陽は断崖の上に昇り
憂いは陸橋の下を低く歩めり
無限に遠き空の彼方
続ける鉄路の柵の筵に
ひとつの淋しき影はただ
嗚呼、汝漂泊者
過去より来たりて未来を啜り
久遠の郷愁を追いゆく者
如何なればそうじとして
時計の如くに憂い歩むぞ
石持て蛇を殺す如く
ひとつの輪廻を断絶して
意志無き寂寥をふみきれかし
嗚呼、悪魔よりも孤独にして
汝は氷霜の冬に耐えたるかな
かつて何者をも信ずることなく
汝の信ずるところに憤怒を知れり
かつて欲情の否定を知らず
汝の欲情するものを弾劾せり
如何なればまた憂い疲れて
優しく抱かれキスする者の家に帰らん
かつて何者をも汝は愛せず
何者もまたかつて汝を愛せざるべし
嗚呼、汝寂寥の人
哀しき落日の坂を昇りて
意志無き断崖を彷徨い行けど
何処に家郷は在らざるべし
汝の家郷は在らざるべし




INTRODUCTION


1959年に仲代達矢主演で映画化された大藪春彦原作の小説の再映画化。戦場を渡り歩いたカメラマンが犯罪に挑む。優作は原作や前作のマッチョな主人公のイメージとはまるで逆のキャラクターを設定し演じきった。体重を10kg減量、62kgに落とし、上下4本の奥歯を抜き、頬のそげ落ちた顔にした。185cmある身長を嫌い、足を切って10cm低くしたいと本気で考えていたという逸話も残っている。優作の役は戦場帰りのカメラマンで殺人狂の男<伊達邦彦>。オープニングは伊達の警部補殺害シーン。このとき奪った拳銃を持ち秘密賭博場へ・・・そこでさらに3名殺害、現金強奪・・・後に事件の鍵を握る女性との出会い・・・銀行強盗のシナリオを作り予行演習・・・大学の同窓会の開かれた店でボーイをやっていた男<真田>に銀行強盗の相棒として興味を持つ伊達・・・ここからこの物語は始まる・・・・・


     女に情をうつすほど間抜けに見えませんけど・・・
      


リップ・バン・ウインクルの話


彼がね、山へ狩りに行ったんですよ。山へ狩りに・・・
そこでね、こびとに遭ったんです・・・
何ていう名前のこびとだったか忘れましたけどね
ずいぶん昔の話だから・・・
とにかくそのこびとに遭ってウインクルはお酒をご馳走になったんですよ
そのお酒があまりにも美味しくて
どんどん酔ってしまったんです・・・
そして夢を見たんです・・・
眠りに堕ちて・・・夢を見たんです・・・
その夢はね、どんな狩りでも許されるという素晴らしい夢だったんです・・・
ところがその夢がクライマックスに達した頃
惜しいことに目が覚めてしまったんですよ・・・
辺りを見回すとこびとはもう居なかった・・・
森の様子も少し変わってた・・・
ウインクルは慌てて妻に会うために村へ戻ったんです・・・
ところが妻はとっくの昔に死んでたんですよ・・・
村の様子も全然変わってましてね・・・
つまり・・・ウインクルが一眠りしてる間に何十年もの歳月が経っていたんです・・・
リップ・バン・ウインクル・・・こびとに何ていう名前の酒をもらったんだ?
できれば俺も飲んでみたいなぁ・・・
覚えてます・・・
ラム、クアントロ、それにレモンジュースを少々・・・
シェイクするんです・・・わかりますか?
X・・・Y・・・Z・・・
そう・・・『これで終わり』って酒だ!


     あのぉ、
     サイレンサー使用時の発射音と貫通能力を試したいんですけど・・・
      


出演者


松田優作

小林麻美

根岸季衣 風間杜夫 岩城滉一

林ゆたか 阿藤海 山西道広 トビー門口 江角英 安岡力也

岡本麗 五月まりや 明日香和泉 船場牡丹 吉岡ひとみ

清水宏 友金敏雄 草薙良一 鶴岡修 清水国雄 加藤大樹

関川慎二 相馬剛三 畑中猛重 吉宮慎一 谷本一 永田伸介

雪江由紀 平野真理 古川みよ子 渡辺紀子 石田久美子 松香ふたみ

浜口竜哉 二家本辰巳 小見山玉樹 伊豆見英輔 玉井謙介 島村謙次

泉谷しげる 前野曜子 草薙幸二郎

青木義朗 佐藤慶

室田日出男

鹿賀丈史


     寝る前におはなし一つしてあげます・・・
      


野獣死すべし


     1980年
     監督/村川透
     脚本/丸山昇一
     原作/大藪春彦
     撮影/仙元誠三
     音楽/たかしまあきひこ
     出演/松田優作、小林麻美、室田日出男
          鹿賀丈史、根岸季衣
     制作/角川春樹事務所


     モウ・ヒトリ・ホシイ・・・
      



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