小田急60000形(MSE)
60000形 0423列車 特急「メトロはこね」23号
小田原線 喜多見 2008年4月29日撮影

60000形 0423列車 特急「メトロはこね」23号
小田原線 喜多見 2008年4月29日撮影

1.登場背景
 2007年(平成19年)に登場した特急車両です。地下鉄千代田線に乗り入れするための設備を備えてます。メトロに乗り入れるという意味で、MSEという愛称がつけられました。
 分割併合を考慮して、6両編成と4両編成が製造されました。
 形式は先頭車がクハ60050形、中間車がデハ60000形の2形式が用意されました。
 機器類は4000形に準じた機器が多く採用されてます。

2.車体構造
 車体はアルミニウム押出型材を用いたダブルスキン構造が採用されました。
 先頭車は地下鉄乗り入れを考慮して、非常用貫通扉が設けられてます。10両編成の先頭になる車両は非常用貫通扉が左側にオフセットされた片開き式のプラグドアで、10両編成の中間になる先頭車の貫通扉は左右対称で両開き式プラグドアとなってます。
 10両編成路の先頭車の全長は20,220mm、その他の全長は20,000mmとなってます。
 車体幅は地下鉄乗り入れを考慮して2,850mmとなってます。
 側面乗降客用扉は各車両とも片側1カ所で、片開き式の引き戸となってます。

3.車内設備
 座席は回転式リクライニングシートで、シートピッチは983mmとなってます。折り返し時に座席を一斉に転換できるように電動式の一斉転換機構が採用されました。
 天井高さは2,340mmで、間接照明が採用されました。
 3号車と9号車にカフェカウンターと清涼飲料水の自動販売機が設けられてます。また、カフェカンター付近には自動体外除細動器(AED)が設けられてます。
 2,5,8号車車端部に男女共用様式トイレ、男性用小便器、洗面所が設けられてます。5号車と8号車の男女共用洋式トイレは車いす対応のトイレとなってます。

4.機器類
 制御装置は2レベルのIGBT-VVVFインバーター制御(SVF-089A0(6両)、SVF-089B0(4両):東芝製)が採用され、1ユニットで8台の主電動機を制御します。制御方式はセンサレスベクトル制御で、純電気ブレーキ制御を備えてます。
 主電動機は出力190kWの外扇式全密閉かご形三相誘導電動機(MB-5123-A2:三菱電機製)が採用され、駆動装置にはWNドライブが採用されました。
 制動装置は回生ブレーキ併用全電気式電磁直通ブレーキが採用されました。制御装置には滑走制御装置が搭載されたほか、編成全体で滑走を抑制する編成滑走制御が採用されました。基礎ブレーキは電動車が片押し式のユニットブレーキ、付随車がディスクブレーキが採用されました。
 台車は日本車輌製の積層ゴム軸箱支持式ボルスタレス台車で、電動車がND-739,付随先頭台車がND-739TA、付随中間台車がND-739Tとなってます。
 集電装置はシングルアーム式のPT7113-B形が採用されました。

5.主な履歴
 2008年(平成20年)3月15日より営業運転開始。6両編成×2本、4両編成×1本。
 2009年(平成21年)にブルーリボン賞受賞。
 2009年(平成21年)に6両編成1本増備。
 2011年(平成23年)に6両編成1本、4両編成1本増備。
 2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正よりJR東海御殿場線の御殿場まで直通する「あさぎり」の全列車に充当。

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