TH135初号機、海上自衛隊に納入! 


海上自衛隊次期練習機TH135初号機(#8801)   

 2009年12月2日、TH135の初号機が海上自衛隊に納入された。

 TH135は海上自衛隊次期練習用ヘリコプター。2008年度からのOH-6Dの退役に備え後継機として策定されたTH-X(次期回転翼練習機)計画に基づき数社が入札、内、ユーロコプターEC135T2+がTH135として2009年1月に正式採用された。

 EC135はユーロコプターの3tクラスの小型双発ヘリコプターで、日本では報道、警察、コーポレート、ドクターヘリなど各分野で約50機弱が活躍、今回これに自衛隊の練習機という新たな用途が加わった。
T2+はその最新型でTurbomeca Arrius 2B2(816馬力×2基)を装備した機体。TH135はEC135T2+に電子機器をはじめとした各種計装が施されている。塗装は白地に蛍光オレンジのストライプが入っており、一見民間機を思わせるが機体前面上部にあるパーティクルセパレータが外観を引き締めている。テールブームには海上自衛隊の文字が入り、バーティカルフィン上部には51と書かれており、第51航空隊に配属されることが分かる。ここでさまざまな評価試験を繰り返した後、海上自衛隊操縦士養成機関へ配属される。2号機は2010年2月に納入予定で、最終的には計15機が調達される予定である。

尚、パーティクルセパレータは砂や塵、塩水等の粒子をエンジン空気吸入口に入る前に遠心分離で除去し、エンジンを保護するもの。一見ただの大型エアフィルターのように見えるが、ハイテクが駆使されている。今回の装備は桜島の火山灰対策とのことだが、九州地区の鹿屋基地等への配備を想定してのことと思われる。



ホバリングテスト中のTH135 パーティクルセパレータ装備がよく分かる

本機は11月15日(日)に初飛行、その後テストフライトを続け、12月2日にユーロコプター社、防衛省、海上自衛隊員の他、仏独大使館武官出席の下、東京へリポートで納入式が行われた。ユーロコプター社のプレスリリースによれば、「防衛省への納入は悲願であり、今年(2009年)2月の契約締結から納入まで約9ヶ月間という短納期に対して、これを守る為に全力を挙げてきた」という。同社の意気込みが感じられる一節である。

写真は東京ヘリポートに於いて2度の入念なホバリングテストを終え、初フライトに出発する際のものである。コールサインはJQ8801(Juliett Quebec Eight Eight Zero One)が使用されていた。


コメント
 初フライト当日の11月15日に撮影の機会を得ましたが、小サイトでは関係各位に配慮し写真は正式納入後に公開するというポリシーである為、保留しておりました。今回正式に引き渡されたことを受け、記事を掲載致しました。

 当日、隣で撮影していた某編集部の方が機体を見るなり「パーティクルセパレータ装備ですか?!」と驚きの声を上げるまで、その存在に気づきませんでした。ファインダーの中の機影を必死に追いかけていた割には「ふしあな」だったのかも知れません・・

余談ですが・・
このパーティクルセパレータ、最新のEC135ドクターヘリに装備されているとの目撃情報もあります。ドクターヘリは学校のグラウンド等不整地での着陸が多くなります。その際は消防などが事前に散水しますが、土埃などはエンジンの大敵です。今後こういった装備が充実し安全性が向上することを願ってやみません。

2009/12/26



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