85系
85系 2023D 特急「ひだ」3号 
東海道本線 高槻〜山崎 2007年08月13日撮影

85系 2023D 特急「ワイドビューひだ」3号
東海道本線 高槻〜山崎 2008年1月14日撮影

1.概要
 1989年(平成元年)にキハ80系を置き換える目的で製造された特急用気動車です。
 主に、特急「ひだ」、「南紀」に使用されてます。
 キハ85形(非貫通先頭普通車)、キロ85形(非貫通先頭グリーン車)、キハ85形100番台(ひだ用貫通先頭普通車)、キハ85形200番台(南紀用貫通先頭普通車)、キハ84形(ひだ用中間普通車)、キハ84形200番台(南紀用中間普通車)、キハ84形300形(南紀用中間普通車)、キロハ84形(ひだ用中間普通・グリーン合造車)が用意されましたが、改造等により新たな番台や、転用などが行われました。

2.車体構造
 車体は軽量ステンレス車体で、片側に片開き式扉(750mm但し、キハ84形200番台は車椅子対応で1,000mm)が1箇所設けられてます。先頭部は普通鋼とし、腐食防止のため白色塗装が行われてます。
 非貫通の先頭車は天窓が設けられ、全面展望性が確保されてます。

3.車内設備
 座席はバケットタイプのフリーストップ式転換リクライニングシートで、普通車にもフットレストが設けられてます。普通車のシートピッチは1,000mmで4列、グリーン車のシートピッチは1,160mmで4列(キロハ84形)と1,250mmで3列(キロ85形)の3種類あります。側面展望性を保つため、シートが設置されてる位置はフロアレベルから200mm上がった位置となってます。
 各車両の妻面上部に室内案内表示器が設置されてます。
 便所は洋式・和式両方が用意され、キロ85形に洋式と男子用小便器、キハ85形200番台に和式と男子用小便器、キロハ84形に洋式便所が設けられてます。

4.機器類
 ディーゼルエンジンはカミンズ社製(アメリカ)の直列6気筒・排気量14L・直噴ターボディーゼルエンジンC-DMF14HZ形(NTA855-R1:350ps/2000rpm=カミンズ・イギリス工場製)が採用されました。エンジンは1両当たり2基搭載され、液体変速機は自動化された多段式液体変速機C-DW14A(新潟コンバータ製)が採用されました。
 ブレーキ装置は気動車としては初めて電気指令式空気ブレーキが採用されました。
 台車はヨーダンパ付ボルスタレス台車(C-DT57形)が採用されました。
 冷房装置は駆動機関直結式が採用されました。

5.主な履歴
 1989年(平成元年)2月18日に特急「ひだ」で運用開始。
 1989年(平成元年)に通商産業省のグッドデザイン商品(現・日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞)に選定。
 1990年(平成2年)3月10日ダイヤ改正で全ての定期特急「ひだ」で運用開始。
 1991年(平成3年)3月16日ダイヤ改正で名古屋鉄道のキハ8500系が特急「北アルプス」として季節運転の特急「ひだ」と併結運転開始。
 1992年(平成4年)から特急「南紀」でも運用開始。
 1999年(平成11年)から名古屋鉄道のキハ8500系による特急「北アルプス」と定期特急「ひだ」の併結運転開始。
 2001年(平成13年)9月30日に特急「北アルプス」乗り入れ廃止に伴い、名古屋鉄道キハ8500系との併結運転解消。
 2001年(平成13年)にキロ85形が「南紀」から「ひだ」へ転用。
 2003年(平成15年)に一部のキハ85形100番台が車椅子対応に改造され、シート設置位置がフロアレベルになり番台が元番+1000に変更されました。

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