レイチェル・リー・クックについて 

 いよいよ7/1、レイチェル・リー・クックの主演映画、『シーズ・オール・ザット』が日本公開されます。

 すっかり本国でも日本でも人気が定着した感のあるレイチェルですが、何を隠そう、日本語ページのウェブでレイチェルを扱ったのは(おそらく)ロマゴーが一番最初なんですよ(えっへん)。『She's all that』が全米で一位になって「レイチェルWHO?」旋風が吹き荒れた時は、ショウビズニュース系のサイトがリンク貼ってくれたりしたのは、当時は検索かけてもここしか引っかからなかったからでしょう。

 以下は一昨年(1998)の九月頃、ラックスのCMを見た私が興奮して本国ファンサイトとかIMDBを調べて、それこそ2時間後くらいに速攻で上げた文章です。


正統派スクール・ガール

 フィルムで見たこともない女優に一目惚れしてしまいました。

 きっかけは、「スクリーン」で人気投票をやったら上位にきそうな日本好みの女優を起用することで知られる、LuxのCM。オープン・カーで劇場に乗りつける、という本人にまったく似合わないバブリーな設定にも関わらず、キラキラと光輝く、黒い瞳の少女。えらくかわいいモデルだな、って思ったら画面隅に「レイチェル・リー・クック」のクレジット、おいおい何者なんだ!

 いそいで調べましたよ、この 79年生まれ(!)のスターレットについて。それにしても、日本リーバは日本公開作がまったくない彼女を、どうやって探してきたんだか。(その後、数作の日本公開作があることが判明 23/12/98)

 たかだか何十秒かのCMで彼女が見せた魅力について、どうやって語ればいいんでしょうか。秀でた額に黒目がちで賢そうな瞳。意志が強そうな眉。ボタンダウンのシャツとハイソックスと大型犬が似合いそうな雰囲気。ナタリー・ポートマンやクレア・デーンズにあるような自意識がまったくない、健全な優等生感覚。自分が愛されることを疑わなさそうな天真爛漫さ。止まっている時よりも、動いている時の方が断然絵になる感じ。

 似た感じの女優を探すとしたら、『がんばれ!ベアーズ』の時のテイタム・オニールか、『ルーカスの初恋メモリー』時のウィノナ・ライダー。日本でいうと、一色紗英みたいな感じ。(広末涼子のさわやかさは、ある種の自意識をベースにしているけれど、紗英の方は天然だから)。クリスティーナ・リッチみたいな曲者女優が好きな私が、こんな真っ当な少女を好きになるとは!

 以下はぜひとも日本公開して欲しい、この際ビデオでも文句は言わない気になるレイチェル・リーの出演作。これ以外にも、ブラッド・レンフロやイライジャ・ウッドの相手役をつとめている映画があるので、そちらの方は見る望みがあるかも。

 恐らくは彼女のアメリカでのブレイクのきっかけになったはずの『Babysitters Club』(95)。タイトルからして少女小説っぽいノリがたまりません。スチールを見る限りでは、ベビーシッターのバイトをする女の子たちのグループの物語らしく、ローティーンの女の子が群れている様子が何とも愛らしいです。

 サンダンス・フィルム・フェスティバルで話題をさらった『House of Yes』(97)では、レイチェル・リーは「パーティ・ガール」パーカー・ポージィの子供時代を演じています。もうすぐ全米で公開予定のサスペンス、『Living Out Loud』では、ホリー・ハンターの子供時代。黒髪で意志的な目をした女優たちの若い時代なんて、レイチェル・リーにぴったりじゃないですか。

 現在カナダで公開中の『Strike』は麗しの60's女子校もの。スクール!なレイチェル・リーがとびっきりかわいいぃぃ! 共演が『インタビュー・ウィズ・バンパイヤ』のキンスティン・ダンストに『世界中がアイ・ラブ・ユー』のギャビー・ホフマンっていうのは、すごくないですか。これは、キャンディス・バーゲン、エリザベス・ハートマン、ジェシカ・ウォルター、ジョアンナ・プティットといったスターレットが総出演したシドニー・ルメットの『グループ』(66)の再現ですよ。あるいは後のスターを育てた『初体験リッジモンド・ハイ』(81)と『バッド・チューニング』(93)の。

 そして現在撮影中であろうメジャーの『She’s All That』では堂々の主役! そうなんです、レイチェル・リー、何とミラマックスの次押し姫なんです。

 物語は、友達と賭をした男の子が、学校で一番サエないお固い女の子を次のプロム・クィーンに仕立てるべく教育する、というもの。自分がキレイにした女の子に恋をしてしまうお約束アリの学園版「マイ・フェア・レディー」! レイチェルは例の「メガネを取ると実は美人」の主人公をやるんでしょう、もちろん。

 誰が監督かは知らないけれど、キャメロン・クロウかエイミー・ヘッカリング並には上手に撮ってくれ! あるいはレイチェル・リーのフェイバリットだという『スパイナル・タップス』(大爆笑)のロブ・ライナーくらいには。そうしたら、それは私が世界で一番見たい映画になるはず。走って転んだり、ふくれたり、笑ったり、自転車に乗ったり、恋したりするレイチェル・リーをフィルムで見る幸せを、ぜひとも私に味わわせて欲しい。配給会社の皆さん、ひとつよろしく。


 その後、ビデオ等で随分「動いているレイチェル」を観る機会が随分ありました。

 登場シーンでスローモーションがかかる程愛らしかったわりに、ほとんど出番がなかった『ドタキャン・パパ』。

 ジャクリーヌ・ケネディ・マニアで精神に異常があるパーカー・ポージィの子供時代を演じて、本人よりずっと妖艶な魅力を振りまいた『ストーム』。

 イヤミな優等生、のはずがキルスティンやギャビー・ホフマンといったおきゃんな不良グループの身長が高いために、大きなお姉ちゃん達に苛められているようにしか見えなかった『Strike!』。

 ドーソンが撮る映画のヒロインとして一回だけゲスト出演。「ケイティ・ホームズに握手を求める時に、出す手の位置が高い!」(ようするに背がちっちゃい)ことで話題をまいた『ドーソンズ・クリーク』。

 そして『シーズ・オール・ザット』。

 驚くようなことですが、私の彼女に対する印象は今でも、二年前にたった一回見たきり書いた文章とほとんど変わっていません。

 雑誌等で取り上げられて分かった多くの事実については、もはや日本にも多く存在するファンサイトの方が百倍もくわしいでしょうからここでは触れませんが、とっておきの情報をひとつ。彼女は、映画で笑顔を見せたことが今まで二回しかにそうです。

 そういえば、いつも下から(背がちっちゃいからね)あの黒い瞳できっと見つめている印象があります。それだからこそ、ひらりとこぼれ落ちたような微笑みには余計心を奪われます。

 その笑顔が見られる貴重な映画の一本である『シーズ・オール・ザット』。是非とも皆さんに観ていただきたいと思います。

 そして、神様にお願い。彼女がこれ以上太りませんように。つうか、「5キロ痩せて『シーズ・オール・ザット』の頃に戻ってレイチェル!」

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