お客様の名前はカモフKa-32、ロシアの大型双発貨物ヘリコプターである。
この機体、詳しくはカモフKa-32A-11BC(登録記号:C-GURI)と言い、 所属はカナダバンクーバーアイランドヘリコプター。
今回は台湾への売却と見られ、サハリン〜千歳〜東京ヘリポート〜奈良〜福岡〜那覇〜台北 と日本を縦断した。
ロシアの民間ヘリの来日は非常に珍しく、一目見ようと大勢のマニアや報道関係者が奔走したが、サハリン側の天候が悪く、当初予定より約51時間遅れ、10/15(月)
14時頃に東京ヘリポートに到着。
給油など約2時間ステイ後、奈良へと飛び立った。その後、同日 17:40 奈良ヘリポート着、3日程ステイした後 10/18(木) 07:29 奈良ヘリポートを離陸、福岡へと向かった。

ローターを休めるKa-32A 垂直安定板にカナダ国旗が描かれている
(撮影: 奈良防災 熊谷 岳大 様)
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カモフKa-32A11BCについて
KA-32はロシアのカモフ社が開発した総重量11tの大型双発ヘリで、同軸二重反転ローターを持った特異な形状をしている。
これは対潜ヘリKa-27とKa-28から高い操縦性能とパワーを継承した派生型で、軍民両用がありNATOコードネームはヘリックスC。
このクラス最大の積載能力を持ち、高度2,500mに於いて機外スリングで最大5,000kgの貨物を運ぶことが出来、 自動飛行制御装置やIFR装備も備え24時間運航が可能である。
その他、KA-32Aは7つの世界記録を樹立したことでも知られ スイス、カナダ、パプアニューギニア、ビルマ他西側諸国でも使用されている。
基本の民間型をKa-32Tと呼ぶが、多種多様のバージョンが存在、消防バージョンのka-32A1、警察バージョンのKa-32A2の他、スイス向けをKa-32A12、そして今回のカナダ向けのバージョンを
Ka-32A11BC と呼称する。
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コメント
この話、秋晴れの日本列島を駆け抜けた嵐のような感じでした。
来日の噂は今まで3度ほど流れているといい、多くの人間がこの情報に振り回されました。
実は小サイトも同類で、待ちかまえていた東京ヘリポートでは見事に肩透かしをくいました。
掲載を諦めていたところ奈良よりメールが届き、写真を入手、急遽掲載した次第です。
本件を全く知らなかった方も、見逃して悔し涙を流した方も、この写真でご満足頂けたらと思います。
2001/10/28 初稿
2001/11/10画像追加
(掲載した写真は奈良ヘリポートで撮影されたものです。 撮影:奈良防災 熊谷 岳大 様)
(写真の著作権はこの方にありますので、流用はご遠慮下さい。)
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