183系
183系 35D 特急「とかち」5号
千歳線 長都 2007年8月31日撮影

183系
183系 5014D 特急「北斗」14号
千歳線 長都 2007年8月31日撮影

1.登場背景
 1979年(昭和54年)従来から道内で使用されてきたキハ80系を置き換えるため製作された特急形気動車です。当初はキハ183、キハ184、キハ182、キロ182の4形式が用意されました。

2.車体構造
・0番台
 耐寒耐雪構造の鋼製車体で、先頭部はスラント形の非貫通式(後に貫通型も登場)となってます。
・500番台
 先頭車は貫通構造とし、増結しやすくしてます。灯火類は先頭上部左右にヘッドライトとテールランプが一体型となって保護ガラスの中に納められてます。また、先頭部の中腹部に角形ヘッドライトが配置されてます。側窓は天地方向に80mm拡大され、連続窓風になってます。
 グリーン車は天井高さを上げ寝台車並みの断面形状となり、床面をかさ上げしハイデッカー構造となりました。側窓は上部を曲面とした大型ガラスが採用されてます。

3.車内設備
・0番台
 座席は2人掛けの回転リクライニングシートが採用され、普通車の座席間隔は940mm、グリーン車は1,160mmとなってます。トイレ、洗面所はキハ182形、キロ182形に設けられました。キハ183形には業務用室、キロ182形には車掌室が設置されてます。
・500番台
 客室とデッキを仕切る自動ドアは光電管式が採用され、段差が解消されました。

4.機器類
・0番台
 キハ183、キハ184形には出力220PS/1600rpmのエンジン(DMF15HSA)と液体変速機(DW10)と発電装置(DMF15HSA-G DM82(180kVA))が搭載され、動台車は一軸駆動のDT47Aと付随台車TR233Aが採用されました。
 キハ182、キロ182形には出力440PS/1600rpmのエンジン(DML30HSI)と液体変速機(DW9A)が搭載され、動台車は2軸駆動のDT48Aと付随台車TR233Aが採用されました。
・500番台
 キハ183-500番台、キハ182、キロ182には出力550PS/2,000rpmのエンジン(DML30HSJ)と液体変速機(DW12)を搭載し、台車はボルスタレスが採用され、動台車は2軸駆動のDT53、付随台車はTR239となってます。
 キハ183-1500番台には250ps/2,000rpmのエンジンと液体変速機(DW13)と発電装置(DMF13HS-G、DM82A(180kVA))を搭載し、動台車がDT54、付随台車はTR239が採用されました。
・550番台
 エンジンの過給器にインタークーラーを追加し出力を増大しました。また、変速機の減速比が変更されました。台車はヨーダンパと滑走検知装置が追加されました。
 キハ183-1550番台には出力330PS/2,000rpmのエンジン(DMF13HZ)と液体変速機(DW13A)と発電装置(DMF13HE-G、DM82A(180kVA))が搭載され、動台車はDT53、TR239となりました。
キハ182-550番台には出力660PS/2,000rpm)のエンジン(DML30HZ)と液体変速機(DW12A)が採用され、動台車はDT54、付随台車TR239が採用されました。

5.主な履歴
 1982年(昭和57年)に試作車の量産化改造を施工しました。
 1985年(昭和60年)に一部のキハ184形を先頭改造してキハ183形100番台となりました。同年、キハ184形900番台をグリーン車に改造しキロ184形900番台となりました。
 1985年(昭和60年)より900番台と0番台の速度向上を図るため、エンジン出力の向上(220PS→250PS、440PS→500PS)が図られました。
 1987年(昭和62年)よりキロ182形0番台及び900番台の内装をリニューアルし、座席を2+1配列変更、各席に液晶ディスプレイを設置しました。
 1991年(平成3年)に特急「スーパーとかち」として使用するため、指定席として使用する0番台の普通車の座席を785系と同等のバケットシートに交換されました。同時に外部塗装を変更し、キサロハ182形を組み込みました。
 1992年(平成4年)に特急「オホーツク」に使用している車両をリニューアル改造しました。主に座席モケットの交換が行われました。また、同年に夜行特急「オホーツク」9,10号に寝台車スハネフ14形を組み込むため、エンジンをDMF13HZC(420PS/2,000rpm)に、変速機はDW14Cに換装されました。
 1994年(平成6年)よりキロ182形500番台及びキハ182形550番台、キハ183形1550番台の一部を最高速度130km/hに引き上げる改造が行われました。改造内容は主にブレーキてこ比変更、ブレーキシリンダの大型化と圧力の増強、滑走検知装置を各軸へ増設、キロ182形500番台はエンジンにインタークーラーを増設しDML30HZ(660PS/2,000rpm)に変更され、台車にヨーダンパが追加された。番号はキハ182形550番台、キハ183形1550番台は元の番号に3000をプラスし、キロ182形500番台は元の番号に2050がプラスされました。また、キハ183形の一部にブレーキシリンダ圧力切替弁を設け、120km/h対応車と130km/h対応車の混結を可能にしました。

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