651
651系(K106) 42M 特急「スーパーひたち」42号
常磐線 天王台〜取手 2006年9月3日撮影

651
651系1000番台(OM205) 特急「草津」32号 3032M
上越線 新前橋 2019年4月29日撮影

651系1000番台(OM205) 特急「草津」32号 3032M
上越線 新前橋 2019年4月29日撮影

1.概要
 1988年(昭和63年)従来使用してきた485系の置き換え用として登場した車両です。
 この車両はJR東日本民営化後初の新型特急車両と言うこともあり、内外装とも従来車から完全にフルモデルチェンジを図っています。
 編成は4M3T(Tc1+M1+M'1+Ts+M2+M'2+Tc2)の7両編成を基本とし、それに2M2T(Tc1+M1+M'1+Tc2)の付属変性を用意して、需要に応じた編成両数の増減を図れるようにしています。
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・基本編成
 クハ651−モハ651−モハ650−サロ651−モハ651-100−モハ650-100−クハ650
・付属編成
 クハ651-100−モハ651−モハ650−クハ650

2.車体構造
 車体は、普通鋼製が採用され前頭部を始め、柔らかな曲線で構成されています。
 全長は、先頭車が21.5m、中間車が21.1mとなっています。
 普通車の乗降扉は片側に片開き式の扉が2か所設けられています。グリーン車は片側に片開き式扉が1か所設けられています。

3.車内設備
 アコモデーションはビジネス客をメインターゲットにした設計となっており、全般的にすっきりと落ち着いた雰囲気になっています。
 グリーン車は2列+1列の配列で、シートピッチは1,160mmとなっています。シートも大型のバケットタイプのものが採用されています。荷棚も航空機に見られるふた付きの八トラック式が採用され、車内の見栄えが向上しています。普通車は2+2列の配列ですが、シートピッチは970mmを確保し、読書灯も付いています。なお、グリーン車のサロ651形の後位座席は禁煙席で一般席とのパーテーション(仕切)として初めて透明ガラスが採用されました。

4.機器類
 制御装置は、サイリスタ位相制御、抵抗制御、直並列組合せ制御、界磁添加励磁制御が採用されました。
 主電動機は、出力120kWの直流直巻電動機(MT61)が採用されました。
 制動装置は、電気指令式(回生ブレーキ、抑速ブレーキ付き)が採用されました。
 駆動方式は、中空軸平衡カルダンが採用されました。
 台車は、軽量ボルスタレス空気バネ式台車のDT56(電動車)、TR241(付随車)が採用されています。
 モハ650形にはPS26形菱形パンタグラフが1基搭載されております。
 各車の屋根上にはAU711形冷房装置が2基搭載されておりますがキセで覆われており、凹凸が少ない構造になっております。

5.主な履歴
 1989年(平成元年)3月11日より「スーパーひたち」として営業に付きました。
 1990年(平成2年)3月改正から1時間ヘットにするため2次車が登場しました。
 2次車はグリーン車の各座席に小型の液晶テレビが設けられ、1次車では準備工事のみ施工されていた衛星放送受信サービス本格的に実施させました。
 2000年(平成12年)に車内更新工事が行われ、座席の改造、オーディオ設備の撤去、間接照明から直接照明への変更、荷棚をハットラック式から解放式へ変更、衛星アンテナ撤去などが行われました。
 2013年(平成25年)に特急「スーパーひたち」の全定期列車がE657系に置き換わりました。また、付属編成(K203)が廃車され、当形式の最初の廃車となりました。
 2014年(平成26年)3月15日ダイヤ改正より高崎線系統の特急として1000番台が運用開始されました。余剰になった0番台の一部編成が改造されました。電動車の直流化改造が行われ、一部の交流機器が撤去されました。重量バランスを考慮して一部機器は回路を切断して残置されています。また、パンタグラフをシングルラーム式のPS33Dに交換され、側窓下にオレンジ帯が追加されました。
 2017年(平成29年)に1000番台の付属編成2本が廃車されました。
 2016年(平成28年)に小田原〜伊豆急下田間で運転される伊豆クレイル号として1000番台の付属編成の4両が改造されました。2020年(令和2年)3月29日に運用終了し、同年10月10日に廃車されました。

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