30000系 ビスタEX 特急 
京都線 向島 2007年8月14日撮影

30000系 ビスタEX 特急 
京都線 向島 2007年8月14日撮影

1.概要
 1978年(昭和53年)に10100系(新ビスタカー)の置き換え用として登場した特急用車両です。
 登場時は「ニュービスタカー」という称号が与えられたが、10100系の「新ビスタカー」と意味が同じになるため、後に「ビスタカーV世」と改称されました。
 現在では更新され「ビスタEX」となりました。
 形式はモ30250形、サ30150形、サ30100形、モ30200形が用意されました。
 編成は下記の通りです。
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 モ30200形−サ30100形−サ30150形−モ30250形

2.車体構造
 車体は鋼製車体ですが、サ30100形、サ30150形の1階台枠はステンレス鋼となってます。
 車体長モ30200形、モ30250形は20,720mm、サ30100形、サ30150形は20,350mmとなってます。
 中間車サ30100、サ30150形2両は2階建て構造で、片側中央部に2枚折り戸式乗降扉が1カ所設けられてます。
 先頭車モ30200形、モ30250形は1階建で、モ30200形は2枚折り戸式乗降扉が片側に1カ所、モ30250形が2カ所設けられてます。
 先頭車のデザインは、12400系が基になってます。
 通り抜け可能な貫通扉が設けられてます。

3.車内設備
 座席は一部を除いて偏心回転式簡易リクライニングシートが採用されました。
 回転しない座席は全体で36席ありましたが、更新により撤去されてます。
 2階建て階下席は固定式で向かい合わせ席となってます。
 和式便所と洗面台は、モ30200形とモ30250形の車端部に設けられてます。
 車内準備室はモ30200形の運転席後方に設けられました。

4.機器類
 制御装置は抵抗制御方式で、主制御器は電動カム軸式自動加速制御器(ABFM-254-15MDHB or ABFM-168-15MDHB(10100系からの流用):三菱電機)が採用されました。
 主電動機は180kWのMB-3127-A3(三菱電機製)を各台車に2台搭載してます。駆動装置はWN駆動が採用されました。
 台車は近畿車輛製のシュレーリン式円筒案内式車体直結空気バネ台車で、電動車がKD-83、付随車がKD-83Aが採用されました。
 ブレーキ装置は発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)が採用され、電動車は抑速発電ブレーキが連動し、付随車は電磁直通ブレーキ(HSC)を搭載し、車軸中央にディスクブレーキを搭載してます。
 パンタグラフはモ30200形、モ30250形に2基ずつ搭載されてましたが、更新の際に1基ずつに変更されました。

5.主な履歴
 1980年(昭和55年)7月に竣工した30214F(3次車)はモ30200形とモ30250形の屋根上に連続の歩み板が設けられ、母線と母線過電流継電器が設置されました。
 1985年(昭和60年)3月に竣工した30215F(4次車)は、マイナーチェンジが行われ、モ30200形に車販準備室とトイレに磨りガラスの窓も設けられておりません。中間付随車は冷房ダクトが天井中央部に追加されたため屋根に段ができ高さが変更になってます。座席のリクライニング機能がフリーストップ式に変更されました。
 1988年(昭和63年)に最高速度120km/h対応工事が行われました。
 1990年(平成2年)に30214Fが放火に合い、復旧の際に座席の無断リクライニング化、機器の一部更新が行われました。
 1996年(平成8年)から大幅なリニューアル更新工事が始まりました。
 更新の内容は下記の通りです。
 ・2階部分を新製し、窓は曲面ガラスを用いて一体化。
 ・2階客席車端部の固定式座席を撤去。シートピッチを980mmから1,00mmとし全席回転可能としました。2階部と先頭車のシートを22000系と同じ物に変更。リクライニング機能をフリーストップ化。
 ・トイレは洋式、男性用小便器、洗面器のセットに変更。
 ・10100系から流用した制御器を12200系、18400系の廃車発生品と交換。
 ・母線引き通しを行い、パンタグラフを編成で2基に変更。
 ・外観帯位置やロゴの変更。愛称を「ビスタEX」に変更。
 2009年(平成21年)〜2011年(平成23年)にかけて新型ATS設置、デットマン装置設置が行われました。
 2010年(平成22年)より1階席はグループ専用席となりました。
 2010年(平成22年)よりB更新工事が始まり、1階席の座席イメージ変更。側面表示器は3色LED化、前面行き先表示器はフルカラーLEDに変更されました。

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