もなかなか見つからず、結局西新宿のトラッド専門店からの購入となった。詳細は不明だか、レーベルもプラベートに近いもので、あまりセールスも期待できないものになっていると思われ、少々寂しい感じがしてしまう。ただ紙ジャケットで、デザインも美しく、丁寧に作ってあるといえる。作品内容だが、この数作の路線は代わらず、トラッドとオリジナルを取り混ぜ、静かに聞かせるものになっている。ただし、これはという楽曲が無く、地味な感じは否めない。
Maggie Reilly / Looking back, moving forward (2009)
It's a Lonnely Day / Everytime We Touch / Lucy/ Family Man / Stones Throw From Nowhere/ Hold Me / True Colours / Moonlight Shadow / Fifth Moon / Canada / To France / Lilith
マギー・ライリーは定期的に新作を出し続けているが、その美しい歌声はマイクに参加していた時代と比べても遜色なく、懐かしい感じを我々に与えてくれることは嬉しい限り。しかし最近の数作品に見られる傾向だが、楽曲、あるいは企画に恵まれているとは思えず、際立って特徴のある味わいを出す作品にはなっていない。 Echoesが素晴らしかっただけに、この歌唱力を上手に引き出せるプロデューサーはいないものだろうか。本作においては、マイク作品のカバーが含まれているが、やはりマイク自身の演奏と比較すれば、その水準の低さは否めず、さらっと聞こ流してしまうに過ぎない。この類稀れなる歌手の能力を最も引き出したのは、やはりマイクだけなのだろう。
フレアークと言う名のオランダのプログレッシブバンド。といってもとってもシンフォニック。このアルバムにはマギー・ライリーが4曲ゲストでボーカルを担当している。(1,2,5,9)その他はすべてインスト。 ポップでありながらシンフォニックであり、とても聞きやすい。マギーのボーカルも自分のオリジナルよりも作品と演奏が良いせいかとても素敵だ。マイクのアルバムのようにメインテーマとなるフレーズがところどころ使われていて、アルバムコンセプトとしても良くまとまっている。マイクのディスカバリーをクラシカルにしたらこんな感じになるような気がする。なお、このアルバムは現在廃盤であり、大変に入手困難。LPは所有していたが、CDが見つからなかったところ、フレアーク自身による自主制作CDRで再発された。いかにも手作りといった感じのものだが、音はおそらくマスターテープから落としており、申し分のない音質で、かつCD本体には直筆によるナンバリングと、ファンへのメッセージ付のメモがついている。マギーの声が好きな人なら絶対におすすめ。みつけたら迷わず買いましょう。
Islands等でのボーカルを担当したアニタ・へジャーランドのソロアルバム。あきらかにマイクのEarth Movingの傾向を踏襲しており、ポップ調の曲が多い。タイトル曲のVoicesはMoonlight Shadowのテンポを思い出させる。ライナにはマイケル・G・オールドフィールドに対し、自分で曲を作る勇気を与えてくれたことの感謝の言葉が記載されている。
オールドフィールドのフライングスタートを自分のアルバムで歌っているので、興味があって買ってみた。フライングスタートはやっぱりオールドフィールド盤の方がいいが、ただ全体的にとても渋いアルバムで好きだ。
あえて説明が必要がないほどの大ヒットアルバム。日本ではマイク・オールドフィールドより有名。現在までに3つのアルバムを発表しているが、この作品が一番オールドフィールドに通じるところがある。The Eyes Of Truthなんて、オールドフィールドのイメージそのままだし、アルバム全体の雰囲気もとてもよく似ている。実際Michal Cretuはかつてオールドフィールドのアイランズの制作に携わっている。オールドフィールドファンも楽しめる1枚。
キャメルの名前も結構知られている。そのキャメルの現在での最新作。リーダーのアンドリュー・ラティマーのアイルランド人の父親のことをテーマにしたアルバム。全体にアイリッシュトラッドの雰囲気が伝わり、歌ものとインストが混ざるメドレー型の本作はオールドフィールドの世界に共通するものが多い。ラティマーの「泣き」で有名なギターもオールドフィールドを思い出すところがあり、本作に限らずキャメルそのものがオールドフィールドに近い。特に出だしのアイリッシュエアは最高。キャメルのキーボードリストMickey Simmonds(ミッキー・シモンズ)は、オールドフィールドのアイランズ等でゲスト参加している。
キャメルのベーシスト、コリン・バスのソロ作品。しかし、ギターはアンドリュー・ラティマーが担当し、キャメルのイメージから大きく離れていない。気軽に聴けるいいポップ作品になっている。タイトルが「諸島の浮浪者」とでも訳せばいいのか、マイクの「Islands」と「Outcast」の二つの作品を合わせたようなタイトルに惹かれて買ってしまったが、買い得だった。
Marillionというプログレッシブバンドのギタリスト、スティーブ・ロザリーのプロジェクトバンド、ウイッシングトゥリーのアルバム。ボーカルにハンナ・ストバートという何とも妖しい雰囲気と声を持つ女性を起用。アルバムも全体的に霞がかかったような妙なムードで包まれている。オールドフィールドとの共通点といわれると説明しにくいが、しいていえばディスカバリーをさらにムーディにしたといったところ。感覚的に紹介したかったいいアルバム。
あのレインボー、ディープパープルのリッチー・ブラックモアのプロジェクトアルバム。けれどもブラックモアのハードロックのイメージはまったくなく、前にふれたウィシング・トゥリーにとてもよく似た雰囲気の作品になっている。ブラックモアの婚約者キャンディス・ナイトのヴォーカルを全面に出し、吟遊詩人、ルネッサンスをテーマにした静かでメロディアスな傑作。おそらくブラックモアファンがこのCDを聴いたときはびっくりしたことだろう。ただオールドフィールドファンにとっては、まさにおすすめ作品になっている。未確認情報ではあるが、キャンディス・ナイトがオールドフィールドファンで、ブラックモアも聞き始めたところオールドフィールドの虜になってしまい、このアルバムのタイトルも「ムーンライトシャドウ」に影響されたという。事実あのブラックモアがまるでオールドフィールドのCDではないかとおもわれる作品を出したと言うことは、この未確認情報も本当かも知れない。またルネッサンスのオーシャン・ジプシーをコピーしており、ルネッサンスのアニー・ハズラムはムーンライトシャドウをコピーしているのだから、この関連はおもしろい。 この情報でこのCDに興味を持っていたが、ブラックモアのイメージで買わなかったところ、このホームページを見た方からメールをいただき、おすすめされたことで買ってみた。おかげさまでとてもよいCDを聴くことができた。その後中野サンプラザでの公演も見に行ったが、すばらしいコンサートだった。こちらの海賊盤も購入してしまった。ひょっとしたらライブでムーンライトシャドウをやるんじゃないかと思ったけれどそれは実現しなかった。ライブの方がブラックモアのアコースティクギターの音が冴え渡っている。メールをいただいた方の情報によると最近のコンサートで、開演前のBGMにマイクの曲をかけたらしい。
ブラックモアズ・ナイトの2作目。前の作品よりさらに一層アコーステック色を強めており、ヨーロッパの民族音楽集的な要素が強くなっている。ブラックモアのアコーステックギターの音は耳にとても心地よく、キャンディス・ナイトの歌声も本当に自然に耳に入ってくる。前作と同様に聞き込むに値する作品だと思う。この中の曲のいくつかはすでにツアーの中で披露されており、海賊盤で聞くことができたが、あたらめてスタジオ録音で聞くと新たな感動を覚える。ブラックモアは今後気が変わらない限り、ブラックモアズ・ナイトの路線をいくらしい。従来のレインボーファンにとってはそれは良いことなのか、残念なことか自分にはよくわからないが、オールドフィールドの音楽のルーツにつながるような印象をあたえるこの作品群は、自分にとってはたいへん歓迎したいところ。
本当に優れたミュージシャンの作る作品と音は、たとえヘビーメタルであってもアコーステックであっても、クラッシックであっても、それはひとつの演奏の手段であって、どのアレンジにも耐えうるものであるのかもしれない。レインボーの楽曲を、このブラックモアズ・ナイトの演奏スタイルに変えてもなんにも違和感が無いだろう。
元ソフト・マシーンのカール・ジェンキンズのプロジェクト、アディエマスのファーストアルバム。この作品以降も定期的にアルバムが出ており、日本におけるCD店での扱いはマイクよりもずっと力が入っている。このファーストアルバムはたまたま店でかかっていた曲に、どことなくマイクの匂いを感じて買ったもの。いちおう、その後も新作が出るたびに買い求めているが、このアルバムが一番好きだ。最近はやりのヒーリングミュージックのジャンルとして扱われている通り、交響楽団による演奏に女性ボーカルによるコーラスがかもしだす雰囲気は、こころを落ち着かせてくれるものがある。特にタイトル曲のAdiemusや6曲目のCantus Iteratusなどは、ヴォーカリストのミリアム ・ストックリーの美しいコーラスが聴くものの涙をそそるくらいの傑作だと思う。ただ、購入したときはマイクの匂いを感じたものの、マイクと比較するとクラッシック色が強すぎると感じていたのだが、ミレニアム・ベルがいざ出ると、どうしてもこの作品と比較せざるを得ない。ましてや両作品に登場するミリアム ・ストックリーのコーラスが、この作品とマイクのものと聞き比べするのも楽しい。マイクファンにはややおとなしすぎるかもしれないが、大変に品質の高い作品であり、聴く価値は充分にあり。
先述のAdiemusでヴォーカル、コーラスを担当し、マイクのミレニアム・ベルでも参加しているミリアム・ストックリーのソロファーストアルバム。この人の声はまさに天上からの天使の声という良く使われる表現がぴったりなのだが、アディエマスでも多用されていた、大変にエキゾチックな声も出したりして、これがまたとっても味わい深い。このソロはアディエマスと比較するとほとんど英語の歌詞による曲であり、ミレアムの声がとてもわかりやすく表現されている。特に1曲目から3曲目まではまさに天上の声がメロディアスで聴きやすい曲を歌ってくれているように感じる。(3曲目はピーター・ガブリエルのコピー)僕はAdiemusより好きだし、何度も繰り返して聴きたくなる良い作品を出してくれたと思う。マイクの作品でも前面でヴォーカルをやっても似合うと思う。
ミリアム・ストックリーのセカンドアルバム。ソロアルバム以前に数々のセッションをこなしてきたベテランであるだけに、ファーストの水準も十分高かったが、ファーストがややポップス路線だったのに対し、このセカンドアルバムは、彼女の本来求める音楽を前面に出したような気がする。出身の南アフリカの音楽をルーツとするようなエスニックなテイストがよく出ているし、彼女の独特のコーラスも積極的に使われている。マイクファンとしてはこちらの作品のほうが親近感が沸くと思う。今年、アディエマスの来日コンサートに行ったが、ミリアムの声はライブでは、さらにその味わいが深く、感動した。マイクのコンサートでもミレニアムベルで終わることなく、また登場してもらいたいものだ。
タイタニックの映画そのものについては全く説明不要なほどすばらしいものであることは、世間が認めている。特にそのラストシーンは今まで見た映画とは全く異なる手法による感動シーンだったと思う。映画を見始めてまず気がついたのが、そのサウンドトラックが全体にアイリッシュムードを漂わせており、オールドフィールドの曲調に共通点を見つけたことだった。すばらしい映画と好みの曲調がうまくマッチして、映画にどんどん引き込まれていった。オールドフィールドの数ある名作をボイジャーのアレンジでやったらこんな感じなるのではないかと思う。先に触れたキャメルのハーバーオブティアーズの曲調ともとてもよく似ている。全体に流れるムードはシセル・シルシェブーの美しいコーラスによるところも大きい。セリーヌ・ディオンのMy Heart Will Go Onもとてもいい感じを出している。映画の一シーンにジャックとローズが3等客たちとダンスを踊るシーンがあるが、オールドフィールドがコピーしているポルカであったことも見逃せない。(この曲が収録されているのは、後から発売されている”Back To Titanic”。こちらのCDの方が作品としては優れているかも。)オールドフィールドファンの方でまだ映画を見ていない方、絶対にお勧めです。映画を見たら、CDもすぐ欲しくなりますよ。
フランスの4人のミュージシャンが集まったグループ。このCDを聴いたときは本当に驚いた。ケルト音楽を全面に押し出したポップな音ではあるが、オールドフィールドの影響を大きく受けていることは明らか。そのギターのフレーズやフィドルの入れ方など、思わずはっとしてしまう場面が多い。極めつけはラストの曲。これはまさにムーンシャインそのもの。オールドフィールドの音をもう少し軽くして、エニグマの要素を混ぜるとこんな感じになるといえよう。もちろんサウンド的にはオールドフィールドを聞き込んだファンには物足りなく感じるかもしれないが、十分楽しめる一枚。日本盤も出ているから大きなCD店なら今でも手にはいると思う。
先に紹介したストーンエイジの2作目。全作以上に一層オールドフィールドを彷彿させる曲調になっている。全体の曲調はアップテンポの曲が多いが、ほとんどすべての曲にバグパイク、あるいはフィドルの音がちょうどロックのリードギターの役割を演じている。ボーカル入りとインストルメンタルの曲が混じり、ボーカルは一部英語の曲を除き、フランス語になっている。最初の曲のLines Of Stoneはなかなかの名曲。チューブラーベルズVのサウンドに抵抗がない方にはおすすめの一枚。
ハリソン・フォードは今でこそ、渋い演技派俳優だが、当初はスターウォーズのハン・ソロ、インディアナ・ジョーンズのイメージが強く、アクション系の俳優としての印象が強かった。この映画「Witness」は邦題では「刑事ジョン・ブック・目撃者」というタイトルで、ハリソン・フォードが今度は刑事役に挑戦と映画公開前に宣伝されていたのを覚えている。ところが、この映画はその後のハリソン・フォードの演技力を決定的にした実に味わいの深いラブストーリーであり、現時点でもハリソン・フォード主演の中ではもっとも質の高い、評価すべき映画だと思う。ストーリーの詳細は省くが、当時映画を見に行ったときに、広大な田園風景の中で納屋を建設するシーンに使われた曲(Building The Barn)が頭から離れず、ちょうどオールドフィールドにはまりつつ合ったこともあり、そのストーリーと音楽のために、未だに自分にとって貴重な映画になっている。タイタニックのCDを紹介したきっかけで、このCDを持っていることを思い出し、今回紹介した。オールドフィールドの共通点を語るのは難しいが、映画の半分以上を占める田園風景が、自分のオールドフィールドの音楽にイメージしている牧歌的風景に合うことと、Building The Barnのすばらしい旋律が、どことはなしにオマドーンやハージェスト・リッジのイメージに近く感じている。CDは映画公開からかなり遅れて、90年に日本で発売された。作曲家はアラビアのロレンスで有名。
スペインのケルト系の音楽を演奏する7人グループ。ルア・ナ・ルブレと呼び(太陽のグループという意味らしい)、アルバムタイトルは「満月」と日本盤にはついている。日本盤の帯には「マイク・オールドフィールドが絶賛した幻のケルト・ミュージック集団」と書いてある。事実、1曲目はボイジャーのThe Songs of the Sunの原曲であり、オールドフィールドのチューブラーベルズVのThe Inner ChildではこのグループのRosa Cedronが美しいコーラスを披露している。ライブでもちゃんと出演している。(当初、このバンド全体がライブに参加するといううわさもあった。)スペインとケルトとイメージが少々合わない気がするが、このアルバムはまさにケルト音楽集といえる作品ばかり集まっており、日本人がもつスペインのイメージとは遠い音になっている。ただオールドフィールドを聞き慣れたファンにとっては少々音の盛り上がりに欠けて、メロディのよさは認めながらも少し物足りなく感じてしまうかもしれない。ただThe Songs of the Sunの原曲O Son Do Arは、(日本語に訳すると「風の音」となるらしい)オールドフィールド版に負けることのない良い音を聞かせてくれ、何も知らずに聴いたら、The Songs of the Sunの別バージョンだと思ってしまうかもしれない。オールドフィールドが採用しなかったフレーズも聴くことができ、十分楽しめる。オールドフィールドがこの曲を「太陽の歌」というタイトルにしたのは「太陽のグループ」の曲だからということだろうか。
ルネッサンスのボーカルとしてこの人は結構有名。そのソロとして90年に発売された作品。そのタイトル曲としてオールドフィールドのムーンライトシャドウをコピーしている。全体的にポップな曲調で、ルネッサンスのイメージからはだいぶ異なり、プログレッシブのイメージは薄い。しかし、全体的にいい曲がそろっていて、とても聞きやすい。さてムーンライトシャドウだが、原曲のイメージをそこなうことなく、上手に自分のイメージを取り込んでいて好意的に聴ける。その後コンサートでも必ず歌っているらしい。僕はこの人の声は、マイクのIncantationsで神秘的なヴォーカルをしていたマディ・プライアの声にどことなく似ているような気がしいて、このムーンライトシャドウはマディ・プライアが歌っているような錯覚を覚えた。
サラ・ブライトマンという美人ソプラノ歌手。当時この人の事は全く知らなかったが、あるCD店のヒーリングミュージックコーナーにいたところ、突如マイクのVoyagerに収録されている「Women
Of Ireland」の女性ボーカルヴァージョンがかかって、それがまたとても素晴らしく店の人に聞いて購入した次第。「Women
Of Ireland」そのものがアイルランド伝承曲だから、マイクのコピーと言うわけではないのだが、とても素敵な歌声であり、歌詞も英語による自作で、とても良い出来だ。また買ってからわかったが、このアルバムのプロデュースがEnigmaの作品に関わったことのあるFrank
Petersonであり、タイトル曲のEdenはいかにもEnigmaムードだ。他にもタイタニックのMy
Heart Will Go Onをイタリア語で歌ったり、カンサスのDust In The Windをコピーしたり、盛りだくさん。ただ、通しで聞くと日本の歌謡曲の歌手が人のヒット曲を歌ったアルバムみたいな感じも出てきてしまうのは難。
STYXは70代末から80年代初めにかなり売れたバンドで記憶している人も多いだろう。ロック系ではあるが、ややプログレ色もあり、そのアルバムはどれもコンセプト色が強いことでもよく知られている。自分もちょうど大学生だった頃で、一時夢中になった。このアルバムは最もよく売れた作品だが、同時に最も際だって優れた作品だと思う。なぜここでこの作品を紹介するかというと、Tubular Bells Vを聞いていてふと、そのストーリー展開とこのパラダイスシアターとの展開が自分にとってよく似た感じがし、あらためてこの作品を再評価したからだ。実在したパラダイスシアターの栄枯盛衰をストーリー化したしたこの作品はほとんどがメドレー調であり、冒頭のAD1928のメインフレーズが中間部のThe Best Of TimesとラストのAD1958で繰り返されている。特にHalf-Penny, Two-Penny からA.D.1958の流れのメドレーは今でも身震いするくらいの素晴らしい流れだと思う。その展開とTubular BellsVを聞いて、あらためてこの作品に親近感を抱いた次第。最後に小品のState Street Sadieを入れているのもマイクに近いものを感じる。聞いたことがある方も多いと思うが、自分にとっては、この作品と次に述べるJackson Browneを好きだった下地があったからこそ、マイクに今のめり込んでいるような気がしてならない。
ジャクソン・ブラウンと言えばほとんどの人がRunning On Empty,
Late For The Skyを代表作にあげるであろうが、自分としてはこの作品がもっとも大切なジャクソンブラウンの作品。マイクを好きになるまではジャクソンブラウンに一時はまっていた。Running
On Emptyの前にあたるこの作品は初期のジャクソンブラウンとしてはロック色が強く、あまり高い評価をあたえられていないようだが、その楽曲と展開は素晴らしいと思う。マイクとの関連性はないと言ってもいいかもしれないが、自分以外にも、リンクを貼っている小倉さんもジャクソンブラウン好きであり、かつHold
Outが好きだというのを聞いて、これは何か根底に近いものがあるのかもしれないと思い紹介した。今でもたまにこの作品を聞くと学生時代の想い出が蘇るから、自分にとっては前に紹介したParadiseTheatreと共に末永く大切にしたい作品。ただ、最近のブラウンはCDを買ってはいるもののそんなに好きになれなくなってしまった。
嶺川貴子という人については自分はほとんど知らないが、ムーンライトシャドウをカバーしているだけでこのCDを購入。その舌足らずの歌い方とかわいいジャケットで、アイドル系かと勘違いしそうだが、なかなかの実力派らしく、カバー曲とオリジナルをミックスしているこのアルバムも全体的に安心して聞ける。さて、ムーンライトシャドウだが、静かなイントロから始まり、だんだん盛り上げていくバラード調にアレンジしており、なかかな情緒深いいい仕上がりになっていると思う。英語の発音をしっかりしているし、数あるムーンライトシャドウのカバーの中でも、決して見劣りすることなくファンにはお勧め。
Kokiaという日本女性シンガーによるムーンライトシャドウのカバーが収録されているシングルCD。こちらのムーンライトシャドウは嶺川貴子ヴァージョンと正反対でアップテンポで、オリジナルと比較してもややハードなアレンジとなっているが、この人の素敵な声がそのハードなアレンジとうまくミックスされ独特なムードをうまくかもし出し、とってもよい仕上がりになっている。オリジナルの2作もいい感じで、マイクの他の曲もカバーしてもらいたくなる。お勧め。
Radio Edit / Extended Version / Nova Mix (club version) / Space Mix (less vocal version) / To France
詳細はよくわからないが、女性シンガーによるTo Franceのクラブヴァージョンによるカバー。この人の作品を検索したら、シンディ・ローパーのTime After Timeを同様にカバーしているシングルがある。こちらのほうが評判になっているようだ。次のシングルがTo Franceとなったわけだが、この選択の基準がよくわからない。曲は原曲の情緒的イメージが完全に消え去った派手な展開によるクラブミックスだから、お勧めするものではなく、単にマイクの代表曲のカバーだからというにすぎない。しかし、最近のマイクのシングルのミックスよりかはまだ普通に聴けるほうだとは思う。
Sweet is the Melody / The Dance You Choose / Rise Again / Moonlight Shadow / Medley : Somewhere Over the Rainbow / What a Wonderful World / Out of the Woods / Driftwood / Some Days / Once in Every Life / Love So Rare / Getting Dark Again / To Say Goodbye to You / The Island / The Gift
2002年夏、ムーンライトシャドウの旋律がテレビのCMで流れ出し、マイクファンに衝撃を与えるという事件(?)が起こった。キャノンのプリンターのCMにムーライトシャドウのカバーが採用され、歌っているのは若干12歳の少女というのも驚きだった。これはそのデビューアルバム。もちろんムーンライトシャドウだけを目当てに入手したのだが、アルバム全体のレベルの高さにさらに驚かされた。全体にカントリー調に仕上がっているが、その歌唱力、曲のレベルは高くジャケット写真の12歳の少女が歌っているとは思えない。ムーンライトシャドウもややカントリー調にアレンジされているといえ、歌唱力と、センスのよいアコースティクギター、フィドルとオーケストラのアレンジが見事に融合しており、マイクファンにとっても違和感が無い。ムーンライトシャドウのカバーの中でもレベルの高いものといえるだろう。
Mr. Sandman / Surfin' U.S.A. / Bright Eyes / Lord Of The Rings / The Wizard / Spread Your Wings / Mordred's Song / Black Chamber / The Bard's Song / Barbara Ann / Long Tall Sally / A Past And Future Secret / To France / Theatre Of Pain
ホームページを見ていただいたかたから紹介いただいたアルバム。ヘビィメタルバンドで著名のようだが自分はまったく知らなかった。自作の再録とカバー集によるアルバムで、通常盤にくらべかなりポップでメロディアスになっているらしい。その中でマイクのTo Franceをカバーしているのが面白い。男性ヴォーカルによる、そしてややハードなTo Franceは原曲とは大きくその印象が異なっているが、それはそれで楽しく聞ける。これ以外の曲もヘビィメタルとはちょっと違い、聴きやすい曲が多い。
今後まだ紹介したいアルバムがでたら追加して参ります。ごらんになった方でもしお勧めしていただけるCDがございましたら、是非メールをお願いします。