北村孝一

 エッセイスト。 在野ことわざ研究者(ことわざ学会代表理事)。 1946年生まれ(そろそろ人生の疲労が出ている)。北海道小樽市出身。早稲田大学文学部露文科中退。長年編集や翻訳に従事し、現在はエッセイなどの執筆活動やことわざ研究を行っている。2005年度から2016年度まで、断続的に学習院大学で非常勤講師として「ことわざの世界」を講義した。趣味は「下手の横好き」の囲碁。酒は少々たしなむ程度。

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編著書
『世界の ふしぎな ことわざ図鑑』(KADOKAWA、2021)、『ことわざを知る辞典』(小学館、2018)、 『ミニマムで学ぶ 英語のことわざ』(クレス出版、2017)、『日本のことわざ 世界のことわざ』(幻冬舎文庫、2004)、『ことわざの謎 歴史に埋もれたルーツ』(光文社新書、2003年。電子版、2014)、『外国のことわざ』(アリス館、2002)、『英語常用ことわざ辞典』(武田勝昭氏との共著、東京堂出版、1997)、『ことわざ学入門』(共著、遊戯社、1997)、『世界ことわざ辞典』(東京堂出版、1987)、『ことわざの雑学』(大陸書房、1984)他

論文・エッセイ・講演など
「寝耳に水」をめぐって−−ことわざの背景を探る−−(『青淵』892号、渋沢栄一記念財団、2023)、「悪銭身に付かず」−−白浪物に探るルーツと認知度−−」(『青淵』880号, 渋沢栄一記念財団、2022)、「ことわざの用例とその背景−−意味・用法と認知度を探る−−」(「たとえ艸」94号、ことわざ学会、2022)、「コラム・世界のことわざ」(金田一秀穂監修『小学ことわざ・四字熟語辞典』改訂第2版、学研プラス、2021)、「出る杭は打たれる−−閉鎖的社会を支えたレトリック−−」(『青淵』868号, 渋沢栄一記念財団、2021)、「ことわざの比較とは何か−−『世界ことわざ比較辞典』書評」(「図書新聞」3464号、2020年9月19日)、「魚は頭から腐る−−ことわざと政治風土」(『青淵』858号、渋沢栄一記念財団、2020)、「新谷敬三郎先生を偲ぶ会」録音記録2の2(『ロシア文化研究』27号、早稲田大学ロシア文学会、2020)※偲ぶ会から19年を経て活字化されたもの、「火のないところに煙は立たない−−イメージの断絶を超える浸透力−−」(『青淵』846号、渋沢栄一記念財団、2019)、「初物七十五日−−ことわざと俗信の関わり−−」(『青淵』834号、渋沢栄一記念財団、2018)、講演「ことわざの魅力とは」(日本大学文理学部人文科学研究所『研究活動報告書』第9号、2018)(PDF)https://www.chs.nihon-u.ac.jp/institute/human/katsudou/2017/index.html、「“たとえ”と“ことわざ”」(『ことわざ』8号、ことわざ学会、2018)、講演「ことわざの現在」(『武庫川女子大学 言語文化研究所年報』27号、2017)、「ことわざの誤解から見えるもの−−「灯台」から「枯れ木」まで」(『青淵』819号、渋沢栄一記念財団、2017)、「居候三杯目にはそっと出し−−ことわざと川柳の交錯」(『青淵』807号、渋沢栄一記念財団、2016)、「二度あることは三度ある−−ことわざの「数」の背後」(『青淵』795号、2015)、「遅い旅立ち」(『学習院輔仁会雑誌』238号、2014)、「ことわざの中の狸−−「狸の腹鼓」から「皮算用」まで」(『青淵』784号、渋沢栄一記念財団、2014)、「立てば芍薬座れば牡丹−−ことわざの伝播と俗謡」(『青淵』773号、渋沢栄一記念財団、2013)、「ことわざ・俗語研究の先駆者−−太田全斎と『俚言集覧』」(『青淵』760号、渋沢栄一記念財団、2012)、「『故事俗信ことわざ大辞典』第2版によせて」(『図書新聞』2012年4月21日号)、『狂斎百図』と『狂斎百図手控』(『暁斎』107号、河鍋暁斎記念美術館、2011)、「岡目八目--囲碁とことわざ」(『青淵』743号、渋沢栄一記念財団、2011)、「帆影七里船かげ三里」(『青淵』731号、渋沢栄一記念財団、2010)、「海を渡ってきたことわざ−−西諺の受容と変容」(『国文学 解釈と鑑賞』74巻12号、ぎょうせい、2009)、「列挙のレトリック−−演歌、ことわざ、枕草子」(『青淵』719号、2009)、「ことわざの中の猫」(『青淵』707号、渋沢栄一記念財団、2008)、「ことわざ教育の出発点」(『国語教室』86号、大修館書店、2007)、「外国から日本に入ったことわざの表現」(日英言語文化研究会編『日英語の比較−−発想・背景・文化』所収、三修社、2005)、"El "Iroha Karuta" y los refranes japoneses" ("Paremia" No 11, Madrid, 2003)、「鉄は熱いうちに打て−−その流入と定着の過程−−」(『ことわざ』第2号、ことわざ研究会、2002)、「"たとへかるた"の流行と衰退」(『ことわざ』創刊号、ことわざ研究会、2001)、「ことわざの論理--文学の異界を遠望する--」(『学習院大学言語共同研究所紀要』第22号、1998)、「右脳とことわざの言語」(『言語』96年7月号、大修館書店)、「俚言集覧の成立と増補過程」(『俚言集覧 自筆稿本版』第11巻所収、クレス出版、1993)、 「響きと修辞−−ことわざの世界を求めて」(『交錯する言語−−新谷敬三郎教授古稀記念論文集』所収、名著普及会、1992)、「フランスで読まれていた暁斎のことわざ絵」(『暁斎』44号、河鍋暁斎記念美術館、1991)、他

翻 訳
フィッシャー&ロクストン『迷路の秘密図鑑』(青娥書房、2013)、エドワーズ『脳の右側で描け(第3版)』(エルテ出版、2002)、同『脳の右側で描け ワークブック』(同、2003)、同『内なる画家の眼』(同、1988)、ニコライデス『デッサンの道しるべ』(同、1997)、ルーミス『初めてのイラスト教室』(同、1989)、ホガース『ダイナミックコミック講座: 人物を描く』(同、1998)、ポーター『グラフィックノウハウブック』(集文社、1990)、ルーミス『やさしい人物画』(マール社、1976)、ヘイズ『名画に見る絵の材料と技法』(同、1980)、ステナケル・上田『絵解き 江戸庶民のことわざ』(東京堂出版、1991)、サドゥール『SFグラフィックス』(MPC、1985)、ステルンベルク編『魅惑の広告芸術--ベル・エポック』(同、1986)、コロンタイ他『ロシア革命と労働者反対派』(共訳、海燕書房、1981)、『KYOSAI HYAKUZU』(共訳、河鍋暁斎記念美術館)他

監 修
〈ミニマムで学ぶ ことわざ〉シリーズ(クレス出版、2017、2019)、『故事俗信ことわざ大辞典』第2版(小学館、2012)、『ことわざ資料叢書』1〜4輯(2・3輯は伊藤高雄氏との共同監修、クレス出版)、『ことわざ研究資料集成』『続ことわざ研究資料集成』(時田昌瑞氏との共同監修、大空社)、『たのしい ことわざ』(高橋書店、2012)、『成語大辞苑』(西岡弘氏などとの共同監修、主婦と生活社、1995)、『日本と世界の おもしろことわざ』(須藤健一氏と共同監修、学研教育出版、2010)

近 況
★今年の春は天候の変動が激しく、夜間に強い風が吹いて目覚めることも少なくなかった。体調も波があり、例年よりも花粉アレルギーが気にかかった。
 昨年の“ことわざフォーラム2023”で「ことわざの音声と響き」をテーマにし、ワークショップで朗読を企画したこともあって、ことわざの音声面にあらためて注目している。グレマス(Greimas )が『意味について』で言及していたことを思い出し、末尾の「諺と格言(ディクトン)」(赤羽研三訳、水声社)を再読した。
 ネットのコラム(4回目)は、 「“花より団子”に込められた思い」について書いた。東京のソメイヨシノは今日明日にも開花するようだ。(2024/3/28)

★駿河台の“山の上ホテル”休館のニュースを目にし、かつて件のホテルで口述筆記のアルバイトをしたことを思い出した。大手出版社がこぞって世界文学全集を出していた時代で、半世紀以上も前のことになる。慶応大学仏文科の若林眞先生がジッド(ジード)の翻訳を口述され、私が原稿用紙に筆記していた。帰りにはよく文庫専門の古本屋に立ち寄ってギリシャ喜劇の本を1冊買い、読み終わるとまた買うことを何度か繰り返したから、3週間近く通っただろうか。馬事公苑に近いご自宅で、最終回の筆記をしたこともかすかに覚えていた。その後、何年かして小説を書かれたと耳にしたが、タイトルも知らないまま時が過ぎた。今回、これを機会にとネットで調べ、『海を畏れる』と知り、地方の古本屋に注文して入手した。郷里の佐渡と研究者として暮らす東京、それぞれの死者と生者が交錯する、ユーモアと深みのある小説で、毎晩1章ずつじっくりと読んだ。
 ネットで連載中のコラムの3回目は「“鉄は熱いうちに打て”の常識を見直す」を書いた。(2024/2/29)

★2024年の幕開けは元日の能登半島地震、翌日は羽田の航空機事故とつづき、2022年のウクライナ戦争、2023年のイスラエルのガザ侵攻もいまだに停戦もならず、心穏やかに過ごせない日々が続いている。
 1月も下旬となり、気を取り直して仕事に集中する。昨年はリハビリからのスタートだったことを思い返し、いま自分にできることをやるしかないとあらためて思う。
「ことわざ・慣用句の百科事典」サイトのコラムが連載となり、2回目は「“暑さ寒さも彼岸まで”の背景」を寄稿した。(2024/1/26)

★2023年も残りわずかとなった。トラブルもあったが、多くの方にご支援いただき、おかげさまで体調も徐々に回復し、研究を再開し継続できたことを感謝したい。
 ネットの「ことわざ・慣用句の百科事典」に寄稿を求められ、正月にふさわしいものがよいと思い、江戸時代の夢合わせ関連文献を参照し、コラム「初夢と“一富士二鷹三茄子”」を書いた。(2023/12/22)

★コロナで旅行できなかった年を除いて、長年夏は北海道で過ごしてきたが、今年は東京にいて、ともかく暑い。「温暖化ではなく沸騰化」というのも決してオーバーではない猛暑続きで、かなり参っている。昼は何とか冷房でしのげるが、24時間冷やすと体が悲鳴を上げるのは当然であろう。
 エッセイ「“寝耳に水”をめぐって」を『青淵』892号に掲載した。 スペースの関係で用例は江戸時代のものにかぎっての紹介となったが、今回はいつも以上に反響があって、どうやら今後も研究を続ける意欲がわいてきた。(2023/8/10)

★昨年はさまざまなことがあって、しばらく研究から遠ざかっていたが、2023年3月、ことわざ学会の例会で「“寝耳に水”をめぐって」と題して久しぶりに報告した。このことわざは、江戸初期から用例があり、いまもよく使われるが、その由来については二つの説がある。文字どおり寝耳に水を入れることと解して、奇抜な比喩だとする説(鈴木棠三氏など)と、寝耳に水が入ることは現実にはごく稀で不自然であり、「水」は洪水の音だとする説(金子武雄氏など)である。私は、比喩はかならずしも現実そのものである必要はないとして、前者に近い立場であったが、この数年間にさまざまな面から疑問が生じ、しだいに洪水説のほうが妥当ではないかと考えるに至った。ただし、金子氏の洪水説は、理論的にそのほうが自然であるという推論で、具体的にこの説を裏付ける用例が乏しく、説得力が十分とはいえない。そこで、江戸時代にさかのぼって、ことわざの「水」が洪水をさす用例を探索した結果を報告したものである。結論として、夜間の豪雨による洪水をさして用いられた例が江戸前期から認められ、この用法が一部では近現代まで根強く残っていたことが判明したのだった。(2023/3/20)

★コロナ禍の先行きがなかなか見えず、ようやく下火になってきたかと思うと、また感染者数が増大している。とはいえ公共図書館は、たとえば文京区立図書館の場合、座席は二分の一から三分の二ほどに制限されているが、着席時間の制限がなくなり、だいぶ使いやすくなったのはありがたい。他方で、大学図書館は、どうやら全国的に依然として外部の者の入館を認めないようで、どうにも困ったものである。
 困ったものといえば、小学校の給食では、対面しないように座り、黙食がいまも続いているという。こんなに不自然なことが2年半も続くと、この時代の子どもたちに将来深刻な影響があるのではと、心配になってくる。
 困ったもので済まされないのは、ロシアによるウクライナ侵略。かつてロシア語を学んだ後期高齢者は、その惨状を繰り返し画像で見せられ、己の無力さを思い知らされる毎日だ。それにしても、プーチンの論理とこれに従うロシア国民の姿はかつての日本帝国を想起させるものがある。また、昨日までプーチンやトランプのポチだった者が、何の反省もなく、この機に乗じて「核の共有」や軍事費の倍増、憲法改正を画策するのもいい加減うんざりだ。(2022/7/3)

★気がつくと2021年も師走半ば。コロナ禍はいまだ収束せず、日常生活でもさまざまな制約が残っている。人々が自由に集うこともむずかしく、昨年に続き、今年の“ことわざフォーラム”もリモートを併用して開催した(12月4日、杏林大学)。やってみると、リモートにはもどかしさもあるが、海外でも視聴できるなどのメリットがあり、対面とは別の可能性も感じられた。
 時期は前後するが、10月に学研プラスから刊行された金田一秀穂監修『小学ことわざ・四字熟語辞典』改訂第2版にコラム「世界のことわざ」(105項目)を執筆した。かつて共同監修した『日本と世界の おもしろことわざ』の記事をベースにしているが、用法を確認して、多くは書き換える結果となり、イラストも一部改めた。今年は、『世界の ふしぎな ことわざ図鑑』に加え、“ことわざフォーラム”のテーマも「子どもとことわざ」だったから、子どものことを考える年であった。(2021/12/13)

★一昨年(2019)から取り組み、昨秋原稿を書き終えていた『世界の ふしぎな ことわざ図鑑』(KADOKAWA)が今月ようやく刊行された。子ども向けの本で、見開きの右ページで日本のことわざに用例を付してイラスト入りで解説し、左ページには類似の外国語のとわざを3つずつ挙げてコメントを加え、構成と文章は自分なりに工夫してみた。80の日本のことわざに外国語のものが240項目で、合計320項目。いまふうの賑やかな装丁とイラストで、ちょっと気恥ずかしいが、子どもたちは歓迎してくれるようだ。子どもにわかりやすく、やさしい文章で書くことは、自分の頭の中を整理することにつながり、得がたい経験をしたと感じている。
 非常事態宣言の中で160点に及ぶイラストを描いていただいた伊藤ハムスター氏と、粘り強く編集・制作を進めていただいたKADOKAWA編集部の丸岡希実子さんに深く感謝したい。また、外国語のことわざについては、中村禮子氏(シンハラ語)や多くのことわざ学会会員にご協力いただいたことを記し、あらためて感謝の意を表したい。(2021/8/26)

★その後、都内の区立図書館は徐々に閲覧できるようになったが、時間制限があったり、机はあっても椅子がなかったりするところもある。都立中央図書館や国立国会図書館は抽選制で、座席数もかぎられている。私のようなインディペンデント・リサーチャー(在野研究者)にとって何より痛いのは大学図書館が外部の者に閉ざされていることで、原典を確認する作業は絶望的なことも少なくない。イベントやスポーツ観戦の制限もかなり解除されてきているのに、なぜ図書館の本の閲覧が極端に制約され続けるのか、まったく理解できない。図書館でクラスターが発生した事例でもあるのだろうか。ライブラリアンの声も私にはまったく聞こえてこないが、どこかで声をあげているのだろうか。(2020/10/08)

★都内の公共図書館は完全に休館し、近隣の大学図書館も5月の連休明けまで休館となっている。原稿執筆に支障が出るのはいうまでもないが、いまは自宅でできることをやるしかない。
 昨秋、〈ミニマムで学ぶ〉シリーズが2点刊行されて、年明けからことわざのミニマムについて質問されることが何度かあった。ことわざのミニマムに関心のある方には、広い視野からリテラシーの問題としてとらえた次の論文を一読されることをお薦めしたい。
 鈴木雅子「外国語学習者の“文化リテラシー”−−日本人学習者に対するデンマーク語のことわざを一例に」(IDUN −北欧研究−、23号、2019)
 https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/71770/
 上記の大阪大学のサイトからダウンロードして閲覧できる。(2020/4/16)

★コロナウィルスで区立・都立の図書館が事実上閉鎖され、仕事がたいへんやりにくくなっている。ネットで申し込めば借り出すことはできるが、本をまったく見ずに予約するのはひどく効率が悪い。辞典類をその場でちょっと確認することもできない。ウィルスのリスクを避けたいのは誰でも同じだが、一律に閉鎖するのはいかがなものか。(ただし、一部の区立図書館は閲覧可能との情報もある。)(2020/3/10)

★9月25日に、ミニマムで学ぶシリーズのドイツ語とスペイン語の2点がクレス出版から同時刊行された。少し時間がかかったが、いずれも各言語の専門家がネイティブの協力を得て執筆したもので、期待に違わぬ内容と親しみやすさを兼ね備えている。監修者として、シリーズの5点がそろったことで、少しほっとしている。(2019.10.17)

★近年は、紀要類でも印刷されず、PDFのみというものも多くなっている。他の方からそうした形式の論文をお知らせいただき、私自身も2017年に日本大学文理学部人文科学研究所で講演したことを思い出した。講演を文字に起していただき、校正した記憶はあるが、その後音沙汰がなかったもので、検索したところ、HPにPDFで掲載されていることが判明した。(2019/6/11)

★『ことわざを知る辞典』(小学館)を上梓した。用例は原則として近現代の文献からとり、わかりやすい記述で、親しみやすい本になるように心がけた。基礎的なデータは『故事俗信ことわざ大辞典』第二版に基づいているが、その後の研究成果もかなり反映できた。コンパクトな辞典だが、基本項目100は1ページとし、コラムも10あって、ある程度自分の見方を示せた気がしている。また、100点をこえる谷山彩子さんのイラストは、ふんわりと穏やかな中にユーモアがあり、楽しい。ご協力いただいた皆様にあらためて感謝したい。(2018/11/20)なお、この本は次の版元サイトで試し読みできる。(2019/1/4)

★ことわざ学会の学会誌『ことわざ』8号が刊行された。学会創立十周年記念号で、会員によるエッセイを特集している。いずれも、論文だけではわからない執筆者の個性が感じられ、興味深く読ませていただいた。(2018/4/28)

★2018年5月5日、5回目となる「いろはかるたを楽しむ会」を殿ヶ谷戸庭園で開催する。今回は、〈加賀のいろはかるた〉にスポットを当て、お話しするとともに、〈いろはかるた貼交図〉からかるたを作って遊ぶことにした。〈いろはかるた貼交図〉につては、このHPの「いろはカルタ」のなかで「加賀の庶民文化を伝える一枚刷り」として取り上げているので、ご参照いただきたい。(2018/4/26)

★昨秋から「ことわざ資料書誌−−江戸期を中心に」と「江戸期未収録ことわざ索引」をHPで公開することを検討し、11月にテスト版をアップしている。前者は、数多く刊行されたことわざ資料集のうち江戸期の資料をを中心にタイトルなどで書誌情報を検索できるもの、後者は加藤定彦・外村展子編『俚諺大成』(青裳堂、1989)に未収録で、目についたものを五十音順に収録したもので、ツールとして活用いただくことを願っている。。ささやかなものだが、ある程度の実用性はあるかと思う。テスト版なので、トップからやや入りにくい形になっているが、関心のある方は、お問い合わせいただきたい。(2018/1/22)

★10月以降は何かと慌ただしく、気がつけば、はや大晦日。この間、11月25日には、ことわざ学会創立10周年記念の「ことわざフォーラム2017」に参加、11月30日には日大文理学部人文科学研究所で「ことわざの魅力とは」と題して講演、12月9日にはNPO地球ことば村のサロンで「ことわざを見直す」と題してお話しするなど、珍しく外に出ることが多かった。少し疲れたが、ことばやことわざに関心の高い皆様に出会い、いろいろと学ぶことができ、大いに感謝している。(2017/12/31)

★4月から完全なフリーとなり、どの程度仕事がくるのか見当がつかなかったが、初めてのところから意外に多く声をかけていただいて、むしろ忙しくなっている。PR誌や女性週刊誌の取材に応じたり、関西のテレビ局に呼ばれたり、出版関係でも新しい企画が進行することになった。今週は、犬の雑誌の新年号企画で、犬に関することわざ特集の監修を依頼され、そうか来年は戌年かと、あらためて気づかされた。(2017/10/5)

★1月に仕事場を整理し、蔵書の大半を処分した。執筆に支障が出るのではと少し懸念したが、案ずるより生むが易しで、公共図書館のお蔭で何とかなっている。パソコンで依頼すると、翌日には区内のどの図書館の本でも見られるので、専門書は別として、文学書や一般書はほぼカバーできる。こまめに借りたり返したりで、運動不足の解消にもつながり、一石二鳥で、たいへん有り難い。(2017/5/30)

★3月末で、学習院大学非常勤講師の任期を終えた。2005年度から担当し、途中2回2年ずつ休み、延べ8年間、ドイツ文学科の研究室にお世話になり、基礎教養科目「言語と文化−−ことわざの世界」を自由に講義させていただいた。週1コマの授業だが、保阪良子先生はじめ多くの方々のご協力を得て、学生とともにさまざまなことを学ぶことができたと思う。関係者の皆様、そして学生諸君にあらためて深く感謝したい。(2017/4/1)

★しばらくHPに手を入れていなかったが、「いろはカルタのページ」に「宮城道雄の童謡〈いろはかるた〉」を掲載した。そのほか、HPの体裁で気になるところなどを順次訂正している。(2017/3/3)

★中断していた地球ことば村HPの連載エッセイ「ことわざの世界」を再開し、「若い時は二度ない」を掲載しました。これからは月に1回程度、ことわざに関連した短いエッセイを書いていくつもりです。(2017/3/1)

★ここ3年ほど取り組んできた〈ミニマムで学ぶ〉シリーズの第1弾3点が、クレス出版から刊行された。企画からかかわり、監修を手がけたもので、「フランス語のことわざ」は大橋尚泰氏、「韓国語のことわざ」は鄭芝淑氏、「英語のことわざ」は北村孝一がそれぞれ執筆している。ことわざを論理的にとらえるとともに、感覚的にも自らのものとするための試みで、異文化理解のツールとして活用されることを願っている。(2017/2/28)