愛知医大でドクターヘリシミュレーション実施!


愛知医大中庭ヘリポートから飛び立つドクターヘリ

ドクターヘリ出動!

パイロットと整備士が待機所より駆け出してくる。
パイロットが乗り込みエンジンスタート、整備士は機体を一周し素早く安全確認。
すぐに黄色のジャンパーに身を包んだドクターとナースが駆け出し、乗り込む。
ドアが閉められると間髪をおかず離陸、ヘリは大空へと舞い上がる・・

 10月13日(土)、愛知県の愛知医科大学付属病院に於いて、ドクターヘリシミュレーションが行われた。
これは日本救急医学会東海地方会が開催したもので、病院、消防救急、報道など多くの関係者が参加した。

 構成は下記の通り。

09:00〜16:50 東海地方会    
10:00〜10:40 1)教育講演2:
救命救急センタードクターヘリ事業の開始に向けて
聖隷三方原病院救命救急センター
 岡田真人先生
愛知医科大学本館
たちばなホールにて
12:20〜13:00 2)ドクターヘリ シミュレーション   愛知医科大付属病院
中庭ヘリポートにて
10:00〜15:00 機体展示   同上
17:00〜19:00 懇親会    

 機体は中日本航空のEC135で、聖隷三方原病院の岡田先生の下、実出動に準じた形で実施された。
これが冒頭のシーンである。

 患者は登山中に谷へ転落し骨折重傷という設定。
以下詳細に追ってみると・・

 その後、機内では活発な無線のやりとりが行われ、現地では救急車がランデブー地点へ到着。
ヘリも現場上空へ到着。
眼下に救急車を確認、地上スタッフに着陸をスピーカーで知らせ、安全を確認しながらアプローチ。
着陸するとすぐにエンジンカット、ローターブレーキでローター停止。
整備士が後部扉を開けて搬入準備。ドクターたちは救急車へ駆け寄る。
救急車からはストレッチャーに乗せられた患者が運び出される。
体はしっかりとストレッチャーに固定され、足の傷の部分もリアルに表現してあり緊迫感がある。
岡田先生がメガホンをとり「今、気道確保中、カテーテル送管中」など実況とともに患者が運び込まれる。
家族の同意を得て、愛知医大へ運ぶことが告げられ、付き添い者も機内に乗り込む。
エンジンスタート。ローターが回り始め、僅か1分後、離陸、医大へと向かう。
医大では救急車が待機、機体が進入。
着陸するとすぐに整備士、ドクター、ナースが飛び出し、後部扉を開け、ストレチャーに乗せられた患者を機外へ、そのままストレッチャーごと救急車内へと運ぶ。


着陸後、整備士とドクターが協力して患者を運び出す

以上である。

このシミュレーションは「出動から現場での処置、搬送までをその場に居ながら確認できるとあって、大変好評で、多くの病院関係者がカメラ、ビデオをもって集まり患者を追うなど、一部始終を熱心にをビデオにおさめるシーンも見られた。
また名古屋テレビをはじめ、各テレビ局が駆けつけ取材するなど、県や地域の感心の高さを伺わせた。

 
その後の機体展示では黒山の人だかりとなり、一時は機体が人で見えなくなるほどの盛況ぶり。(左写真参照)

ドクターたちは機体の中の機材を確認したり、実際に機内に乗り込んだりし、岡田先生の話を聞きながら、感触を確かめていた。 中には操縦席に座りたいと希望する人もいたが、整備士もにっこりと笑って愛想良く招き入れ、色々と説明するなど、なごやかな雰囲気の中で行われた。
男女数名が一時パイロット気分を味わったが、ある女性はコクピットから出るなり興奮した面もちで「両手両足を使って操縦するのよ、知ってた?」などと得意そうに同僚に自慢する光景も見られた。

 ドクターヘリはドクターだけのものではなく、それを受け入れる側の理解も必要である。
ドクター、ナース、一般事務員、皆分け隔てなく
自由に見て触れて感じて貰う、これはとても大事なことである。皆この体験を通じ、今まで遠い存在だったヘリコプターが急に身近なものとして感じられたに違いない。

 また、皆が勤務に戻った後も機体は15時まで展示されたが、この中庭は丁度、医大の送迎バスからよく見えるところにあり、病院へ来た人も珍しそうに車窓から機体を眺めていた。アピール効果は抜群で、この展示はなかなかのアイデアだったようだ。

 ドクターヘリ事業も試行から本事業に移行し、4月の川崎医大に次いで浜松が本運航となった。
その他、各地区の病院でも具体的な動きがあり、順次スタート位置につき始めていると伝えられるが、ここ愛知県においても着々と準備が進められており、ドクターヘリへの気運が高まっている。

  愛知医大のヘリポートは広い敷地を持つ芝生で、周りに高い建物や障害物もなく、進入ルート下には池があるため人が近寄らず危険もない。まさに理想的な環境である。導入体制は万全というところだろうか。
その中、岡田先生の貴重な講演と今回の実機を使用したシミュレーションは絶好のPRとなったことだろう。

  ヘリコプターは人命を救う。
愛知の空に「命の翼」が羽ばたく日も、そう遠くないかも知れない・・ 

  尚、中日本航空ではアグスタA109K2、EC135に引き続き、3機目のドクターヘリ、EC135P1 (JA113D)を導入、11月に行われるドクターヘリ講習会にてお披露目の予定である。


中日本航空の皆さんとドクター(赤い服が岡田先生)

取材協力:中日本航空(株)

2001/10/20

back


Home

What's New

Introduction

Special

Photo Gallery

News/Info

Bar222
(Essay)

Link

 

All right reserved. Copyright(C) 2000, "Rotor Wind"