民家園といえばお約束のように出てくる「合掌造り」。ここ、飛騨はさすが本場だけあって、合掌造りの民家を使った資料館や民家園、民宿、果ては世界遺産までもが入り乱れての激戦区になっている。
この下呂温泉合掌村は、白川郷から合掌造り10軒ほどを誘致し、民芸体験ができる施設も兼ね備えた民家園だ。ただ、なかには、床の間はがらんとしたままで、仏間のスペースもそのままぽっかり空いているような民家もあって、空き家に入り込んだ気分にさせられる。それはそれで旅愁をかき立てる、ともいえなくもないのだが。
ここで嬉しいのは、合掌造りの2階に上がれるということ。下呂温泉に慰安にきたお年寄りにはちょっと厳しそうな家具兼用の階段を昇っていくと、いろいろと民具が展示してある。“2階には昇るな”という民家園が多いだけに、さすが本場だけある。