2002年02/09公開 |
くわしくはこちらを。 このコーナー向きの作品ではないことは承知で取り上げてしまったのは、昨年の私のナンバー1!作品だから。それと、演劇を扱った作品って、舞台シーンがよかった試しがないのですが(カサヴェデス『オープニング・ナイト』すら悲惨だった)これはそれもいいのよ。最初は深刻な物語と見せかけてコメディに途中で変わるのも、シェイクスピアの「ロマンス劇」と同じ構造だしね。 宇宙の危機のまっただ中にいる時も、お母さんに言い付けられたゴミ捨てを忘れないトレッキーの弟と、離婚したばかりの上司と恋に落ちた途端、相手に死なれて職場にいづらくなった姉の珍道中。『激突!』翻案としては『ロードキラー』よりいい出来なのでは思っていたら、途中から二転三転して、デビルマンがゴキブリのように車の上でスサササササと歩いてみせる話になってしまいましたとさ。 あと、「ジーパーズ・クリーパーズ」の歌詞の解題をするのなら、何故「二十三年に一度、二十三日間」なのかも教えてくれないといかんのでは。 |
2002年02/02公開 |
ひとつの衝突事故、三つの人生。ぶつかりあったことにより変わってしまう運命。 アベルとカイン。兄と弟。闘犬場。虐待されている幼妻。それらはメキシコにおいてはファンタジーではない。ただの現実。 革命家になるために普通の人生からドロップアウトしてしまう大学教授。刑務所から出た後は警察に殺し屋として使われている。これもメキシコなら普通にありうる話。 これらのエピソードは神話として、異邦人である映画作家たちに使用されてきた。目の前に横たわっているものが物語の題材になりうるということを自覚した若い世代が、スタイリッシュに表現する方法を見つけたのなら、もうメキシコは自らを語るために「他所もの」を必要としなくていい。 だからこそ露骨にブニュエル節の二話目が悔やまれる。 振り払えない「何か」の象徴として、全てを捨てたはずの男に犬は寄り添い、どこまでもついていく。 くわしくはこちらにて。個人的にはジェレミー・レニエくんラヴ。フランスのタッキーって感じだ。 |