平成22年度緊急消防援助隊 北海道東北ブロック合同訓練 実施!
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2010年11月8〜9日、福島県で緊急消防援助隊 北海道・東北ブロックの合同訓練が行われた。 |
DMATを搬送、会場を離脱する札幌市消防ヘリコプター ベル412SP JA6636 さっぽろ |
11月8日(月)、9日(火)、福島県に於いて「緊急消防援助隊 北海道・東北ブロック合同訓練」が行われた。これは緊急救助隊の各ブロックとして毎年行われるもので、今年は福島県郡山市安積町(あさかちょう)の郡山カルチャーパーク(駐車場)を会場に9:00〜12:00に渡り、さまざまな訓練が行われた。 訓練は平成22年11月8日(月)9:00頃、福島県中通り中部地方の未知の断層帯を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生、郡山市全域に於いて震度6強の激しい揺れを感じ市街、周辺地域では建物が倒壊、火災、交通事故等で多数の負傷者が出ているという想定で実施された。 |
参加機は以下の通り(消防航空隊を消防、防災及び消防防災航空隊を防災と記述する。) 札幌市消防、宮城県防災、仙台市消防、福島県防災、新潟県防災、茨城県防災、埼玉県防災、東京消防庁の各機が参加。 また青森県、山形県は定期点検中で不参加、岩手県も定期点検中だが代替機の白いAS365Nで8日の参集訓練のみ参加。北海道防災、秋田防災が待機機となり、同地方の留守を預かった。 尚、参加予定だった富山県防災は日本海側が悪天候の為キャンセルとなった。 |
8日は参集訓練。福島県消防防災航空隊の基地がある福島空港が使用された他、陸上自衛隊郡山駐屯地がフォワードベースとして使用された。 9日は会場を郡山カルチャーパークに移動。第4、第5駐車場には座屈ビル、橋崩落、トレーラー横転、等、地震直後の惨状が再現され、全国各地から緊急車両、隊員たちが集合、さまざまな訓練が行われた。 ヘリコプターは郡山駐屯地に待機しふくしまフライトサービスの指示で離陸、数km離れた会場に飛来、会場のあさか(安積)フライトサービスの管制に従う形となっていた。 |
ではヘリコプターの訓練の様子について見てみよう。 9日早朝は濃い霧が立ち込めまったくといっていいほど視程がきかなかったが、訓練開始直前には霧が嘘のようにはれ、快晴となり8:45頃上空を「ふくしま」が旋回し視察飛行を開始。その後会場北西奥に設けられた会場ヘリポートに、新潟県、東京消防庁、札幌市、宮城県の各ヘリコプターが次々と着陸、部隊派遣を行った。 |
しかしながら9:20頃から急に西から15ノット程度の風が吹くようになり、さらに時々強風、気温も下がり、体感温度はみるみる下がる状態となった。その後、埼玉県、宮城県、仙台市のヘリコプター各機によるビル上空にホバリングしての救助訓練などに移ったが強風の影響は大きく、ウィンドソックス(吹流し)の棒が倒れ、「風向きは中央に立てられた日の丸の旗で判断するよう」指示が飛んだ。特に宮城県防災ヘリの救助訓練の際は突風が吹き、強風にあおられ機体が上下左右にふられ見ていて危険なほどだったが、ホイスト降下を見事に決め要救助者を機内に収容した際には観客から歓声が上がった。見学していた主婦は横に居た消防隊員に「助ける方も命懸けねぇ」と感慨深そうに話していた。 |
また、ドクターヘリも参加。今回は福島県医科大学附属病院のドクターヘリが会場に着陸し、患者搬送を行った。 |
その後、福島県、札幌市、埼玉県のヘリコプター3機による空中消火も2回行われた。 |
最後は紹介飛行に移り、会場正面を東から西へ一列で各ヘリコプターが低速飛行し最後を締めくくった。これには配備されたばかりの茨城県防災ヘリ「つくば」も参加した。 またドクターヘリも編隊に加わる予定だったが、直前で出動要請が入り、隊列を離れ現場へ急行した。 |
以上。 各機の訓練内容は下記の通り |
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@情報収集訓練 A応援部隊指揮訓練 B倒壊物下敷車両救出救難訓練 C土砂崩れ災害救出救助 D負傷者ヘリコプター搬送訓練 E高層建物救出救難訓練 F多重衝突陸橋崩落事故救出救難訓練 G座屈ビル救出救難訓練 H空中消火訓練 |
コメント 週間天気予報では東北方面はずっと天気が悪く心配していましたが、当日は見事に快晴。しかし喜んだのも束の間、西からの強風で突然寒くなり、震えながらの撮影になりました。今回はヘリポートすぐ横まで近づけたので撮影は比較的楽でしたがフォワードベースは自衛隊が使われたため、各機がずらりと並んだ写真がとれなかったのが残念でした。 |
2010年11月14日 初稿 ★2011年11月21日 画像追加 |
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