100系
100系 1124列車 特急「きぬ」124号 
伊勢崎線 松原団地 2006年7月30日撮影

100系(107F) 1122列車 特急「きぬ」122号
伊勢崎線 梅島 2008年7月26日撮影

1.概要
 1990年(平成2年)にDRC(1700,1720系)の置き替え用として登場した、特急車両です。
 「スペーシア」という愛称は、営業開始前に公募したものから選ばれました。
 日光方面の特急「けごん」と鬼怒川温泉方面の特急「きぬ」に使用されています。

2.車体構造
 車体は軽量化、低重心化、気密性、遮音性などを考慮して、東武初のオールアルミニウム合金製の20m車体とし、片側に1扉片開き式のプラグドアが採用されてます。
 外観は緩やかな流線型を採用して速度感を強調すると共に、柔らかく優美なイメージを出しています。塗装は白を基本に、ルビー色とオレンジ色のライン、窓回りはブラックになっています。ビュッフェや洗面所など窓のない部分には、「SPACIA」のロゴマークが入っています。

3.室内設備
 室内は、天井と壁面がベージュ系、シート、カーテン、床の絨毯が淡いブルー系で統一されています。照明も間接照明を採用、ソフトで落ちついた雰囲気を演出しています。
 浅草よりの6号車は、私鉄初のコンパートメント専用車となっており、4人用個室が6室設けられています。コンパートメントは大型のソファと天然大理石のテーブルが備えられており、空調は各部屋ごとに調節可能、オーディオサービスも部屋全体、個人別の切り替えが可能です。また、ビュッフェへの直通インターホンがあり、迅速なオーダーが可能です。
 一般席は、フリーストップの2人掛けリクライニングシートとなっており、シートピッチは1,100mmとかなりゆったりしています。各席には、肘掛け部に収納式のテーブルと壁面に折りたたみ式のテーブル、読書用スポットライトが設置されています。オーディオサービスはイヤホーン不要のシートスピーカーを採用、着席時のみ使えるようにシートセンサーを備えています。3号車にはビュッフェ(シートサービス方式)、サービスカウンター、電話室、自動販売機が設置されており、列車内のサービスセンターとなっています。また、この車両は特急専用車ですが手荷物の多い観光客の乗降の便を考慮して、側出入口が1,000mmと広くなっています。

4.機器類
 制御装置はGTO-VVVFインバーター制御、主電動機は150kWの三相かご形誘導電動機が採用され、制御装置1台で8個の主電動機を制御する1C8M方式が採用されてます。1両あたり4個の主電動機を全車両に搭載し、駆動装置はTD継手平行カルダン方式が採用されてます。
 ブレーキ方式は回生・発電ブレーキ併用電機指令式空気ブレーキ(HRDA-2)が採用され、常用制動の場合回生ブレーキ、非常制動の場合発電制動を併用してます。高速運転に対応するため滑走再粘着制御及び粘着パターン制御を行います。基礎ブレーキは踏面片押し式のユニットブレーキが採用され、降雪時を考慮し焼結金属製の制輪子が採用されてます。
 空調装置は冷暖房兼用のヒートポンプ式集約分散型が採用され、1両あたり3台及び4台搭載されてます。
 台車はモノリンク式ボルスタレス台車(TRS-90型)が採用され、軸箱支持方式SUミンデン式が採用されてます。

5.主な履歴
 1991年(平成3年)に鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞しました。
 1991年(平成3年)に製造された車両から台車にヨーダンパが取り付けられ、以降未装備車にも装備されました。
 2006年(平成18年)にJR新宿まで直通運転するため、ATS-P、JR用列車無線、EB・TE装置等の設置工事が行われました。

←戻る TOP 掲示板