TOME CLAY'S
WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (Moest)
「同盟とは何か?」「防衛とは何か?」という大人の質問に、「分からなーい」と答える子供の声のバックに流れる「世界は愛を求めている」。差し込まれてはカットアップされる、ベトナム反戦のデモや銃声、ケネディ暗殺のニュースにキング牧師の演説の声といったSE。だめ押しで唐突に「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン」のサビが女性コーラスで入ったりして。
おお、『Mash』といい、『メディアはマッサージ』といい、ベトナム反戦期にはコラージュものの傑作が多いな、と思っていたら、何とびっくり71年8月14日付けビルボードで7位のスマッシュ・ヒットなのでした。
トム・クレイはもともとカリフォルニアでDJをやっていた人でしたが、気まぐれで作ったこの曲をラジオで流したところ、当時のモータウンの代表の耳にとまりレコードデビューすることに。そんな訳でジーン・ペイジの手堅いアレンジによるバックで語る語る。自分の子供にさえ歌わせる。弛緩した子供落書きイラストジャケも素晴らしいです。
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