BURT
BACHARACH MASTERPIECE VOL.1〜3(A-SIDE RECORD)
お勉強向けバカラック。マニアックなオールディーズ・ファンには、レア音源に関する限り絶対的な信頼をおいていたコンピュレーション・シリーズで、割と古いタイプのポップス・ファンのバカラック好き(失礼!)からは、今でも傑作コンピュレーションとして名高いです。
でも「マニア」ではなく「ファン」の立場からすると、これを崇めるのはちょっと問題あり、と思ってしまう。いくらジャスラックのシールが貼っていて大型CDショップにも並んでいたとはいえ、基本的にはブートだもの。
権利問題がどうこういうほど野暮じゃないけれど、音質が良くないし、何よりもいいバージョンかどうかよりも、レアかどうかを問題にする姿勢が好きじゃないのよねー。だから、枚数を重ねる毎に音源は隅っこの盤になっていくし、解説にも露骨に「出来が良くない」という言葉が飛び交う。良くないなら、入れなければいいのに。あと、ジャケのイラストの悲惨さはどうにかならなかったんでしょうか。
また、当時としてはレアだったここに収められている音源の多くは、今となっては各レコード会社による正式なコンピュレーションで聴けるようになったので、そちらを買う方がずっと妥当だとは思います。とはいえ、各盤それぞれ白眉となる曲もあるので、マニアックに極めたい方にはいいでしょう。
Vol.1はオールディーズ・サイド・バカラック集としてはスタンダードが多くて優良。ピチカートネタのリンダ・スコットの「Who's
been sleepin'my bed?」や、ペトゥラ・クラークによる「本当の恋は辛いもの」が嬉しい。
Vol.2は、ザニーズなるグループによってカバーされた「ザ・ブロブ」が珍味。レイ・コニフ楽団がバックを務めるマーティン・ロビンスの「Sittin'in
the tree house」と、レイ・チャールズ・シンガーズがバックを務める「マジック・モーメント」はどちらも口笛天国。しかし、フランソワーズ・アルディがフランス語で歌う「The
Love of a boy」のカバーを「Don't make me over」のカバーとして記載するという信じがたい大ポカをやっています。同じ曲のティミ・ユーロのバージョンが収められているというのに!(←マニアってこういうことをいうからイヤーね)
Vol.3は何をおいてもアーマ・トーマスによるパンチの効いた「Live again」にやられます。これとVol.2に収められているやはり彼女による「Long
after tonight is all over」は素晴らしいのに正式発表されていないようで残念。誰かマスターを見つけて私のために再発して!
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