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          10月17日、山口県に於いて中国四国緊急援助隊総合防災訓練が行われた。 
         これは緊急救助隊の中国四国ブロックとして毎年行われるもので、今年は山口県吉敷郡阿知須町字遠石きらら浜を会場に9:00〜12:00に渡り、さまざまな訓練が行われた。 
          ヘリコプターに関する訓練としては 
          地震により水道管破損などで消火栓使用不能の中、木造倒壊建物及び耐火建物から出火している・・ 
          という想定で広島県、香川県、愛媛県のヘリコプター3機による空中消火が行われた。 
          また耐火建物5階より出火、上の階に延焼拡大中の状況のもと、愛媛県消防防災ヘリ「えひめ21」が屋上よりホイストで逃げ遅れた人を救助。救助完了離脱後、山口県消防防災ヘリ「きらら」が進入して散水を行った。 
         今年の特色は編隊飛行が盛り込まれたこと。 
          今年は「きらら」がリーダー機を務め、参加全機の6機がフォーメーションを組み、高度約300ftを60ktで飛行、各県、市とも息のあった編隊飛行を見せ、より密接な協力関係を印象づけた。 
          
         
        
          
             
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                 編隊飛行を行う参加機:手前から香川県、北九州市、広島市、広島県  
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         訓練の内容と各機の任務は以下の通り 
         
         
          
             
              | No. | 
              団体名 | 
              機種 | 
              愛称 | 
              登録番号 | 
              主な訓練項目 | 
             
             
              | 1 | 
              広島市消防航空隊 | 
              SA365N1 | 
              ひろしま | 
              JA9978 | 
              孤立地区救出 | 
             
             
              | 2 | 
              広島県防災航空隊 | 
              B412EP | 
              メイプル | 
              JA6774 | 
              情報収集、空中消火 | 
             
             
              | 3 | 
              香川県防災航空隊 | 
              BK117B-2 | 
              オリーブ | 
              JA6729 | 
              救援物資搬送、空中消火 | 
             
             
              | 4 | 
              愛媛県消防防災航空隊 | 
              BK117C-1 | 
              えひめ21 | 
              JA6679 | 
              座屈ビル救出、空中消火 | 
             
             
              | 5 | 
              北九州市消防航空隊 | 
              AS365N2 | 
              きたきゅう | 
              JA6701 | 
               情報収集ヘリTV 
               | 
             
             
              | 6 | 
              山口県消防防災航空隊 | 
              BK117C-1 | 
              きらら | 
              JA21YA | 
               耐火・空中消火 | 
             
           
          
         
         
         その他、ここでは負傷者の搬送は含まれていないが、ある県では救急ヘリとしても活躍している。 
          交通事故の負傷者を消防防災ヘリが運び、命を救った例を紹介しよう。  
        概要はこうである。 
          重傷者は救急車で近くのA病院に運ばれたが、消防はもっと設備の整ったB病院へ転送が必要と判断し、防災ヘリの出動を依頼。防災ヘリは病院から離れた場所で訓練中だったが、要請を受けた隊長は直ちに訓練を中止し、上長の決裁が下りれば直ちに飛び立てる用意を整え待機。上長決裁はわずか3分、10分後には離陸、B病院へ直行し医師をピックアップしA病院へ急行、患者を乗せ、B病院へ無事送り届けた。 
        AからB病院までは直通道路は無く、ちょうど三角形の二辺を通るようにグルリと回って行かねばならない。 
          ヘリの場合まさに三角形の一辺を飛んだ形となり、救急車と比較した場合、約45分の差があったという。 
          スピーディな判断と実行が命を救った好例であろう。 
           
          ドクターヘリは少しづつ配備は進んでいるものの、まだ数は圧倒的に足りない。 
          そのような状況の中、こうした消防防災ヘリの活用に拍手を送りたい。 
        2002/10/20速報掲載 
          2002/11/04画像追加 
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