721系
721系0番台(F-1編成) 2770M 普通列車
千歳線 長都 2007年8月31日撮影

721系
721系3000番台(F-3103編成) 3922M 快速「エアポート」130号
千歳線 長都 2007年8月31日撮影

721系4000番台(F-4104) 3898M 快速「エアポート」124号
千歳線 長都 2007年8月31日撮影

1.登場背景
 1988年(昭和63年)に札幌圏の通勤通学輸送改善と新千歳空港アクセスを目的に、JR北海道が開発した交流近郊電車です。

2.車体構造
 車体は20m軽量ステンレス製でコーポレートカラーのグリーンのラインを巻いております。また、ラッシュ時対策で側扉は片開き式扉が3カ所設けられました。サハ721には車掌室が設置されています。また、5次車からは踏切事故対策として先頭部の強化を施しています。
 中間車のみ製造された8次車は戸袋窓と非常窓が廃止され、従来車と窓配置が異なっています。側面窓は製造時よりポリカーボネート製となりました。

3.室内設備
・0番台
 室内は出入り口付近に防寒のためデッキが設けられています。座席は2人掛け転換クロスシートとなっていますが、出入り口付近は乗降をスムーズにするため1人掛けとなっています。
・1000番台  車椅子スペースの設置、Tc2には車椅子スペースと非常用押しボタンが設けられています。さらに各出入り口には戸開予告表示器、客室には次駅予告表示器の準備工事が行われています。
・8次車(4000・5000番台)
 室内のデッキ扉が廃止(モハ721-5001は除く)され、大型の裾仕切りが設けられました。扉に隣接した座席はロングシートに変更されました。サハ721形に車椅子対応のトイレが設けられてます。
 uシート車のデッキ扉は片開き式自動扉となりました。

4.機器類  運転台にはJR初のワンハンドルマスコンが採用されています。
・0番台
 5次車まではサイリスタ連続位相制御で直流モータを制御します。台車は軽量ボルスタレス台車で、円錐積層ゴムの軸バネを採用しています。
 15編成以降と5次車全てが130km/h化改造を受け、3000番台へ変更されました。
・1000番台
 制御装置にVVVFインバータを採用、台車の軸箱支持装置の変更による乗り心地の改善等が行われました。走行時の架線の状態、及びパンタグラフの接触状態を監視できるように屋根上に、ビデオカメラの取り付け台と配線止めが施工されています。最終増備車の1009編成は制御装置がIGBT-VVVFインバーター制御となり、抑速ブレーキを発電ブレーキから回生ブレーキへと変更したため屋根上の抵抗器が無くなりました。
 1001〜1008編成は下記に記載する8次車を組み込み6両固定編成となり、4000番台(ブレーキ遅れ込め制御無し)と5000番台(ブレーキ遅れ込め制御有り)に変更されました。
・8次車(4000・5000番台)
 制御装置がIGBT-VVVFインバーターに変更され、230kWの主電動機(N-MT731形)を制御します。電力回生ブレーキが採用されたため、発電ブレーキ用の屋根上の抵抗器は設けられてません。パンタグラフは登場時からシングルアーム式パンタグラフが採用されました。

5.主な履歴
 1992年(平成4年)7月の新千歳空港開業に伴う千歳線延伸と空港アクセス列車用に6両固定編成が登場しました。新たにサハ721とモハ720が登場しまし、番台が100、200番台になりましたが、6連化された従来のF-22編成は番代分けされておりません。
 1993年(平成5年)12月に省エネルギー、検修の省力化、身障者対策等のニーズに応えた車両として1000番台が導入されました。
 2000年(平成12年)にサハ721形及びクハ721形の一部を半室のみ座席間隔を広げ、リクライニングシートに変更した指定席(uシート)が設けられました。
 2002年(平成14年)に130km/h対応工事が行われ、ブレーキ装置強化、前照灯のHID化、側窓のポリカーボネート化等が行われました。
 2003年(平成15年)に8次車が製造され、全体的な編成の見直しが行われました。

6.編成
 2002年(平成14年)130km/h対応以前の編成構成。
・0番台
←小樽
 クモハ721(Mc)+モハ721(M’)+クハ721(Tc)
 クモハ721(Mc)+モハ721(M’)+サハ721(T)+モハ720(M)+モハ721(M’)+クハ721(Tc)
 クモハ721-200(Mc)+モハ721-200(M’)+サハ721-200(T)+モハ720-100(M)+モハ721-100(M’)+クハ721-100(Tc)

・1000番台
クハ721-2000(Tc2)+モハ721-1000(M’)+クハ721-1000(Tc1)


 2002年(平成14年)130km/h対応以降の編成構成。
・0番台
←小樽
 クモハ721(Mc)+モハ721(M’)+クハ721(Tc)

・1000番台
クハ721-2000(Tc2)+モハ721-1000(M’)+クハ721-1000(Tc1)

・3000番台
 クモハ721-3000(Mc)+モハ721-3000(M’)+クハ721-3000(Tc)
 クモハ721-3000(Mc)+モハ721-3000(M’)+サハ721-3000(T)+モハ720-3000(M)+モハ721-3000(M’)+クハ721-3000(Tc)
 クモハ721-3200(Mc)+モハ721-3200(M’)+サハ721-3200(T)+モハ720-3100(M)+モハ721-3100(M’)+クハ721-3100(Tc)

・4000番台
クハ721-4200(Tc2)+モハ721-4200(M’)+サハ721-4200(T1)+サハ721-4100(T2)+モハ721-4100(M’)+クハ721-4100(Tc1)

・5000番台
クハ721-5000(Tc2)+モハ721-5000(M’)+クハ721-5000(Tc1)
クハ721-5200(Tc2)+モハ721-5200(M’)+サハ721-5200(T1)+サハ721-5100(T2)+モハ721-5100(M’)+クハ721-5100(Tc1)

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