383系
383系(A4) 2009M 特急「ワイドビューしなの」
東海道本線 山崎〜高槻 2006年8月18日撮影
 1994年(平成6年)「しなの」号に使われていた従来の381系の置き換えようとして登場した特急形振り子車両です。
 この車両の設計コンセプトは「より速く」、「より快適に」、「より使いやすく」でトータルバランスを意識した設計としています。
 次世代車両として新しい技術を積極的に採り入れ、急曲線の多い山岳線でのスピードアップを図るため、レールへの負担力軽減として、車両の軽量化と国内初の自己操舵台車を採用しました。また、自然振り子の乗り心地を改善するため制御付き振り子を採用しています。さらに低重心化を図るためシングルアーム式パンタグラフや810mmの小径車輪を採用しました。最高速度は381系の120km/hから130km/hに、加速性能も1.6km/h/sから2.1km/h/sに引き上げられました。メンテナンスフリー化のため、ステンレス車体、ボルスタレス台車、VVVF制御装置及び、静止形電源装置などの採用や摩耗部品の長寿命化を図るとともに、乗務員、検修支援機能を行うモニター装置も装備しています。ブレーキ装置にはT車優先遅れ込め式を採用しています。電動車と付随車がユニットを組み、MT比は1:1となっています。
 基本編成は381系と同じ6両編成で、長野寄りからクロ383+モハ383+サハ383+モハ383-100+サハ383-100+クモハ383となっています。長野寄りのクロ383は非貫通タイプ、名古屋寄りのクモハ383は増結を考慮した貫通タイプとなっています。クロ383には車椅子対応のトイレを設置しています。2〜4号車は普通指定席で、2号車には車内販売準備室やカード式NTT電話機を設置、3号車に和式トイレ、4号車には自販機を設けています。5,6号車は普通自由席となっていて乗降の利便を考慮してデッキを2カ所とし、5号車には洋式トイレを設置しています。
 また、量産体制になってからは4両編成と2両編成の増結編成も登場しました。4両編成は長野寄りからクロ383-100+モハ383+サハ383-100+クモハ383となっています。クロ383-100はクモハ383と同じく貫通タイプとなっていますが、室内はクロ383と全く同じです。2両編成は長野寄りからクハ383+クモハ383となっています。クハ383の車端部には便所と洗面所を設けております。
 エクステリアはJR東海のコーポレートカラーのオレンジのラインを基調としたスピード感のあるサイドビューと丸みを帯びたフラッシュサーフェース先頭部が特徴です。先頭グリーン車クロ383は流線型で、格納式密着連結器を台枠下部に格納しております。クモハ383の貫通部は幌内蔵式スイング扉で凹凸を無くしています。
 インテリアは、車体断面が振り子動作のため上下が絞られていますが、明るく広がりのある天井構成や、偏心回転式腰掛けの採用で客室を広く見せています。先頭部は前面展望を考慮するとともに、側窓の開口高さを381系の63cmから95cmに拡大し、フリーストップリクライニングやフットレストを採用しています。グリーン車のシートピッチも381系の116cmから120cmに拡大し、読書灯、大型背面テーブルとサイドテーブルも設置しています。床はカーペット敷きとしました。天井部は軽量化のためアルミハニカム構造の荷物棚とし、照明もシンプルなグローブ付き直接照明としました。客室妻部には次駅等を知らせる車内情報装置を設置しました。客室入り口部にはスキー板等を置ける荷物スペースを設けました。中間部の連結面を830mmと一般部より50mm下げることにより、貫通部の床面をフラット化しています。また、乗降部には滑り止めを施しています。各出入り台には資源のリサイクル化を図るため、分別収集のゴミ箱を設置しております。トイレは軽量化のため、FRPユニットとしていますが、床部分は高級感を出すためタイル張りとしています。また、衛生的な真空式汚水処理装置を採用するとともに、給水関係は全て自動水洗式とし、おむつ交換台も設置しております。
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