1999年11月29日、高速道路にヘリコプターを着陸させて怪我人を搬送する初めての訓練が行われた。
この訓練は阪神大震災をきっかけに災害時のヘリコプターの活用を検討している内閣安全保障危機管理室や消防庁、警察庁などが合同で行ったもの。
高速道路にヘリコプターを着陸させる訓練は国内では初めてで東京足立区で建設中の高速道路に乗用車やマイクロバスなど併せて10台が衝突したという想定で、東京消防庁のヘリコプターが高速道路上に降りた。
既に海外では道路にヘリコプターが降りて災害対策や救助作業にあたる例があるが、日本では道幅が狭く危険を伴うことなどから活用が進んでいないのが現状。
今日の訓練では先にロープを使って降りた消防庁の隊員の誘導でヘリコプターが慎重に着陸し、怪我人を乗せて再び飛び立った。訓練に参加した東京消防庁航空隊では高速道路の大事故では渋滞の発生で救急車の到着に時間が掛かるので今後、協議を進めてヘリコプターの活用を考えたいとしている。
1999/11/29 NHK 夜7時のニュースより
補足)
TV画面では建設中の高速道路を白バイなどで封鎖、消防庁のAS365N2 ちどりが路上に直接降り、また離陸する光景が映し出された。
ドイツではADAC(日本のJAFにあたる)のヘリコプターがアウトバーン(高速道路)に直接降りて怪我人を収容するなど海外では目新しいことではないが、我が国に於いては正式に認められた着陸の例がなく、本日の訓練は歴史的な意味をもつ。
今回このような訓練が行われたことに心から拍手を送りたい。
尚、本件に関しての協議が今年9月17日に行われているので、下記をご覧頂きたい。
先ず「これこれだから出来ない」という行政側の見解に対し、「出来ないことを論議するのではなく、どうしたら出来るようになるのか?法律でダメだというならば、それを行えるようにどう法律を変えれば良いのか?」など委員が真剣に論議する様子が議事録として載っております。7ページに渡る議事録ですが是非一読をおすすめ致します。
1999/11/29
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