E351系
E351系 11M 特急「スーパーあずさ」11号
中央線 阿佐ヶ谷 2006年8月14日撮影
 1993年(平成5年)に中央本線の特急「あずさ」をスピードアップさせるために登場した特急形車両です。
 この車両は「制御付き自然振り子」システムを導入し、中央本線の曲線通過速度を向上させ到達時間を短縮させることに成功しました。JR東日本では振り子装置を初めて採用した車両になりました。
 1995年(平成7年)には車体構造、主回路、空調装置等に改良を加えた2次車が登場しました。その後、1次車は発電ブレーキシステム搭載等の改良を加え、1000番代に変更されました。
 車体は振り子動作をしたときでも車両限界に支障しないように、上下に向かって絞り込みが大きくなっています。また、振り子動作を円滑化させるために車体の低重心化を図っております。
 主回路システムはVVVFインバータ制御で、1個のインバータ装置で4個のモータを制御します。また、定速制御付きです。主電動機は新設計のMT69形で、運転最高速度は130km/hとなっています。ブレーキシステムは発電・回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで回生ブレーキを主体に使用しますが、他列車の負荷がない場合に不足するブレーキ力を発電ブレーキで負担する装置を搭載してます。その他、抑速ブレーキ、直通予備ブレーキ、耐雪ブレーキを設け、滑走再粘着制御付きをした。台車は制御付き振り子機能を持ったボルスタレス構造のDT62、TR247であり振り子作用は通常の台車枠は側寄りにコロを設け、この上に振り子梁を載せて、両者を結合した制御シリンダで振り子梁に変化を与えることにより、傾斜制御を行っております。基礎ブレーキは台車枠内の取り付けスペースがないのとブレーキ性能を維持するために、ディスクブレーキを採用しています。振り子動作時の車体傾斜でパンタグラフの摺板と架線の変位拡大を防ぐため、台車枠と直結したT形パンタグラフ支持架台の上に搭載して、車体傾斜の影響を受けない構造としています。このため、パンタグラフ装備車には支持架台を貫通させるための穴が空いています。パンタグラフは大幅に軽量化を図った電磁鍵外し式のPS31形シングルアームパンタグラフが採用されています。補助電源装置は190kVAの静止形インバータを採用し、12両編成あたり3台搭載しています。電動空気圧縮機は振り子制御で空気圧を使用するため高稼働率で使用可能なスクリュー式コンプレッサーC1600形を12両編成で5台装備しています。冷房装置は低重心化を図るために室内装置を屋根上に、室外装置を床下にしたセパレーター形としました。
 制御付き振り子装置は走行中の車両がATS地上子の検知から現在位置を認識し、予め記憶された線路データと走行速度より曲線における車体傾斜のタイミングと車体傾斜角度を演算により割り出し、各車両に伝達します。
 分割併合時の時間短縮を図るため、自動幌装置を備えています。マスコンはワンハンドルタイプを採用し、モニターは2画面とし運転、車両双方の情報を把握できるようにしてあります。
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