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            今年(2002年)は気象庁観測以来の暖冬の影響で桜の開花が予想以上に早まり、各地の花見の名所で「桜まつり」などのイベントの中止や前倒しが相次いでいるが、こちらもその影響を受け、予定を一週間繰り上げ「敷地内通り抜け」のみの実施となった。 
          三宿(みしゅく)というと、若者には世田谷にある洒落たデートスポットとして知られる。 
          六本木から国道246一本で行くことが出来、世田谷の豪邸に済む芸能人が、帰宅途中に立ち寄る隠れ家的な洒落た店があることから、テレビや雑誌で紹介されるなど、今注目のスポットである。 
          しかし、自衛隊関係者には駐屯地内にある自衛隊病院の方が有名であり、(三宿といえば)こちらを思い浮かべる方が多い筈。  
         当日はほぼ満開で、近所の住民らが歩きながらの花見を楽しんだ。 
          これだけなら、ただの「桜まつり」で当サイトでとりあげることもないのだが・・ 
        実はあまり知られていないが、ここにヘリコプターが展示されているのである。  
         展示されているのは、退役したJG41645 富士ベル205/UH1-H。 
          富士重工のライセンス生産45号機にあたる。 
          UH-1HはUH-1Bのストレッチ&パワーアップ型で、133機まで生産され、現在は UH-1Jに移行している。 
          よって歴史的にも古く貴重な機体である。 
          
          展示機 JG41645 富士ベル205/UH1-H  
          (写真をクリックすると、桜とヘリコプターの写真が見られます)  
          都内で同機を展示しているのは立川、練馬、三宿の各駐屯地だが、 東京・世田谷という住宅地のど真ん中でヘリコプターの実機が見られるというのは非常に珍しい。 
          但し、今回は通り抜けのため、展示されているグラウンドには立ち入ることが出 来ず、遠くから眺めるだけとなってしまったのが残念である。 
          一時は開放されたグラウンドにレジャーシートを広げ、模擬店で買ったヤキソバなどを食べながら、 ヘリコプターを珍しそうに眺める家族連れも見られた。 
          更にもっと以前は柵などなく、子供たちが自由に触って遊んでいた時代もあったことを考えると、少々さびしい気がした。  
         ヘリコプターの展示理由については不明だが、グランドの奥まったところにポツンと置いてあるのはとても惜しい。 
          地震や災害の際、物資輸送などいかにヘリコプターが頼れる存在であるか、そのアピールの為にももっと目立つところに展示して貰いたい。一般人が敷地内に入れるのは1年を通して、桜祭りのこの時期のみ。出来れば外からも見えるようにゲートガード機として 
          正門の近くにでも展示欲しいと思うのは筆者だけであろうか・・  
           
        
          
            ゲートガード機: 
               米軍基地など、ゲートのすぐ横に展示してある退役機を指す。 
                日本でも航空自衛隊入間基地等、各所で見ることが出来る。 | 
           
         
        コメント  
         余談ですが、同行したカメラマンが桜ではなくヘリコプターばかりにカメラを向けていた為、警備から注意される一幕も・・。本人は憤慨していましたが、「怪しい人」に見えたのかも知れません。 
           
          平和な時代を懐かしく思うとともに、誰もが気兼ねなく基地祭を楽しめる時代が、また戻ってくることを切に願う次第です。 
         尚、テロなど警戒中の時期でもあり、同機の見学など同駐屯地へのお問合せはご遠慮下さいますよう、お願い致します。 
        2002/03/31  
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