あるカメラマンの独り言
 シリーズ No.008
「ヘリコでGo! 2 」〜フライトシミュレータ奮闘記〜
(Japanese Text Only)



X-Plane Classic画面

これはWindows全盛の世の中にあって、
Macでヘリコプターフライトシミュレータに挑戦した、
ある無謀な男の戦いの記録である!!

お断り:これはパソコン奮闘記であり、最後まで読んでもヘリコプターは出てきません。
    また、Macを主体としており、Windowsユーザの方は眠気をもよおされるかも知れません。
    でも、我慢してお読み頂ければ幸いです。




 最近、眠っていたものが目覚めた。
愛機Macintosh(以下MAC)でフライトシミュレータ(以下FSと略す)を行うという執念である。

きっかけは本屋で、ある航空雑誌を立ち読みしていたところ、X-Planeの記事に遭遇したことであった。
実は「ヘリコでGo!」で私が絶賛していたソフトこそ、X-Planeなのである。
これはWindows版全盛の世の中にあって、Macでも動くという私にとって救いの神とも言えるソフトなのだ。

前回のエッセー「ヘリコでGo!」では「・デモ版を手に入れたのである・・」と書いたところで終わっている。
その後「このソフトはX-Planeでしょう?」と指摘してきた読者や、色々な情報をくれた親切な方、はたまた、業者の方からは精巧に出来たFSをショーに出品するとかで「試乗のお誘い」まで頂いた。
続編の希望が多かったのだが、 ちょっとしたトラブルに見舞われた。
Diskの損傷である。このDiskと共に X-Planeも姿を消し、MACでFSの夢もついえた・・。

それから2年後、冒頭の本屋で立ち読みした翌日たまたま自宅で“あるMAC雑誌”を読んでいたところ、何とその付録にX-PlaneのV5.31のデモ版がついていたのである。 (1年前の雑誌で、押入れの奥に積まれていたものだが今まで見落としていたらしい。) これは神のお告げに違いない。
「MacでFS!」・・こうして私の無謀な挑戦は始まった。

 しかし何で、そんなにMacにこだわるのか?
ジョブズ(スティーブジョブズ:Macの生みの親)の崇拝者か?、MACフリークか?
そうではない。単に三種の神器をMACで揃えてしまった為、動きがとれないのだ。
三種の神器とは、サイクリックコントロールスティック、コレクティブピッチレバー(スロットル 兼用)、ラダー(アンチトルクペダル)である。
当時MAC版を入手するのは非常に困難であった。何しろFSはWindowsの独壇場である。
だがWindowsマシンをFS専用機として新たに購入する金はない、何とか愛機Macですべてこなしたい。
こうして何日も悩み、店に行くまで山手線を一周するほど悩み、店に入っても決めかねていたところ、
「旦那、Mac版の在庫はこれ一個限りですぜ!」という脅しというか殺し文句にノックアウトされ、ついに購入してしまったのである。これがのちのち足かせになるとも知らずに・・  

                   

 とりあえず付録のV5.31を動かしてみることにする。
と、出た!かなりリアルな機体。以前のX-Plane V3(Classicと呼ばれる)とは雲泥の差。
機体は 後ろを向いている。どうもS-76の尻尾らしい。
だが、ローターはコマ送り程度にしか回っていない。
このスピードだとローターブレードの先端速度は1時間に1回転程度、「これは時計か!?」
こら、アカン。愛機Macには重すぎるらしい。

 その後色々と情報収集したが、結局愛機での動作確認はとれない。
試しに最新情報を入手する為、
X-Plane公式サイトにアクセスしてみたが、 現在のバージョンはV5.62。
かなり上がっている。2年の歳月はあまりにも長かった。
果たして、このスペックで動くのか?
こうなれば、自分で試すしかない!「私はパイオニアだ!」鼻の穴がふくらむ。

 さて、私のMACはiMacよりも旧式だが一応グラフィック用のチップを積んでおり、ボードを入れなくても動く、そう信じていたが、読者の方からの指摘で、やはりボードが必要とのこと。このアドバイスも随分前に頂いたのだが、生かせなかった。それを再挑戦してみることにする。

そこで、3Dビデオアクセラレータボード探し。
この手のものを買うなら秋葉原、ところが某ショップに問い合わせたところ、「 今は秋葉原中探してもない」という返事。中古ショップを当たったがあっても古すぎて使いものにならない。 結局私のマシンで使える3Dアクセラレータビデオカードがない(該当ボードが 売っていない)ことが判明した。
友人からは「いいかげんMACは諦めて、Windowsにしろ!」とバカにされ、 しかも「あいつはまだMACに投資している」とわざわざメーリングリストで皆に宣伝して頂く始末。 ・・持つべきものは友である・・

あぁFSは夢か!・・と諦めていたところ1週間後、ATIから「 Radeon Mac Edition for PCI」発売の朗報が飛び込んできた。 そこで、あらためてX-plane公式サイトで推奨3Dアクセラレータビデオカードを確認したところ 以下のように出ていた。

・ATI Radeon : Awesome. The card to have.
・ATI Rage-128 : Perfectly fine.No problem.
・ATI Rage-pro : Pretty old. Can use,but not much fun.

  Awesome? 聞いたことのない単語である。
調べると畏(おそろ)しい、 畏敬の念とある。この場合「
凄い、持つべきカード」ととったらよいのだろうか? ただ同義語はdreadとあり、不安、懸念するの意味もあり、反対の意味にもとれる。
ここで困惑し、翻訳のエキスパートに相談すると、やはり「あまりすごくて「畏敬の念」が湧いてきてしまう、というくらいのニュアンス。畏怖するくらい素晴らしい。絶対お勧め。といった感じの評価で、買って失敗はしないと思う」 という回答。 これで決心がつきその日の内に取扱店に予約を入れた。

だが、問題があった。ボード(Radeon)の対応OS(システム)はMAC OS9以上である。
私のは悲しいかなOS8.1。 OS9にしなければ動かない。
しかしOSのバージョンを上げれば、旧ソフトが動かなくなるおそれがある。
どっちをとるか、また悩むことになる。・・う、う、どうすれば・・ 眠れぬ夜が続く。

そうした、ある夜、夢の中でお告げがあった。
ヘリコプターの精(?)が現れ、そして言った。
「OSを切り替えよ」
そうだ!MACはDiskを切り替えて異なるOSを立ち上げることができるのだ。
FSの時だけOS9で立ち上げればよい。 問題解決!2日後の夕方に秋葉原へイソイソと出掛けた。
しかしまさかあっと驚く事件が起こるとは、このとき知る由もなかった・・

 
Radeon Mac Edition for PCI

 店で念願のボードを手にし、OS9を一緒に購入しようとした。
だが店員はすまなそうに、「在庫がないんです」という。
「じゃぁ、申し訳ないけどOSだけ他の店で買ってきますから・・」と言ったところ、意外な返事。
「 秋葉原中探してもないと思いますよ。今度OSX(テン)が発売されるので、すべての在庫を引き上げている筈です」
「う、うそ・・」

(MACはよく分からないというWindowsユーザ向けに翻訳すると
私はWin95を 使っているが、Win98を買いにいったところ、「Win/Meが発売になるので、Win98 はもう売っていません」と言われた、といえば分かってもらえるだろうか・・)

で、試しに4軒ほど当たったが全て同じ、元の店に戻ったときはもう日はとっぷりと暮れていた。
しかもそこで得た情報はさらに私を打ちのめすことになる。
OSXはUNIXなので、互換性の問題から、OS9.1を付属して発売するという。
OSXを買えばタダでOS9が手に入る訳で今、OS9.1を買うバカはいない。 私を別にして・・、
OSXの発売は2週間後。しかしすぐに入手できるとは限らない。

システムなければ只の板。
こうして私は、Awesomeのパワーを持ちながらも当分使用できない3Dボードを大切に抱えながらトボトボと家路に着くこととなっ た。これから2週間以上も、このボードをただ、眺めて暮らすのだ。

「あぁ、一体いつになったら、FSが出来るのだろう?」
・・見上げた月は涙で曇っていた・・ (続く)

「ヘリコでGo!」を書いてから、もう丸2年、 さて、MACでFSの野望は叶うのか?
それとも夢は無惨に打ち砕かれるのか? この続きは次回、お楽しみに to be continued

2001/05/02

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