JANEANE GAROFALO

たたき上げの哀愁キャリアガール

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・『The Search for John Gissing 』(2001)ではどうやらヒロイン。監督は『コンテンダー』のマイク・ベイダー。ジョーン・アレンが好きな彼は当然、ギャロファロもひいきなんでしょう。

・サンダンス映画祭でも好評を博した『Wet Hot American Summer』 (2001)はサマー・キャンプもの。ギャロファロが指導員だったら恐いです。モリー・シャノンとポール・ラッドが共演

・現在、『Martin & Orloff』 (2002)を撮影中


 『ロミー&ミッシェル』(97)は「ハイスクールのヒエラルキーでは決してのし上がれない」子供たちの胸のすくリターン・マッチ・ストーリーだった。主演の二人のおバカぶりも楽しかったが、傍のアラン・カミングスとジャニーヌ・ギャロファロがまた最高だった。

 小柄でぽっちゃりしたコメディエンヌ。というと、マイルドな笑われキャラを想像しがちだが、ギャロファロは何というか、もっとビターで物事を冷静に見据えるタイプ。悪口を言おうものなら、こちらが一喝されそうだ。  

 生っ粋のフェミニストで、「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラーを早々と降りてしまったのは、番組の女性差別ネタが原因だとか。

 同窓会に乗り込もうと目論むロミーとミッシェルが卒業アルバムを開くと、ギャロファロが独りぼっちで校舎裏にタバコを吸いに向かう後ろ姿の写真がある。よくいるクラスの変わり者だが、いじめられっ子同士で徒党を組もうなどとは、これっぽちも思っていない。その性格のきついこと。

 それなのに、この人はどこかけなげな感じがあって憎めない。ミッシェルに片思いをしているおたく少年のカミングスに密かに惚れていて、励ましてあげるところなんか、いい姉さんである。

 しかし、その片思いをしていたアラン・カミングスが、成功者としてヘリコプターで同窓会場に乗り付けるのを見て、「なんであたし、あんな男が好きだったのかしら?」としらーっと冷めるところもこの人の本領。他の女みたいに、「超リッチって感じー」なんて駆け寄ったりしない。

 日本初登場は、『リアリティ・バイツ』(94)。ウィノナ・ライダーの大学時代の同級生でルーム・メイト。見るからにしっかり者で、「GAP」に就職して店長にまで昇進する。「あんたなんかただTシャツ売っているだけじゃない」なんて、失業者で甘ったれのウィノナに言われる筋合いはないのだ。

 スタローン主演の『コップランド』(98)では、彼の部下に当たる女性保安官。ロス市警の刑事たちがマフィアと癒着して作り上げた街の中で、唯一そのドンであるハーベイ・カイテルを恐れないフェアな女性だった。最後には街に隠された陰謀を知って、深く傷ついて去っていってしまう。

 70'sのローティーン達の青春グラフィティ、『ディア・フレンズ』(96)では、クリスティーナ・リッチ達の溜まり場のダイナーに勤めるウェイトレス。副業で怪し気な占い師もやっていて、目の回りを黒く縁取るメイクで少女たちから恐れられている。こぎれいにまとめすぎたあの映画でただ一人、リアルな70年代の匂いが彼女にはあった。

 彼女の魅力を存分に引き出したのは、マイケル・レーマン。『好きと言えなくて』(95)では、「美女」のユマ・サーマンをサポート役に回して、ロマンティック・コメディで堂々の主役。

 ギャロファロの役は、ラジオでペット相談を引き受けているD.J。彼女と電話で話したハンサムなカメラマンを好きになって、ついモデルで頭があまりよくない(性格はいい)ユマに自分の代役を頼んでしまう。

この映画が今様だったのは、ギャロファロを「心は美しいブス」ではなくて、「従来の意味での美人ではないけれど、チャーミングな女性」として描いたところ。

 ユマの友だちとして現れたギャロファロの写真を撮っていて、カメラマンが彼女の大きな瞳に吸い込まれそうになる瞬間がある。意外なことに、この映画の彼女はセクシーですらあった。そりゃ、ユマはスリムでナイスバディかもしれないが、現実問題としては抱き心地は悪そうである。

 その後もジム・キャリーの『ケーブル・ガイ』(96)、エルモア・レナード原作の『TOUCH』(97)と快調。

 その後は

 ・ヴィンス・ボーン、ホアキン・フェニックス主演の『ムーン・ライト・ドライブ』(98)では、たたき上げの女性捜査官。潜伏先のモーテルにスモール・サイズのピザを頼むところが泣かせる。

 ・『フォー・ウェディング』のスタッフによる『恋はワンダフル?』は久々のロマンティック・コメディでしかも主演。アイルランドのお見合いフェ  スティバルに巻き込まれるたたき上げキャリア・ウーマン(泣)。

 ・ベン・スティラーと彼女のロマンスは有名だったけど、最近になってインタビューで「ベンとはデートしたけど、セックスはしてない」と言ったとか言わなかったとか。

 ・その「恋人?」のベン・スティラーとの共演作、『ミステリーマン』はコミックが原作でスーパー・ヒーローのワナビー達が大暴れするSFコメディ。ジャニーヌはプロボーラーだった父の頭蓋骨を埋め込んだボーリングのボールで戦う女戦士。ややファザコン気味。

 ・『フェリシティの青春』で、主人公の大学生フェリシティ(ケリー・ラッセル)が「テープで文通」している「フェリシティの元家庭教師で失恋の傷に悩まされている年長の女友達」の声をギャロファロがやっていることが判明(泣笑)。

 ・ケイシーとベンのアフレック兄弟、マーサ・プリンプトン、クリスティーナ・リッチ等、クセ者キャストが一堂に会したパーティ・ムーヴィーの『200本のたばこ』(99)では、ポール・ラッドの元恋人で、フェミニストの芸術家、といういかにも彼女らしい役。最後には意外な大物とベッドインしてしまうシーンがあるので、お楽しみに。

 ・ケヴィン・スミスの『ドグマ』(99)ではリンダ・フォレンティーノ(美人だけれどこの人も出演作のセレクト変だよね)の同僚で、中絶医の役。カソリックに野次られると「私はバイセクシュアルなのよ!」

 マイク・ニコルズ監督のコメディ『What Planet Are You From?』(2000)には特別出演。地球人女子と子供を作るために送り込まれた異星人が、飛行機で席が隣になってマニュアル通りに口説くのがギャロファロ。

 ・『The Adventures of Rocky & Bullwinkle』(2000)では、レネ・ルッソやデ・ニーロ扮するアニメ世界の悪者三人衆を間違って現実世界に引き入れてしまう映画会社の職員の役。

 ・SFアニメの『タイタンA.E』』では、ジョン・レグイザモと共に人間外生物の役の声を担当。

 ・アビー・ホフマンの伝記映画『Steal This Movie』(2000)では、ホフマンの妻アニタを演じている。

 コメディ『Nobody Knows Anything』(2000)では、またもベン・スティラー(この二人の関係ってよく分からない)と、そしてマイク・マイヤーズと共演予定。

 ・2001年にはバリー・ソネンフィールド監督、オールスター・キャストのコメディ『Big Trouble』に出演予定。

 ところで、『スクリーム』のコートニー・コックスが演じるゲイルの役は、最初ギャロファロに依頼されたものとか。『Sweet heart』というインディ映画に出るために断ったそう。彼女だと恋とか芽生えそうにないし、よかったねデヴィッド・アークウェット。

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