二周年を迎えて

↑超初期のトップページタイトル。覚えている方はいる?

1998年6月28日。サッカー日本代表がジャマイカに負けてワールドカップ全敗が決まった蒸し暑い夜に個人サイト『Romantic au go! go!』は立ち上がったとされています。

 とはいってもきちんとした運営は7月に入ってから。インターネットどころかパソコン初心者で最初は人任せの部分も多く、何故タイトルが『Romantic a go! go!』あるいは『Romantique au go! go!』ではなく『Romantic au go! go!』になってしまったのか、本来なら「オ」と発音すべき「au」の部分を初期において「アウ」と表示していたか、という不思議もここらへんの事情が絡んでいるのですが、まあ、それはそれ。今更タイトルを変える気にもなりません。(ただ、一時期トップページにあった「洗練された少年少女たちのためのウェブマガジン」という恥ずかしいアオリは、『タモリ倶楽部』みたいなんで辞めました)

 とにかく一昨年の夏以来、Yahoo!にはラブコメディのページとして登録されているにも関わらず「バカラックのマニアックなサイト」と呼ばれ、音楽コンテンツに力を入れると「古本コーナーは何で更新しないんですか」と聞かれ、本について書くと「マニアックなのもいいけどこじゃれコラムが一番好きです」とメールが届き、コラム書くと「マンソンとかいってるから秘宝系かと思ったら気取りやがって」と罵られ、脇役グラフィティを更新すると「ソフトロックはもう捨てたんですか?」とつっこまれ、あちらとこちらのミッシング・リンクを埋めるスキマなページ、あるいはムーミン谷のスナフキンとして『Romantic au go! go!』はどうにか機能してきた・と・思います。本当に?

 本業でもある「ものを書く」という行為を考えるとき、私が理想とするスタンスがあって、それは「フリーハンドで真っ直ぐ線を引いてみる」というものです。

 「真っ直ぐ」を選ぶ技術は感性でもあります。でも技術も感性も個人の域における限界がある。仕事に自己を投影しないクラフトワークにも職人それぞれの限界があって、それが最終的に個性と呼ばれる差異を生み出します。

 他人の物差しを借りずに、でもある種の伝統には則って且つ自分を起点にして物事を見ようとしても、それはどうしても限界があって、あちこちに死角があったりする。「自分の趣味」とやらが築き上げられる際に出来てしまった死角。そこに何があるのか知りたいなあとよそ見ばかりしている結果がこれです。

 思いつきでコーナーを始めたり・減らしたりで、コンテンツをもっと絞ればもす少しきちんとしたアーカイヴも築けたかもしれないのに、全ての話題が途中経過・現在進行形。夢は「居心地のよい優美な私設図書館あるいは厳選情報のセレクトショップ」なのに、相変わらずとっちらかったまま。

 でもこの状態は当分続きそう。何故ならこの世の美には謎があって、私はその謎を出来うる限りは解きたいと思っているから。なんて、たかが趣味バナなのにえらそうに!
 
 ちなみに個人サイトは「二年で飽きてアベレージが下がる」というのが定説だそう。でも私にはまだ書きたい話があるよ。全てを書く時間があるかどうかはさておいて。
 
 本日をもって略称『ロマゴー』は何とか三年目に突入しました。今後もご愛顧下されば幸いです。ある意味では読者に素っ気ないページにいつも訪れてくれる皆様には、心から感謝を!読者あっての『ロマゴー』です。メールやアンケートにはいつも励まされています。いつ果てると知れないお喋りに、まだ付き合ってくださるでしょうか?