(Japanese Text Only)


東京都、「ビッグレスキュー東京2001」実施!


 9月1日、防災の日、 平成13年度東京都総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2001〜首都を救え」が行われた。

 9月1日は防災の日、毎年全国各地で様々な訓練が行われるが、東京都では昨年(2000年)より、「ビッグレスキュー〜首都を救え〜」と題し、独自の訓練を行っている。
訓練は多摩地域直下の大規模地震を想定し、JR八王子駅前、都立南多摩高等学校、多摩川河川敷、調布基地跡、立川広域防災基地など各所で行われ、さまざまな訓練が披露された。
昨年は羽田空港に自衛隊機を着陸させるなど、災害発生時の使用箇所を広げ話題をさらったことは記憶に新しいが、今年は更に進んで自治体としては初めて米軍横田基地及び米軍赤坂プレスセンターを使用するなど、大きな話題を呼んだ。
この米軍施設使用のニュースと、当日未明に発生した新宿歌舞伎町雑居ビル火災報道に押され、殆どとりあげられなかったが、多摩川河川敷会場では、河川敷を利用した応急救護活動拠点の設営訓練が行われた。

 内容としては医療活動拠点の設営、負傷者広域搬送を主体とし、大規模医療テント設営、ヘリ離発着場の確保、後方医療施設へのヘリ搬送など、これには消防、自衛隊のヘリコプターと共にドクターヘリも参加、その存在を大いにアピールした。

  ヘリコプターを使った訓練内容(時間順)は下記の通り(全体の訓練内容は東京都のページを参照

・ ドクターヘリによる医療班搬送
・ 陸上自衛隊の大型ヘリCH-47J、2機による血液運搬車搬送
・ 海上自衛隊SH-60Jによる救急患者搬送
・ 東京消防庁のAS365N2による救急患者搬送
・ 陸上自衛隊のHU-1Hによる救急患者搬送
東京消防庁AS332L1で石原都知事到着、会場を視察 (<--クリックすると画像が見られます)
・ 警視庁ベル412で都知事随行到着、会場を視察
・ OH-6Dで陸上自衛隊師団長到着
・ ドクターヘリによる救急患者搬送

 搬送訓練の様子を簡単に示すと
ヘリコプターは多摩川に沿ってアプローチ、自衛隊員の誘導で草地のNo.1ヘリパッドに着陸する。
緊急車両が到着、ヘリコプターの近くに停車し、患者を担架で車外へ出す。ヘリから降ろされたストレッチャーに患者を移し、ストレッチャーごと機内へ収容、ヘリコプターは周囲の安全を確認して離陸、その隣のNo.2ヘリパッドには次の機体が降りてきて、患者を待つ・・という具合である。

 この救急搬送に参加したドクターヘリは以下の4機(順不同)(クリックすると画像が見られます)
アグスタA109K2 中日本航空(名古屋より)
川崎BK117C-1 カワサキヘリコプタシステム(岐阜より)
アエロスパシアルAS355F1 エースヘリコプター(埼玉より)
マクダネルダグラスMD900 朝日航洋(東京より)

 この中でドクターヘリ塗装はK2のみ、あとは皆自社のカラーで、塗装が統一されていなかったが、それがかえって“緊急に召集されたヘリコプター”という感じで訓練にリアリティを与えていた。

 東京都では、大規模な災害時に各使用事業会社からの機体提供の契約を結んでいる。
具体的には首都圏直下型地震など大規模災害時に、負傷者や医師を民間ヘリコプターで搬送するための体制を整備。本年(2001年)3月に日本救急医療財団と協定を結んでおり、南関東エリアで発災後2時間以内に、7民間航空会社のヘリコプター約40機が調達可能である。 これらのヘリコプターを都が直接指揮、ヘリポートを有する都内11病院に速やかに配置するなどして、重症者等の医療救護 活動を展開する(東京都衛生局プレスリリース「災害時の医療救護活動における民間ヘリコプターの活用について」より)としている。

  その際召集されたヘリコプターが全てドクターヘリの条件を満たしているとは限らない。(都では救護ヘリという呼び方をしている)そのような場合は機種の違いを越えた運用が必要となる。
低床式のものもあれば、キャビンの高い位置に患者を持ち上げ収容しなければならない場合もある。
後部から楽々と搬入可能なものもあれば、逆にキャビンが狭く苦労する場合もあり、機種により搬入形態は異なる。このような実践的な訓練は特に重要であろう。

  また民間、自衛隊など形も大きさもバラバラな機体での訓練もさることながら、自衛隊と民間の協力も不可欠である。今回の訓練では航空自隊員が民間ヘリに、また民間医療団体が海上自衛隊の機体に患者を搬入するなど、相互に官、民を越えた行動も見られた。 こうした「垣根」を取り払った搬送訓練は大きな意味がある。

  また、多摩川会場には飛来しなかったが、東邦航空のSA365Nがヘリコプターの受け入れは初めてという墨東病院(江東区)に着陸するなど、調布基地跡会場やその他の会場でも民間ヘリコプターが活躍した。

 この訓練には多くの見物人も押し掛け、訓練を見守った。
中でもサイレンを鳴らしながら高速で進入し、着陸するドクターヘリには注目が集まり、「あれは何のヘリコプターですか?」と警備員に尋ねたり、陸上自衛隊の大型ヘリCH-47J、2機が相次いで着陸、機体後部から車両が出てくる姿に子供達は目を丸くしていた。

ヘリコプターは人命を救う。そして首都を救う。(注)
この訓練を通じ多くの
人々がヘリコプターは災害時に有用だとの認識を持ったことだろう。

そういった一般への認識を高める為にも、是非民間ヘリコプターを積極的に活用した訓練を今後も続けてほしいと思う。東京都の対応に期待したい。

(注:本記事は東京都総合防災訓練に限定したもので、首都以外に於いてもヘリコプターが有効なことは言う   までもありません)

取材協力 東京都知事本部報道課

2001/9/9



Back

Home

What's New

Introduction

Special

Photo Gallery

News/Info

Bar222
(Essay)

Link

All right reserved. Copyright(C) 2000, "Rotor Wind"