701系
701系 奥羽本線 弘前
 1992年(平成4年)東北地区の客車列車置き換え用に登場した20m両開き3扉の近郊形交流(AC20000V/50Hz)電車です。
 形式はクモハ701、サハ701、クハ700からなるっています。クモハ701は制御電動車で、床下に補助電源装置、主変換装置、主変圧器を備え屋根上にブレーキ抵抗器、特高圧関係機器を備えています。サハ701は3両編成の中間に挟まれます。クハ700は制御車で後位に洋式便所と車椅子スペースを設置し、床下に空気圧縮機、除湿装置、蓄電池箱を設置しています。
 車体構造は、209系と同じステンレスのプレスを多用した2シート工法の鋼体を採用しています。先頭部は切妻で中央に貫通扉を設け、FRP製の覆いで構成されています。
 車内はロングシートで、出入り口は運用線区を考慮してステップ付きとなっています。内張は運転席背面と妻面を除き窓キセも含めてFRP製となっています。天井風道もFRP製とし、風道部、冷風吹出部、天井灯部までを一体構造としています。各部の色彩は側、天井、妻に明るいベージュ色を、腰掛けモケットに細かい柄の入ったパープル色を採用しています。
 側窓は出入り口間を4連窓、車端寄りは1枚窓を設けました。4連窓の中央2窓を開閉窓とし、他の窓は固定式としています。窓寸法は極力大きくし、熱線吸収ガラスを使用してカーテンを省略しています。
 側引き戸は冬季の車内保温のため半自動構造とし、各出入り口の内外に開閉用のスイッチを設けています。座席のそで仕切は風防の機能を持たせ、立ち席者との区分を明確化させるため大型の物を採用しています。貫通扉はお客様の車両間移動を容易にするため貫通路幅を1200mmとし、妻引き戸は2枚の両開き構造としています。
 冷房装置は単相400V-50Hz用のAU710A形を採用しています。
 2両編成の先頭部はワンマン運転関係の自動両替器付き運賃箱、整理券発行器、自動放送装置、運賃表示器等の機器を設置しています。
 保安装置はATS-SN、列車無線・防護無線の他緊急列車防護(TE)装置を設け、ワンマン対応車にはEB装置を設置しています。
 台車は209系の台車を基本とした軽量ボルスタレス構造で、台車枠の形状変化により電動台車をDT61A形、付随台車はTR246A台車としています。
 制御装置はVVVFインバーターとし力行とブレーキはすべり周波数の制御で切換可能ですが、ブレーキは発電ブレーキで発生電力を屋根上の抵抗器で消費しています。主電動機は新開発のMT65形で小型軽量化し耐雪構造となっています。ブレーキ方式は発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(1500番代は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ)を採用し、耐雪ブレーキ及び、直通予備ブレーキを併設しています。
701系1000番代
701系1000番代 東北本線 盛岡 2000年1月1日撮影

 1994年(平成6年)12月には秋田地区に100番代、盛岡・仙台地区に1000番代、1996年(平成8年)に秋田新幹線の標準軌用に5000番代(セミクロスシート車)、1998年(平成10年)には仙台地区に715系1000番代置き換え用の1500番台が登場しました。 
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