魔法使いTai!

==第一話==

突然宇宙からやってきたおっきなツリガネは地球を侵略しちゃうぞーっ、みたいなメッセージを世界中に送りつけました。世界中の兵隊さんとかが立ち向かったんですけど、ぜ〜んぜんかなわないっていうか
でも、ツリガネってこっちから手を出さなければ何もしないんですよね。
だから一年も経つとみんな慣れっこになっちゃったんです
信号も守るし、でも、でも、それじゃいけないって高倉先輩は言ったんです。
ツリガネをやっつけるんだって、それが魔法の力を預かる者の使命なんだって。
高倉先輩、私、私、必ず先輩みたいな立派な魔法使いになりますっ!。

って、思ってるのにぃ〜、こんな日に遅刻するなんて、最低ぇ〜
すみません、すみません、すみませ〜ん、すみませ〜ん。
こんなことで飛べるのかな?
ほんとに
でっ、だめだめ
自信を持たなくちゃ
鉄棒またぎの練習とかだってしっかりやったんだから
大丈夫、きっと、風のように、ふわっと、こう
あっ、あっ、きゃあ〜
すみませ〜ん
アホ!
はい
なにやってんだよおかしなな格好して
ごめんなさ〜い。

予定時間を十五分過ぎた。よしっ、じゃあ、帰ろう。
ツリガネをやっつけるんじゃ?
よしてくれ
あれは〜、だから勢いで言っちゃったけどさ〜
女の子の前ですぐ格好つける、く・せ
反省は、してるよ〜。
そんなとこ好きだよ。
いやぁ〜、まぁ〜、しかしさすがにだれも本気にしなかったみたいだなぁ〜
そりゃあ。そうだ。うんうん。
沢野口君あたりが本気にしてたらもう、どうしようかと。
はっはっはっはっ・・・うぉっ
先輩ぃ〜。
沢野口君だよ。
来ちゃった、のね?
すいませ〜ん遅くなっちゃって
はぁ、はぁ、はぁ、うっ、
ひゃぁ〜
らっ、らっ、うわぁ〜っ
きゃぁ〜
ああっ、
飛ぶんだ!
飛ぶ?
ほうきの代わりに自転車を使って、僕が教えた通りにやってみるんだ。
はいっ!
イザディ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン
あ、ぎゃ、ああん
はっ、ご、ごめんなさい。
い、いやぁ、はっはっはっはっはっはっ、
いやぁ〜、まぁ、その、なんていうかけっこうな絵をごちそうさまに
飛べませんでした。一生懸命魔法に集中したんですけど。
そうだね
ほんとに、私にも飛べるんでしょうか?
う〜ん、大丈夫と思うんだけどねぇ〜。
私の何がいけなかったんでしょうか?
ブレーキをかけなかったこと。
ああっ、見たまえ、沢野口君
ああぁ、先輩ぃ
沢野口君、やったな
かわいい・・・
ところで中富君は?
あの、七香とは昨日の夜話し合ったんですけどやっぱりやめとくって。
あぁ、そう
一年の愛川君からも欠席届が出ているんだけど。

茜ちゃんも!
今日クラブのなんかあるって言ってなかった?
ん〜、いいの別に・・・
そっか

結局集まったのは三人だけってことか、
やっぱ、今日は、中止するしかないか。
えっ!?
私なら平気です
がんばります。足手まといにならないようにならないようにしますから
こないだの先輩のお話、あれ感動しちゃって
ちっちゃいときからなにをやってもどじでだめな私だけど。
魔法が上達すればみんなの役に立つことができるって
ドキドキしちゃったんですけど、

だからつまり、何言おうとしてるのか訳わかんなくなっちゃたんだけど。
だから、わたし立派な魔法使いになりたいんです。
高倉、先輩みたいに
そうかい
はい、お願いです
もちろんだ、沢野口君

僕たち魔法クラブは心は一つだ!
あ〜あ
さぁ〜行こう
行ってさ、なにするの?
いい質問だ。
七香ぁ〜、はぁ、やっぱり、七香はきっと来てくれるって、信じてた。
でもユニフォーム着るの忘れてるよ。
沙絵、昨日の夜話し合ったよね。
え?
今日のは欠席するって決めたよね?
いいよ七香、もう何も言わなくても。
二人とも欠席するって決めたよね!
そうだっけ
そう、ま〜た、人の話ちゃんと聞いてない。
昔っからそうだけど、ぼけ〜っとしてるんだから
ぼけ〜!?
高倉先輩、
はいっっ
まだちゃんと飛べてもない私たちが、宇宙から来た?そんな訳わかんないのと戦うなんて絶対無理ですっ!
はい、それはそう。
沙絵は連れて帰ります。
待って、七香!
えっ?
ごめん、七香、私やっぱり行くべきだと思うの。
こらっ!
中富君の言うことも一理あるぞ
もう決めたの!
ああ、そう。聖マーガレット幼稚園桃組から十三年続いた友情も今日までね。
七香、私、七香と友達でいられて幸せだった。
ちょっと、ちょっと、冗談通じないんだからなぁ〜、もぅ、沙絵。
イザディ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン
あっあっ、ああっ
沙絵〜
集中だ沢野口君
はいっ
あ、飛んでる!
先輩、さぁ、行きましょう。
あっ、あっ、ちょちょちょっ〜
行こうか
了解
やっぱ混むよな。
はぁ〜、ん?あ〜、ほんとに飛んでく、マジだったんだ。
あ〜、なんだかんだ言いながらこんなもの持ってきてる私って
結局、沙絵のペースにはまってるんだよな〜。
高倉先輩、ほうきの予備貸してね
えっと〜、なんだっけ? イ〜、イザディ〜?

もう痛くなってきた、お尻
あ、あれ?うわぁうわぁ〜、うわぁ〜うわぁっ〜。
集中、集中、集中、集中
はいっ集中ぅ〜
大丈夫?
はいっ
お口、あ〜んして、
うっ。
弁当はあとだ!
そぉ?、じゃ、そうする
集中、集中、集中。

アイキャッチ

ねえ、あれじゃない?
う〜ん、
テ、テレビで見るよりでかいな
あれをやっつけにいくんですね、あれっ、あれ、これなんかとまん無いんですけど
ちょっ、なっ、ほうきが言っちゃう〜
止まっている状態を思い浮かべて。
んんんんんんん〜
自分の魔法をコントロールできるのは自分だけだってことを忘れないで。
はいっ
足手まとい
う゛っ!
きゃぁぁぁぁぁ〜
えっ?
七香ぁ〜、やっぱり来てくれると信じて・・・
どこ行くのぉ〜?
知らないよぉぉぉぉ〜
い〜〜〜っいくぞぉ〜、油壺!
了解!
ふんっ、う〜ん
興奮しないで!
ああっ、興奮なんてしてない、ああっ、してないですぅ〜
ああぁぁぁっ
七香よ、止まれ!
ひゃぁぁぁ〜
落ち着いて、止まれと念じるんだ。
とまれ、とまれ、おちついてっ、とまれっ
仕方ない、飛び降りるんだ!
えっ?
早くぅ〜。
はいっ〜。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜
ううっ、
あぁ〜
ひゃっ、あっ
あっ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜。

うん、あ、よかったね
あ、ありがとうございます先輩。
七香ぁ〜、よかった、よかったね。
んしょ。
どうなるかと思ったよ、もぅ〜
お尻痛いんだよね?
んん〜、平気です。はははは・・・・
なんだ?
おおぃ、うそっ〜!?
なに!?
先輩!
下手に動くとまずい、じっとしていよう。
はいっ。
う〜ん
なにっ?
目じゃないよな?
目?
ハゥ〜ワイ〜ユゥ〜?
じっとしなきゃ、じっとしなきゃ、でもお尻がっ。うっ、
どこみてるのHぃ〜
お尻ばっかりみないでぇ〜
さわったらひどいからねぇ〜
じっとしてないからだよ
うっ
いやぁ〜、スカートめくらないでぇ〜
スカートっ!
げっ、こらっ、変態かっ!
はぁ、そんなとこ
そんなとこ
ほうきにお座布団巻いてくるんだった。
きゃ、くっ、はっ、ひゃぁぁ〜、う〜ん
集中、集中
いい加減にしなさいよこのスケベッ、変態っ!
このままだともしかして僕たちは身体検査されてしまうのでは?
沢野口君と中富君が奴らに身体検査され、あられもない姿になったりしてぇ、
それを僕が見事に撃退してぇ〜、二人から尊敬されたりしてぇ〜
それでも、優雅に戦いを挑むが、僕はあられもない姿にされてぇ〜
それでも奴らを撃退するんだぁ。
あられもない格好のまま傷つき、死にかかった時
あられもない格好の二人が告白したりしてぇ〜
それでもあられもない格好でコテンパにやられた僕は
あられもない格好の二人に軽蔑されたりしてぇ〜?
いや、まてよ、あられもない格好の沢野口と中富君が、さらにあられもない格好になってて
あられもない格好の僕にさらにあられもないことをしたりして・・・
はあぁっ、もう限界〜
えっ、だめっ、あ、これもだめぇ〜、やめてぇ〜
えっえっ、だめぇ〜、えっ、えっ〜〜〜〜
何これすごそう。
ま、まさか、僕たちのレベルじゃ、カードもなしでこんな魔法は!
はっ、とっ、
はっ、ジェフ君
逃げろ〜。
了解〜
沢野口君、もう一度さっきのやれる?
なに?私またなんかやったの?
もう、やめましょうよ。
国連監視団に見つかると面倒っすよ〜
写真家は黙って言われた写真とってればいいの
鈴木摩耶ちゃんのヌードとってるって言うのに〜
もういいから自分で飛んで〜
大丈夫〜?
はい〜っ。
変換魔法カード、セットオン
エー・エクス・アルペー・ベー・イー・トー・エム

飛行魔法使用中はしょうがないよ、君の煩悩のせいじゃないさ。
そうだよなぁ
武男君
はぁ〜っ、落ちてるぅ〜
はぁぁ、ありがとう。
先輩、沙絵がっ!
沙絵に何かあったら先輩の責任ですからね
わかってる、あのロボットをほうきに変えれば
武男君、君の体温を感じる
やっぱり私って足手まといだ。
エー・エクス・アルペー・ベー・イー・トー・エム
とぁ〜っす!
えっ?
飛ぶんだ、沢野口君!
はいっ。
イザディ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン
沢野口く〜ん!
しまった、
どうしたっ?
バランスがとりづらい
しっかりしろ〜、油壺。
飛べない・・・うっ
さ・わ・の・ぐ・ち・く〜ん

沢野口君を飛ばすからっ!

イザディ・アバ・メヒナム、いやぁっ、エト・カフェ・ナン

海に落ちましたよっ!
正体はわかったか?
頭のとがった宇宙人か、魔法使いです。
あほっ!そんなのいるわけないだろっ!
いやっ、きっ
うわぁっ、

ぶはぁ〜
はぁ〜
あ?沢野口君は?
あたっ、いつっ

いやぁ、誰?
あの、ごめんなさい、名乗っちゃいけないことになってるんですけど・・・。
しかし、じゃあ、なぜ空から降ってきた?
魔法が、使えなくなっちゃっ・・・
帰ろう。
はい。
何だったんだ、あれ。
さぁね?
七香、私。
なに?
ううん、なんでもない。
全員無事でよかったよかった。
こうして北野橋高校魔法クラブの初めての戦いは終わったのでした。

エンディング