165系
165系「モントレー色」
東海道本線 品川 1998年9月14日撮影
 1963年(昭和38年)2月に急行形直流電車として登場しました。当時は東海形と言われた153系急行形直流電車が主流でしたが、出力100kWのMT46A主電動機では勾配線区で出力不足となるため、主電動機を強化した同型式が生まれました。
 車体は153系をベースにした2扉クロスシートで、451系のような前面強化型の幌枠が突出した高運転台となっています。
 現役形式はクモハ165(運転台付きパンタなし電動車)、モハ164(パンタグラフ付き電動車)、クハ165(運転台付き付随車)のみとなっていますが、引退した形式にはバラエティーに富んだ車両がありました。
 台車は451系で採用された揺れ枕吊りのない空気バネ台車で電動車がDT32,付随車がTR69となっています。主制御器は451系のノッチ戻し付きを基本としてさらに抑側ブレーキ付きとしたCS15Aで、主電動機は出力120kWのMT54を採用し勾配区間に適した性能となっております。MG(電動発電機)とCP(空気圧縮機)はモハ164に集約しています。
 165系は当時電化されつつあった勾配線区へ進出する一方、既に電化された区間でも使用されました。
 CPはC-1000をモハ164に2台搭載していましたが、40年度第2次民有車からC-2000を1台としました。冷房化はグリーン車が39年度早期債務車から行い、42年度予算車からも普通車も冷房準備車とし、43年度4次債務車から全車冷房付きで登場しました。車両需要の関係から44年度債務車をもって製造打ち切りとなりました。冷房改造はグリーン車が1967年(昭和42年)、普通車が1968年(昭和43年)から行っています。
 1982年(昭和57年)東北・上越新幹線開業を期に電車急行は大幅に廃止、及び格上げされ、その後も急行列車の削減が相次ぎ、1996年(平成9年)10月ダイヤ改正で165系使用の急行「赤倉」が廃止され、同系の定期急行運用は消滅しました。さらに、定期運用として最後まで活躍してきた「ムーンライトえちご」が2003年(平成15年)5月1日をもって全て485系になったことから完全に定期列車から姿を消しました。近年ではアコモ改造を受けたり、ジョイフルトレイン「なのはな(廃車)」、「パノラマエクスプレス・アルプス(現富士急車)」、「シャトルマイハマ(現アルファ)」に改造された車両もあります。
 2003年(平成15年)に残念ながら全廃されました。
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