伊豆シャボテン公園
―伊豆高原に広がるサボテンの楽園!?―

「博物館」、などというと「そんな埃っぽいものは扱っていない!」と
たたき出されそうだ。「ミュージアム」といえばいいのだろうか、
ここ伊豆高原はそんなしゃれたミュージアムでいっぱいだ。     

アンティークドール、オルゴール、テディベア、香水、ガラス細工、
ペンギン、ねこなど、様々な趣向とテーマを凝らしたミニ・ミュージアムが
ペンション群に負けじと、めかしこんだ外観でひしめいている。    

そんななかで、開園42年のキャリアと広大な敷地をもち、「ミュージアム」
連中のボス格で君臨しているのが、この伊豆シャボテン公園だ。


かつては火山で、現在では奈良の若草山のような穏やかな表情をしている
大室山を借景に、戦隊ものの秘密基地のような“高原竜ヒドラ”をランド
マークに、そして、背後にはピラミッド(型の温室)までをも従えている
光景はボスの貫禄十分だ。                     


園内は「南アメリカ館」「アフリカ館」「マダガスカル館」「メキシコ館」
「森林性シャボテン館」など6つのシャボテンコーナーが建ち並び、世界
各地から集められたサボテン、多肉植物がひしめいている。      

「サボテンばかり見てもおもしろくもなんともない」――館の名称だけを
追っているとそんな気分にもなってくるのだが、実際に中に足を踏み入れ
てみると、まず遭遇するのはサボテンではなくて、園内を我が物顔で闊歩
するクジャクやペリカンである。                  


フェンスやゲージは極力取り払う方針らしく、クジャクたちは放し飼いに
され、池の中の小島にはテナガザルが群れている。「カンガルーの丘」で
はワラビーが目の前にひょっこりあらわれる。            

とくにクジャクは慣れたもので、例によって観光客に追い回されるとバサッ
と羽ばたいて屋根の上にとまり、ケンカに勝ったネコのような顔をして、
追い回した客を見おろしている。


                  

なかには松の枝でくつろいでいるやつもいた。
そこは鶴の指定席でお前じゃないぞ。

 

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