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99年8月1日(日曜日) −富士山登頂記−


修です。

99年8月1日(sun) 小2の朗大、私(30歳+α)、私の妹家族の本田家3人(長男開道くんは小2)で、富士山登頂に成功しました。一生の思い出に残る苦しく楽しい夏休みの記録です。
なお、洋子と遥・暢春は、河口湖畔でお留守番。NHKの朝の連ドラ「天うらら」に登場した 与(あたえ)勇輝の人形館や河口湖美術館に行ったり、湖畔を散歩したりと3人で待っていました。

今回の登山の行程記録(データ編)はこちらです。
また、写真集の目次はこちらです。
持ち物や留意点などは、こちらです。


登頂記

五合目駐車場
当初、河口湖の民宿富士桜を5:00に出る予定でしたが、富士桜のおばさんから、小学生を連れての登山ならもっと早く出る方がいいとアドバイスを頂き、早朝4:00起床。近くのセブン−イレブンでおにぎりを買い、いざ富士スバルラインへ。ところが、富士登山にはベストシーズン。五合目駐車場は一杯で、少し下に止めざるを得ませんでした。
その五合目下を朝日を浴びてスタートしたのが 5:25。五合目のお土産屋で「金剛杖」を買ってスタートしたのは、5:55になっていました。
金剛杖
富士山には杖がつきものです。これは金剛杖と呼ばれているようです。六角形で長さが1.5bくらいの棒なのですが、山小屋ごとに焼き印を持っており、200円でこの杖に ジューッと焼き印を押してくれます。よって、沢山押してある人をみると、「おっ、すげーっ」という気になります。
なお、杖の先は、使うにつれてだんだん丸くなってきます。それも楽しみの一つです。
この金剛杖をみな手にしていざスタートです。なお、私(修)は以前二度登ったことがあったので、その時利用した金剛杖を押し入れの奥から探して持ってきました。
馬と一緒に
五合目から六合目にかけては、別に山道でもない普通の道です。右手には富士山の上の方が見え、左手には河口湖が見えます。七合目の途中までは馬も歩いており、お金を出せば(結構高い)乗せてもらうことができます。
ちょっとしたハイキング気分。みな張り切って進みました。六合目での開道くんと朗大です。
くの字の六〜七合目
六合目の山小屋で最初の焼き印を押し、山道に入ります。この辺りは、朗大らと「くの字」と名付けた坂道。30〜40bごとに「くの字」に曲がる坂道が延々と続きます。朗大は、身体が軽いのか、さっさか登っていき、私らは付いていくことができませんでした。
だらだら続くので、だんだん疲れてきます。みな 直線を2本行くと少し休む、というようなペースで進んでいました。

六合目までは、ちょっと散歩、という感じの方も多いのですが、六合目を過ぎると少し登山らしくなります。なおこの日は外人さんが多く、インド系の若いグループやアメリカ人のカップル、欧州系と思われる初老の紳士などが登っていました。全体の2割くらいは外人さんかと思うくらいです。

七合目からは岩場。先へ先への子供達
七合目から八合目は山小屋が続きます。ご来光を拝むには丁度いい場所なのでしょう。私たちが通りかかった 8:00過ぎは、どこも丁度布団を干しているところでした。その山小屋を縫うように岩場が続きます。子供達は手を使ってよじのぼるような岩場ですが、アスレチック気分なのか、小2コンビはさっさと登っていきました。
実は、この七合目から八合目の所要時間は、大人の標準所要時間より短く上がっています。楽しい登山のひとときでした。
雲海や遠くに見える八ヶ岳もとても綺麗でした。
少しずつ疲れが・・・
八合目を過ぎると高度は3000b。空気が薄くなる影響もあるのでしょう。疲れやすくなります。道は少し急な「くの字」になってきます。大学生くらいの若者達も 曲がり角で休憩しています。朗大と私はいつも 右カーブになるところの角で休むようにしていたのですが、ペースが同じ若者達やおばさんと休憩の度に少し話したりもしました。
この辺りからは、小さい子は殆ど登っておらず、たまに小学校高学年の子供が家族連れで登っているくらい。小2の朗大や開道くんは、周りから「どこまで行けるのやら」と注目されていたようです。「こんな小さい時から登ってたら肺活量多くなるだろうな」という学生の声も耳に入りました。
本八合目からは強風
本八合目を過ぎたとたん、強風が吹くようになりました。丁度尾根に出た形なのかもしれません。「くの字」の右カーブの際に左側の壁にぴたっと身体を寄せると風を避けられるのですが、それ以外の時は冷たい突風にさらされてしまいます。元気だった朗大も、「寒い」と言い出し、長袖シャツ、レインコートまで着せました。しかし、空気が薄いこともあってか、疲れ易くなりました。
ただし、「しんどいのだったら、頂上は諦めて下ろうか」という誘いに対しては断固「絶対に頂上まで登る」と固い決意を示しました。
九合目は山小屋が有りません。鳥居があるだけです。既に12:45でおなかも空いていたので、鳥居の横の壁際に座って風をよけ、持っていたおにぎりを一つずつ食べました。
やった! 頂上! でもへとへとになった子供達
疲れ果ててはいましたが、頂上が見えると朗大は俄然元気になり、足を早めました。13:45にやっとの思いで頂上到達。温度は8度ということですが、風が強く、外でゆっくり記念撮影という雰囲気ではありませんでした。頂上からの景色は、こんな感じです。雲がないと太平洋が見えます。
数分遅れで開道くんも到着。協子ママと抱き合っていました。
子供達は自分へのお土産に、とバッチに 今日の日付を刻印してもらい、みんなでうどんを食べました。

うどんを食べて少し身体があったかくなると、子供達は眠くなってきました。特に朗大は「ここで昼寝をする」と少し横になりました。山小屋の人の話では、「酸欠ぎみなのだろう、七合目まで下りれば治るだろう」とのこと。折角登った頂上をあまり楽しむこともなく、休憩後下山することに。
但し、子供達は、「頂上に来る」ことが目的で、これから下ることについては考えていなかった模様。膝が痛くて歩きたくないだの、眠いだの、泣き言を言いながらのスタートとなりました。

なお、お鉢めぐりは、約1時間とのこと。私も一度は行ってみたいと思っていたのですが、冷たい強風が吹き荒れており、とても行けるという雰囲気ではありませんでした。子供が休憩している間に、大人だけかわるがわるお鉢を覗いたに留めました。

下りは走るつもりが
富士山の下り道は登りと違って砂まじりの道を大股で走って降りるような感じです。ザクッザクッツと大男になった気分で歩くことができます。苦しい登りの間中、私はこれを楽しみにしていたのですが、朗大たちは、スピードが出るのが怖くてなかなか進みません。子供達は二人とも膝にも結構疲れが溜まってきているようでした。これには閉口しました。下山を始めたのが 15:00前ですので、あまりゆっくり歩くと暗くなってしまいます。下山道はこのような感じです。
日がどんどん西に
休憩しながら進みましたが、陽はどんどん山稜に近づいていきます。このままでは明るいウチに付かないのでは、と危惧して、本気で子供達をオンブで下りることを考えました。しかし、彼らは、「自分で歩く」と頑張りました。逆に「どれくらいのスピードならば間に合うのか」と心配して、進むようになりました。
七合目付近では雲も少しでましたが、幸いそれほど深くはなく、また雨が降ることもありませんでした。
迷子になった外人メイソンさん救出
下山道をだましだまし下りてきて、七合目と六合目の間まで来た所で、ひとつハプニングが起こりました。下山道の右の方の道の無いところをこちらに向かってくる外人さんを見つけたのです。180センチは超える大柄な男性でしたが、フラフラとしながら、当方に近づいて来ます。結局、こちらの道まで到達し、水を与えて話しを聞いたところ、彼は、横須賀のネイビーさん。仲間と道にはぐれて須走口を下り始めたとか。途中で気付き、やむなく、道なき斜面を横切ってこちらに来たとか。
子供達も私たちも疲れ果てていましたが、秀逸さんは彼に肩を貸しながら下りることになりました。私等は、他の下山者から携帯電話(Docomoは富士山で繋がります)を借りて、この外人さんの連絡先に連絡をとったりしました。結局六合目まで友人が向かえにきてくれて引渡したのですが、ちょっとしたハプニングでした。
しかし、この外人さんをみなで助けて進む間、子供達は泣き言を言わず、黙って付いてきたのは偉かったです。
胸を張る朗大
六合目からは、平坦な2〜3 kmの道のり。あと少しとは分かるのですが、朗大も本当に疲れてしまいました。靴を履きっぱなしですから足の指も痛いようです。ただし、ここで靴を脱いで、もしマメでも潰れていたら余計に弱気になるだろうと考えて、少し休んでは進むということを繰り返しました。洋子ママが「がんばれあきひろ」と縫い込んだタオルは最後の励みになりました。
この辺りまでくると大分暗くなってきました。下山している人はまばらです。逆にバスで到着し、七合目くらいの山荘まで登っていく、という団体さんが多く登ってくるようになりました。そういう団体さんは、恐らく金剛杖のことをバスガイドさんから聞いているのでしょう。朗大が沢山焼き印を押した杖を持っているのに気付くと「キミは頂上まで行ってきたのか」とか「何年生か」とか声をかけてきます。朗大もこれには嬉しかったようで、大きな声で「ウン」とか「2年生」とか答えます。団体のおじいさん達はみなで拍手をしてくれたりして、朗大も鼻高々でした。
そういうこともあって、疲れてはいましたが、団体さんが近づいてくると、胸を張って、最後の元気を振り絞っていました。ゴール間近の朗大

五合目に到着したのは、19:13。既に、真っ暗といってもいいくらい、暗くなっていました。登山口のゲートをくぐったところで 万歳、握手をして、この苦しく楽しい登山を称え会いました。

小2の偉業
大人の足で登り6時間+下り2時間。まぁかかっても 8時間+3時間だろうと昔の記憶をたよりに甘く考えていましたが、実際は、8時間20分+休憩1時間10分+下り4時間18分= 13時間48分という 長丁場でした。
開道くんも朗大も、自分の足で最後までよく頑張ったと思います。大人でもしんどいものを、7歳の二人が歯を食いしばって頑張りました。きっと、彼らの記憶の奥底に残る、いい思い出ができたと信じます。
山の面白さ・辛さというのは、上まで行ったら自分で下りて来なければどうにもならない、ということかもしれません。今回も頂上を極めた時点で、子供達にとっては体力的な限界だったように思います。しかし、電車も車もないところで、そのままではどうにもならない、と彼らにも分かります。そこからは精神力だけで頑張った4時間だったのでしょう。彼らがもう少し小さかったら、そういう論理的な考え方や或るいはここまでのプライドを持つことがなく、だだをこねるなり、おんぶを強要したり、となったのかもしれません。同じ学年の二人なので互いにプライドを保つことができたのも大きかったかもしれません。

なお、二人とも、自動車に乗ったとたん バタンキューでした。

翌日の記念撮影から、その1その2


その他

持ち物 (富士登山に有効と思われる持ち物)
  • 荷物は当然リュックへ。私が歩く際は、片手に金剛杖と500mlのペットボトル、片手は手ぶら、という状態でした。朗大は片手に金剛杖で片手は手ぶら、という状態ですが、七合目からの岩場登りでは、金剛杖が邪魔で、私に預けた状態になっていました。
  • お茶は500mlのペットボトルに持って行きましたが、これは大正解でした。持ち歩きながら少しずつ飲むことができます。朗大と私で計3本持っていきましたが、結局はあと2本買ってしまいましたので、2人で5本あってもよかったです。
  • コンビニのおにぎり。ひとつずつ食べられるのでやはり便利です。今回は五合目までのスバルラインを走る間に1〜2個ずつ食べ、リュックに1個ずつを入れて登りました。2個ずつあっても良かったかもしれません。なお、河口湖のセブン−イレブンは24時間オープンであることを前日に確認しておきました。早朝4時15分頃訪れた時は、おにぎりは山となっており、お客様も沢山でした。富士山登頂客というよりは、河口湖での朝釣り客などがターゲットなのでしょう。
  • レインコート。今回は雨は降りませんでしたが、寒さよけに大いに役立ちました。上だけでなく、ズボン型がいいでしょう。朗大には上下がありましたが、私のは上だけ。ズボンはバニューダでしたので、頂上ではサブイボができました。
  • シューズカバー。持っていきませんでしたが、朗大の分は協子さんに借りました。下りの砂道は砂利が靴に入りますので、シューズカバーは有効です。
  • Docomoの携帯電話。今回、私の携帯電話は持って行きませんでしたが、何等かの連絡をする際に、やはり有効です。今回は外人さんハプニングも有りましたが、下山時刻が遅くなりましたので、民宿富士桜に早く連絡せねば、とあせりました。
  • タオル。リュックを背負うと汗びっしょりになるので、背中に入れておくのがよいでしょう。私は入れてなかったのですが、リュックの中までびっしょりになるくらいでした。
  • 靴は、私は山歩き用のトラッキングシューズです。以前より歩きなれており、申し分ありませんでした。朗大は靴紐型の運動靴。これも慣らす為に1〜2ヶ月前から履かせていました。
  • 事前の訓練
  • 朗大とは、幾度か登山に行って、ある程度のスピードで登り降りできることを確認していました。主なところでは、96/9の金時山、97/2の大山、99/5の大山。これらは 1200b級ですが、往復で3〜4時間程度。それらに比べると、やはり富士山は大変でした。
  • 朗大としては、富士山に行くと学校の先生に云った際に、「頂上まで行けよ」と励まされたのが、精神的な支え(いい意味でのプレッシャー)となったようです。
  • かかったお金
  • 富士スバルラインの通行料は、往復で(確か)2,300円。・・・これは距離を考えるとリーズナブルだと思います。
  • 金剛杖は、1,000円くらいでした。・・・正確にはいくらだったか、もう忘れてしまいました。これは、金剛杖の先っちょの写真です。上は私ので3回使ったので、かなり丸くなっています。
  • 山小屋毎の焼き印。当然押しても押さなくてもいいのですが、朗大は、8割り方押してもらいました。ひとつ200円です。今地図を見てみますと、五合目から頂上まで15ヶ所の山小屋が有りますので、全て押すと3,000円になってしまいます。(ちょっと高いですね!)
    なお、頂上の焼き印は朱印なのですが、ここは300円しました。・・・この朱印は重要です!
  • 頂上のうどんは900円。ビールは600円、その他ジュースや水のペットボトルは500円でした。他の山小屋でも同程度だったと思います。
    なお、これらはどうやって上まで持ち上げると思います? 聞いたところ、ブルドーザが山まで上がって来るのだとか。そう言えば、前回登った際に、私らが下山に使った道をブルドーザが登っていくのを見た気もします。
  • テレビのニュースでもよく報道されていましたが、頂上のトイレは100円です。入り口にお兄さんが座っていました。途中の山小屋では、寄付を求めるような形で料金箱が置いてありました。みなさん100円を目安に入れていたようです。
  • その他注意すべき点、留意すべき点
  • お盆のシーズンは、富士スバルラインに普通車は入れないそうです(今回は1週間迄で大丈夫でしたが・・・)。日程をよく確かめて行く必要があります。
  • 山小屋で一泊するというのも一手です。やはり日帰りは、結構苦しいものがあります。但し、山小屋では雑魚寝になるので、子供が寝付けないと大変かな?と思い、私らは日帰りを選びました。
  • 富士山への登山は、毎年7月1日ころが解禁です。なお、7月末から8月頭が最も天気の安定している時期なのだとか。今回も風は吹きましたが雨に降られず助かりました。
  • 下山道は、富士吉田口(河口湖方面)と須走口方面が八合目で分岐します。色々なところで、「間違いやすいので留意せよ!」と看板があるのですが、注意していた私らでも一瞬迷いそうになりました。下山道で八合目に「須走口江戸屋」という山小屋があり、そのあと階段を下りてまっすぐ行くと二度ほど右に折れる道が有るのですが、いずれもそれを右に折れると須走口です。河口湖方面はそこをまっすぐ行かねばなりません。どうも二度目の分岐点にちゃんと看板が出ていなかったように思います。(メイソンさんもここで道を誤ったのでしょう。)・・・ここは、要注意です。一度下り始めたら、絶対に登って戻ろう、、という気にはなりませんしね。
  • 以上です。

    富士山について「一度も登らぬバカ、二度登るバカ」というそうですが、もし、未だ登ったことの無い方がいらっしゃったら、是非、一度挑戦されることをお勧めします。



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