「植物」について、

 

 ここでは、「ガーデニング」をはじめとして、

「花」や「庭園」「植物の歴史」などの話を紹介してます。

 

 

 ■「植物」と親しむ■

■「庭」について■

■「植物を学ぶ」■

■「花き産業」■

■「インドアー・ガーデナー」■

 

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■「植物」と親しむ■

   

 我が家は基本的に庭がなく、一部の樹木を除いてすべてコンテナ栽培です。おまけに、主として世話する人(自分です)が、休日にしか世話できないため、手間のかからないものが中心となっています。その他、自分が参加していた「花の万博」で気に入った ものを育てています。寄せ鉢で植物をまとめて、庭っぽくしています。という訳で「コニファー類」「シダ類」「アイビー類」が中心です。花の咲くものとしては「ゼラニウム」「アイビーゼラニウム」「さぎ草」「ラベンダー」等です。   

 「ゼラニウム」は種から増やしていますが、家の周りの環境にあっているみたいで、一年中花を咲かせています。シダの「タニワタリ(アビス)」も環境に合っているらしく、高さ50p位まで育ってきました(最初は高さ5p位でした)。 「さぎ草」も毎年、毎年数が増えています。「さぎ草」は 今住んでいる世田谷区の花なのです。 最近は、大豆とかトマトとか野菜にも手をだしていますが、これ以上はあまり手を広げないようにしています。

    

 

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■「庭」について■

 「花の万博」で出展していたのが、『くつろぎの立体広場庭園』ということで、東京や大阪のように土地のない都市での、人間と植物との暮らし方を提案したものです。3階建ての立体庭園と陽の当たらない場所(地下やビルの中)での植栽提案。広場という公共的な場所に、セミプライベート空間を確保して、ひとときのくつろぎを提供する、といったものです。地下での植栽提案には、 東京の営団地下鉄の方々が見学に来て、盛んに質問して帰りました。                   

 この庭園の工事に入る前に1年以上、庭園や広場、植物などの、スタディをしましたが、このスタディと、開催中の半年間の実践はとにかく役にたちました。今の、植物好きもこの時のおかげだと思っています。 

  

 

  ところで、「庭園」とか「園芸」という言葉がありますが、この庭園や園芸の「園」という字は、「袁」が果樹を表し、「□」が囲とか柵を表しています。果樹の植わっている外と隔離された安全な場所を表しています。同じように「圃」は畑です。「囿」は動物です。「庭」と「園」も意味合いが違います。石庭とは言いますが石園とは言いません。梨園とは言いますが梨庭とは言いません。また、ガーデンの語源もガード(守る)+エデン(喜び・エデンの園)からきていますので、もともと、庭というところは、周りを守られた中にある安全で快適な場所だったのです。 

 いまイングリシュガーデンが流行っていますが、日本の気候を考えると庭園に水を取り入れた、地中海沿岸のヨーロッパ南部風の庭園がもっと流行るのではないかと思います。水って人の心を落ち着かせて、ほっとさせてくれるものなので、いまのギスギスした日本にはピッタリではないかと思います。ただ、難しいのは地中海沿岸と違って日本は湿気が多いことです。

 ところで、イングリッシュガーデンですが、一言でイングリッシュガーデンと云ってますが、もとは、人為的なフランス式庭園に対して誕生した自由な風景庭園なのですが、ウィリアム・ロビンソンの提唱したものと、ガートルード・ジークルの提唱したものと、大きく二つの流れがあります。多くの人が、イングリッシュ・ガーデンは素晴らしいと云っているのは、どちらかと云うと、ガートルード・ジークルの庭園です。

 ウィリアム・ロビンソンの庭園は、自然そのもので、ロックガーデンやワイルドガーデンが代表です。フランスのパリ郊外にある「モネの庭」も、ウィリアム・ロビンソン式の庭園です。ガートルード・ジークルの庭園は、イギリス式の自然とフランス式の整形主義の良さを取り入れ、例えば花壇の花にしても暖色系や寒色系、補色関係、グラデーションなど、色彩的にデザインして配置したものなどです。 

 

パリのポンピドー・センターそばに、レ・アール公園がありますが、ここにあるものはすべて緑色に塗られています。そのため実際の植物の量以上に緑が感じられ、また、余分な色がないので、公園全体が落ち着いた感じがします。ウィーンの公園でも、ベンチやゴミ箱、電気ボックスなどが緑色に塗られており、公園の緑とうまく調和されています。決して難しいことではないので、このへんから日本の公園も工夫していくといいですネ。

  

   

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■「植物を学ぶ」■

 これは、「花の万博」前のスタディで学んだことです。実は、植物って今の石油やウランみたいに、戦略物資だったのです。18世紀の大航海時代はまさに、戦略物資である植物(食料、香辛料、薬品、嗜好品など)を求めて大海原にでていった時代なのです。キャプテン・クックが世界一周に出たのもまさにこれです。キャプテン・クックは植物学者のバンクス(サンドイッチ侯爵のトランプ友達で、王立キュー植物園の初代館長)と精密植物画家を伴い長い航海にでたのです。              

 イギリスは、自分の植民地毎に植物園をつくり、どの植物をどこで育てたらよいか研究していたのです。日本は自然環境がよく、植物の宝庫なので意外と気がつきませんが、欧米の人から見るとたまらなく魅力的な土地のようです。幕末にペリー提督が日本に来たときも植物学者を同行しており、日本の植物をしっかり採取して記録に残しています。                       

 ところで、世界中に珍しい木はいろいろありますが、自分にとっては「バオバブ」の木でした。まさか、本当にある木だとは思っていませんでした。サンテグジュペリの 「星の王子さま」にでてくる想像上の植物だとばかり思っていました。     

 バオバブの木って、恐竜時代にアフリカ大陸とオーストラリア大陸が一つの、ゴンドアナ大陸であったことの生き証人なのです。今でもバオバブの木が生えているのは、アフリカの東側と、マダガスカルと、 オーストラリアの北西地域だけなのです。このバオバブの木には白い花が咲くのです。実もなって食べることもできます(特別おいしいものではありません)。実は、オーストラリアから日本に贈られた3本のバオバブの木が日本の南方のある場所で静かに育っています。                            

    

 

 バオバブの木みたいに特徴のある木は別として、樹木の名前ってなかなか覚えられません。バードウォッチングってありますが、樹木ウォッチングはあまり知られていないようです。家の近くにある園芸高校の学園祭の時に、樹木ウォッチングツアーに参加しました。知らない木ばかりで、楽しいひとときでした。これからも、図鑑片手に近所を歩き廻ってみたいと思います。        

    

 

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■「花き産業」■


■花の消費 

 花が消費される場面というのは分かりやすいものです。切り花の場合は「家庭用」「業務用」「稽古用」「贈答用」となります。「家庭用(ホームユース)」としては「仏花(ぶっか)」の占める割合が高いようです。「業務用」は、結婚式、葬儀、宴会、装飾などになりますが、結婚式や宴会需要などは現在の経済情勢から市場は縮小気味です。鉢物の場合は「家庭用(ホームユース)」「業務用」「贈答用」となります。これから花の需要を伸ばしていくには一般家庭でもっともっと使われる様にならなければなりません。

 ホームユースの消費というと、切り花では仏花の他、自家用飾り花。鉢物は自家用飾り花。花壇苗はガーデニングといったところでしょうか。花に対しての評価はホームユースと業務用では、業務用の方が厳しそうですが、実際にはホームユースの方がずっと厳しいのです。もちろん葬儀用などの様に、何時でも必要なだけ花を揃えられなければならないといったことはありますが、各々の花の品質に対してはホームユースの方がずっと厳しいものがあります。何しろ自分でお金を払いますし、花の品質ををすぐ目の前で確かめているのですから。結婚式でも葬儀でも花を近くでじっと見ることはまずありません。

 花の教室などでは、花の雑誌「花時間」に珍しい花が紹介されると、すぐに飛びつくらしいので、市場では仕入れに苦労することも多いそうです。何しろ花は人気がでてもすぐには作れないものなのです。


 

■花市場

 大田市場には“卸”が、「大田花き」と「FAJ(フラワーオークションジャパン)」という2社あります。元々は「大田花き」は切り花で、「FAJ」は鉢物ということでスタートしたのですが、今は「FAJ」でも切り花を扱っています。“仲卸”は20社あまり入っていますが、中には地方発送専門店というような特別なところもあります。大田市場は、基本的に24時間稼働しています。競りは夏場は7時から。冬場は7時半から始まりますが、競りにかける花は前日の夕方からどんどん入荷されてきます。そして、事前に売り先が決まっている花は、夜中には地方への発送が行われます。最近は競りにかけるのでなく、電子取引などによって事前に取引が行われることも増えてきています。ただ、実際にモノを見て買いたい、少しでも安く買いたいという買参人(ばいさんにん)は競りに参加して購入しています。

 花の競りの不思議なところは、競りに参加しているのが、仲卸も小売店も一緒なところです。つまり小売店でも仲卸と同じ価格で仕入れることができるのです。となると、仲卸は何で存在するのかということになってしまいます。小分販売や地方発送が主な仕事ですが、今は情報の提供ということが一番のようです。情報提供に商品である花がついてくるといった感じなのでしょうか。

 大田市場の競りは、昔ながらの手競りではなく、機械競りです。そして値段の付け方は高い価格からどんどん値段が下がってきます。買参人は自分の買いたい価格のところで、自分の座った机にあるスイッチを押します。手競りですと、競り人と買参人とで多少私情が入ることもありますが、機械競りの場合は買参人は誰でも平等になります。あとはいかに手際よくスイッチを押せるかだけです。

 切り花の流通もどんどん変わってきています。昔はハコに入れられて積み重ねられていたのですが、最近は、「大田花き」の水入り縦箱、「FAJ」のバケット輸送と、鮮度を重視した輸送方法が盛んになってきています。

 


■花のまちづくり

 日本各地で花によるまちづくりが盛んですが、そのほとんどが、まちを花で飾ってまちづくりするというものです。そんな中で、北海道の恵庭市は、まちを花で飾ると同時に、まちの農家が花の生産を積極的にすすめ、花づくりがまちの産業に育っています。昭和36年、全国的に広がった「花いっぱい運動」を受けて、恵庭でも「花いっぱい文化協会」が設立されました。これが恵庭の"花のまちづくり"のスタートとなっています。また、昭和40年代から農家の間で花苗の生産も始まっています。実際に、花のまちづくりが盛んになってきたのは、20数年前に市の北部の水田を埋めて"恵み野地区"が開発され始めてからです。市内における花苗の消費量も増大し、現在では道内の花苗生産の約50%を占める有数の生産地となっています。また、札幌の大通り公園の花壇に使用されています花の多くは恵庭産となっています。(恵庭の花によるまちづくりは「まちのページ」でも詳しく紹介しています)

 その他、北海道の滝上町、由仁町、北竜町、山形県の寒河江市、福島県の昭和村、長野県の坂城町、静岡県の引佐(いなさ)町、和歌山県の南部町、高知県の芸西(げいせい)村、福岡県の八女市なども、産業としての花をまちづくりに活かしているところです。まちを花で飾ってのまちづくりは全国ほとんどの地域で行われています。

 

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■「インドアー・ガーデナー」■


 植物の楽しみは、実際に花や木をいじっているだけでなく、いろいろな楽しみ方があります。自分が美術系大学の出身なので精密植物淡彩画はよく描いていました。Hから4Hくらいの固い鉛筆で細かく描き、そこに淡彩を施すのです。

 絵を描くということは自分にとってはごく当たり前のことなのですが、最近では、ボタニカルアートとか、トールペインティングが流行っているそうです。            

 植物画といえば、何といってもすごいのはバンクスの採取した植物の精密画です。当時は写真がなかったので、精密画を描きエッチングにして残したのです。

 このバンクスの植物版画の原板は大英博物館に残っています。全部で738枚の植物画集ですが、1980年から6年間かけて原板を洗浄し100セット刷ったのです。日本にはこのうち2セットがあります。現物も見ましたがなかなかのものでした。

 

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